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悩んで迷って挑戦して。育っているのは生徒だけではない。

昨夜、エールの授業が終わり、
誰もいなくなった教室で、

私は、ゴミ箱の蓋を開き、
捨てられた一枚の紙を拾い上げて、
そのままコートのポケットに突っ込みました。




中学生の多くは、
2学期の期末テストが終わり、
昨夜はその結果が返ってきていました。

中学3年生は進路に関わる重要な結果になるので、
笑顔で報告に来る子、
涙を拭いてから教室にきた子、などさまざまで、
大学生の学習アドバイザーは
そんなエール生たちの表情に、真剣に向き合っていました。

学校から返ってきた成績表を見ながら、
アドバイザーとエール生が話し合っています。

テスト結果から、
2学期の内申点を予想して
志望校をどこにするか。
志望校に合格するためには次に何をするか。
希望を捨てず、でも冷静に。

エール生たちは
どんな成績であれ、最後まで諦めないので、
志望校を変えることはほぼありません。

全員が「ここからが本番だ」と言わんばかりに
教室はいつも以上に熱気に溢れていました。



そんな中、
別の教室で、私が、副代表と話していると、
学習アドバイザーT先生が

「ちょっとココいいですか?」と尋ねてきました。

「この教室、使いたい?」と、私たちが教室を離れようとすると、
「いえ、そのままで大丈夫です。少し話したいだけですから」と言いました。

私と副代表は、この教室で
T先生がエール生と面談するのかと思い、
そのままその場で話を続けていました。

でも、T先生は、
「代表(私)と話したい」と言っていたのでした。


それに気づかず、
副代表と話を続けていたものですから、
T先生は私に話しかけるタイミングを見つけられず、

1枚の紙を持ってきて
私たちに差し出しました。



紙にはこう書いてありました。

私はどういった関わりをすればいいでしょうか。
正直勉強はできなくても好きなことを見つけて、そこに真剣になれて、人にやさしくて、楽しく生きていってくれればよいと思っています。
ですが、点数をあげるのをサポートする立場では勉強に厳しくこだわった方がよいのでしょうか。エール生たちとの関わり方に悩んでいます。


こんな相談を持ちかけられたら、
どう答えるでしょうか。


私と副代表が
一番、しっかり伝えたのはT先生への感謝です。

「ありがとうね。悩んでくれて。
 ありがとうね。相談してくれて」


そして、
方法論としては、
学習塾なので勉強にはこだわる。
しかし、例え、勉強ができなくても
あなたのことは愛しているよ。と全身で伝えてあげて。

と言いました。


学習塾として、
成績を上げることは大切だけれど、
本当の学力を高めるのは
成績を上げようと真剣に関わってくれた人の存在ではないかと思っています。

本当の学力とは、
なぜそれをやるのか、という
学びの本質を知っている力です。

人間力とも言えるかもしれません。


少し前、副代表が
エールの将来に不安があると言ったことがありました。

どうして?と聞くと、

エールは、優秀で人柄がいい大学生たちが
エール生たちに真剣に関わってくれるからこそ
ここまで続けることができた。
そんな大学生たちが就職して卒業していったあと、
同じような学生たちが採用できるのだろうか、と答えてくれました。


そうだね。だから私たちは、
そんな大学生が「働きたい」と思ってくれる環境を
これからも整え続けないといけないね。と
そんな話をした矢先に、

T先生が相談をしてくれました。



副代表はT先生に、

「エールの子どもたちは素直だから、
 T先生がこんなにも深く関わってくれたことはきっと伝わるよ。
 目先の成果はすぐには出ないかもしれなけど、
 もっともっと先の人生で
 T先生の存在が、あの子たちの心の糧になっていくよ」

と、優しく伝えていました。



しばらくじっと話を聞いていたT先生は
ティッシュでこめかみを抑えると、
「ありがとうございました」と笑顔になり、
丸めたティッシュと、持ってきた紙をゴミ箱に入れて、
エール生が待つ教室に戻っていきました。

そして何事もなかったように
T先生は、エール生たちの成績表を見ながらアドバイスをし、
勉強を教え、授業後はにこやかに笑って
みんなと一緒に帰っていきました。

そのあと、誰もいなくなった教室で
私は、T先生がゴミ箱に捨てた紙を拾ったのです。

悩んでくれたあなたを
私は、絶対に忘れない、という気持ちで。





勉強はできなくても大丈夫です。
私も、どちらかと言えば、勉強が好きなタイプではなかったし、
何か目標を持って励んだという学生生活ではありませんでした。

しかし、
勉強というツールは
たくさんの経験を用意してくれています。

さらに、
学生時代の勉強には
たくさんの人が関わっています。

学校の先生はもちろん、
友達や先輩、塾の先生、もちろん親も。

あなたの目標に向かって、
一人で頑張ろうとしなくていい、と、
学校の勉強は教えています。


T先生のように、
真剣に悩み、行動し、自らも成長しようとする人が
子どもたちのまわりにはいっぱいいるから。

学業という貴重な機会を
ぜひ大切にしてほしいと思います。


学習支援塾エール■

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