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なぜひとにより色の見え方が違うのか?

平成26年度一級建築士学科試験における学科Ⅱ(環境設備)の問題で次のような一文があります。

No.10-2
記憶色(記憶上の色彩)は、一般に、実際の色彩に比べて、彩度・明度ともに低くなる傾向がある。

 答えは×:正解は「彩度が高く」なる傾向があるになります。

色の見え方は人によって違います。また、何色であるかの表現も微妙な差異があったりします。良く言われるのが信号機の青色なのか緑色なのかというケースです。

この視覚による情報は五感すべての感覚のうち8割を占める情報量といわれています。
「見た目8割」といわれるのはあながちまんざらでもない訳です(笑)

では、脳の中ではどのようにみた映像が処理されているかというと、まず元の画像を光の波長(周波数)として目から情報を得ます。この時には元画像以外の情報もありますので、よけいな情報をカットします。(この時に逆に一部不足する情報も出てきます。)

つぎに、この波長を電気信号に変換して神経を通り、脳の中で視覚野とよばれるところにて波長を映像に変換します。このときに実は記憶にある「記憶のイメージ」との判定判別をしています。
(この時に不足している情報も補われます。)

このような過程を経て画像が「再現」されてわたしたちはみたものを認識しています。
つまり、視界に入ってくる映像はある意味都合良く処理されているので、視界に入ってくる映像は再現した映像とは異なるものとなります。

このとき記憶されている形や色がありますが、色のほうを「記憶色」といいます。記憶色は実物よりもすこし鮮やかに(彩度が高い)記憶されています。

平成28年度一級建築士学科試験における学科Ⅱ(環境設備)の問題

No.8-2
色の面積効果は、面積が小さいほど明度・彩度が高く感じられる効果である。

答えは×:正解は「面積が大きほど明度・彩度ともに高く感じる」傾向があるになります。

そもそも「色の見え方」というのは、「照明の具合(光源の種類や分光分布)」や「色の面積」のほか、「見る方向」や「背景となる色」などにより影響を受けます。また、「直前まで長い時間見ていた色」にも影響を受けます。眼というのはなかなかデリケートなカメラと言えますね。

なお、照明の光が少々変化しても、その光が一様に物体に当たっていれば、物体の色を同じ色に認識できます。これを「視覚恒常」(色の恒常性)といいます。薄暗がりで赤いリンゴをみてもリンゴであり赤色であると判別できるのもこの視覚特性によるためです。

平成30年度一級建築士学科試験における学科Ⅱ(環境設備)の問題

No.8-1
照明の光がわずかに変化した場合であっても、その光が一様に物体に当たっていれば、色の恒常性により物体の色を同じ色として認識できる。

答えは○

僕は建築設計をしているので、外壁などの材料や色を検討する時にはできるだけサンプルや色見本を取り寄せてどれにするかを見ながら考えます。
これは、カタログ等の写真でみるときと実物でみるときに印象が違ってくるためです。
また、取り寄せたサンプルを比較する時にもいくつか気をつけていることがあります。

例えば外壁のサンプルを取り寄せた時には、サンプルのサイズがおおむね同じ状態になるようにします。大小異なる時は、白色の紙などでマスクをして比較するサンプルの面積を同じくらいになるようにします。

これは「大面積の色は小面積の色に比べて明度・彩度ともに高く感じる」という面積効果とよばれる現象に配慮するためです。
白い紙でマスクするのは明度対比や彩度対比がおきないように無彩色(つまり白色)でマスクするためです。

このような感覚現象は、ほかにも色が心理的に及ぼす影響などさまざまであり、インテリアなどでの仕上げ材の色味を考える時も配慮が必要になります。

生理的感覚というのは実に奥が深いといえます。

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