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ゆうこ
2017年2月22日 22:51
本を読んで泣いたのは久々だ。しかも、電車の中だった。目の前に座るお姉さんのの輪郭が、涙のせいでほどけていく。見られたくないなあ。変な奴だと思われたくないなぁ。周りにばれないように、時期は少し早い気もするけれど花粉症のふりをしてティッシュで鼻をくるんだ。悲しくて、悔しくて、辛い。登場人物たちの寂しさと、彼らの周りの人たちのことを思うと、涙が止まらなかった。決して明るい話ではない。だが、真っ暗闇
2017年2月21日 00:25
本を閉じて、短く息を吐いた。体から出てきた二酸化炭素には、抱えてきた苦しみが少しだけ混じっている。読み終えるまでずっと張りつめていた気持ちが少しだけ緩んだ気がした。自意識過剰という言葉が服を着ている。『舞台』の主人公・葉太はそんな奴だ。周りの目なんか気にしたことがない、何でもかんでもソツなくこなしてきた。サラリと器用に生きていく。そんな風に見せておいて、ソツなく見せるための努力は不断だ。周りに
2017年1月21日 22:42
会社訪問がえりの長い電車の中での暇つぶしに。と、 電車の中で読み切れそうな薄い文庫本を手に取ったのがきっかけ。不自由だと気が付いた瞬間に、私たちは自由になれる。そんな風な気持ちになることのできる物語でした。まず、目につくのは主人公きりこが「ぶす」だということ。しかも、このぶすという言葉は全編を通して太字で書かれ続けます。全編を通してきりこは賢く強い女性であり続けますが、私が好きなのはき