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コテン現代

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古典文学のお気に入りの部分を、現代を舞台に小説にしてみました。
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【コテン現代】③徒然草 第60段「芋頭を食らう僧侶」

今回は、吉田兼好の『徒然草』第60段に出てくるある僧侶を巡る太郎と吉男の会話をお楽しみください。

吉男「仁和寺の真乗院に盛親僧都という変わった坊さんがいたそうだ。この坊さん、常に芋頭という里芋の親芋ばかり食っていた。仏典の講義の間も鉢に山盛りにした芋頭を膝の前に置いて本を読みながら食ったり、病気のときは1週間2週間部屋に閉じこもり、少し良い芋頭を選んでことさら多く食べ、あらゆる病気を治した。大変

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