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【煙々羅】

煙は、目に見えたとて触れること及ばず
風は、目に見えずともこの身を過ぎる

町屋敷の蚊遣火のふすぶる頃、
襤褸布が風にやぶれやすきが如く、空に怪しき形を成せり

人や獣の念が煙に乗じて、姿を自在に現すよしなれば

これを煙々羅と号す

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