見出し画像

玉ねぎの水分だけで煮込む〜豚バラ肉のナポリ風ジェノベーゼ〜

今日は豚バラ肉のナポリ風ジェノベーゼの作り方について、ご紹介します。

本場イタリアのナポリでは、ジェノベーゼとは茶色のソースのことを言います。日本では、ジェノベーゼはバジルを使った緑色のソースだと思われていますが、率直に言うとあれは誤解なんですね。

ですが、日本では『ジェノベーゼ=緑のソース』という印象が定着していますので、本場のジェノベーゼソースを作るときは『ナポリ風ジェノベーゼ』と表記することが多いです。

さて、今回は豚バラ肉を煮込む料理なワケですが、この料理は豚バラ肉を玉ねぎの水分だけで煮込みます。玉ねぎと豚バラ肉の味が凝縮されたこのソースは、もう本当にめちゃくちゃ美味しいので、ぜひ皆さんも挑戦してみてください。

■材料(2人前)

こちらが豚バラ肉のナポリ風ジェノベーゼの材料です。

【A】肉の下味
・豚バラ肉(ブロック) 200g
・ローズマリー 1本
・にんにくスライス 少々
・塩 2g

【B】ソースの工程
・玉ねぎ(スライス) 400g
・にんにく 1欠片
・ローリエ 1枚
・ローズマリー 1本
・白ワインビネガー 小さじ1
・醤油 少々
・ブラックペッパー 適量
・パセリ 適量

■作り方

【A:豚バラ肉の下処理】

まず豚バラ肉の臭み取りと下味をつけていきます。

こんな感じで塩を全体的に振って、下味をつけておきます。

塩が振れたら、ローズマリーとにんにくをパラパラっとかけて半日冷蔵庫で寝かせましょう。時間がなければ、30分くらいでも大丈夫です。

【A:豚バラ肉を焼く】

一口大に豚バラ肉を切って、脂肪の多い皮面から焼いていきましょう。皮面をしっかり焼くことで、余計な油を取り除くことができるのと、香ばしさをプラスすることができます。

皮面はこれくらい焼きましょう。こんがり焼いた方が美味しくなります。

皮面以外のところは、色が変わる程度にさっと火を通すくらいで充分です。写真のようになったら、取り出しておきます。

【玉ねぎで豚バラ肉を煮込む】

冷めたフライパンに油をいれ、半分に切ったにんにくとローリエをいれて、弱火でじっくり熱を加えていきます。

にんにくにこれくらいの焼き色がついてきたら、油に充分香りが移ってますので、玉ねぎを入れましょう。

スライスした玉ねぎの半分を鍋に入れましょう。

焼いたお肉を敷き詰めて、ローズマリーをちらします。

残りの玉ねぎを、豚バラ肉の上にいれます。豚バラ肉が見えなくなるぐらい玉ねぎがあるとベストです。

あとは蓋をして、弱火で煮込み続けるだけです。こうやって蒸し煮することで、玉ねぎの水分がどんどん出てきます。

しばらくすると、こんな感じで玉ねぎの水分が出てきます。再度、蓋をして、まだまだ煮込んでいきましょう。

さらに煮込むと、ほとんど玉ねぎの原型がなくなってきます。

ここで、豚バラ肉が柔らかくなったか調べてみましょう。調べ方は竹串の裏側で、豚バラ肉を刺してみるといいでしょう。柔らかくなっていれば、竹串がスッと入ります。固いと、引っかかるような感覚を覚えます。

豚バラ肉が柔らかくなるまで、煮込んだ結果の写真です。ここまでくると、玉ねぎの水分もだいぶ減っています。この、ぐずぐずの玉ねぎが最高に美味しいソースになんですね。

最後に、白ワインビネガーと醤油を少々加えて味見をしてみましょう。少し味が薄いようなら、塩をパラパラっとかけて調整しましょう。でも、たぶん塩はいらないくらい、しっかりした味になってると思います。

あとは盛り付け、パセリで彩りを添えて、完成です。

どうでしょうか。
煮込む時間はかかりますが、工程はとてもお気軽な料理です。

ちなみに、お店でよく出していましたが、この料理は皆さんめっちゃ美味しいと言って食べて下さります。本当にオススメレシピなので、皆さんもぜひお試しください。

■食材の解説

最後に、今回の豚バラ肉のナポリ風ジェノベーゼの味の構成の解説を載せておきます。興味のある方はぜひご参考ください。

【味の構成】
◯主役の旨味:豚バラ肉
◯引き立て役の旨味:玉ねぎ
◯味の奥行き
 ・塩味:塩、醤油
 ・甘味:玉ねぎ
 ・酸味:白ワインビネガー
 ・苦味:豚バラ肉の焦げの香ばしさ
◯香り
 ・にんにく、ローリエ、ローズマリー、醤油、ブラックペッパー、パセリ

【主役:豚バラ肉】
今回の主役は豚バラ肉です。

豚バラ肉は脂肪の多いお肉なので、煮込んでも固くならず、むしろしっかり煮込むことでトロトロになって美味しい部位です。今回は豚バラ肉の特徴を活かした料理になります。

【引き立て役:玉ねぎ】
豚バラ肉の旨味の引き立て役として、玉ねぎの旨味を使います。

玉ねぎをしっかり煮詰めて、玉ねぎの味を凝縮したソースにすることで、豚バラ肉の味を補完する役割を担っています。

【味の奥行きを加える:白ワインビネガー、醤油】
隠し味で、白ワインビネガーを入れることで酸味を加えています。こうすることで、味を引き締めることができ、より美味しくなります。

ほんの少しだけ醤油を入れたのは、日本人にとってどことなく馴染みのある味にするためです。こうすることで、白ごはんがよく合う味にすることができます。

【香りを加える】
◯にんにく
食欲をそそる香りを加えます。

◯ローズマリー、ローリエ、パセリ
お肉やにんにくの強すぎる香りを抑え、洋食独特の香りを加えることができます。

◯ブラックペッパー
パンチの効いた辛味と香りを加えることで食欲増進効果があります。

◯醤油
和の風味を加えることで、お米に合う味付けにしています。

この味の構成をしっかり説明した記事も載せておきますので、さらに深堀りしたい方はぜひこちらをご覧ください。

本日は以上になります。
ここまで記事を読んで頂けた方、本当にいつもありがとうございます。
また宜しくお願いします。

サポートは現地の生産者さんの訪問や、食材などの産業の購入費や開発などに使わせて頂きます。よろしければサポート頂ければ、すごく嬉しいです!