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相手の心に響く「志望動機」のつくり方

こんにちは。オンラインてらこ家です。

昨今の大学入試では、小論文面接などを課す大学が増えています。
総合型選抜学校推薦型選抜ではもちろんのこと、一般選抜でもその割合が年々高まってきております。
理由としては、文部科学省が長期スパンで取り組んでいる大学入試改革が挙げられます。毎年6月上旬に発表されている「大学入学者選抜実施要項」には、以下のような記載が見て取れます。

第6 学力検査等
3  小論文,面接,実技検査等の活用
 入学志願者の能力・適性等を多角的に評価・判定するため,学部等の特性に応じ,小論文等を課し,また,面接や討論等を活用することが望ましい。

令和5年度 大学入学者選抜実施要項について(通知)」5ページ目より抜粋

さらに、入試方法も多様化しております。
前述の総合型選抜や学校推薦型選抜、一般選抜のほか、専門学科・総合学科卒業生選抜帰国生徒選抜・社会人選抜といった入試方法もあります。
2023年度(令和5年度)からは、多様な背景を持った者を対象とする選抜という入試方法も加わりました。

いずれの入試方法であっても、これからの大学入試では、これまで以上に「なぜ大学で学びたいのか」「何をどう学びたいのか」が問われます。

そこで今回は、大学進学を目指すすべての皆さんにとって必須ともいえる「志望動機」のつくり方についてお伝えしようと思います。
相手(大学側)のハートを鷲掴みにするような、愛のこもった志望動機を練り上げていきましょう。

なお、実際の入試にあたって志望理由書の提出が求められない場合であっても、大学進学を目指すにあたって志望動機は必須です。ぜひ参考にしていただければ幸いです。



興味のある学部・学科をピックアップする

大学で学ぶということは、自分が興味を持っている分野について、主体的に、より深く学ぶということです。
よって、まずは大学で何を学びたいのか、そこを明確にしておくことが肝要です。具体的には以下のようなイメージです。

・ 日本史が好きだ。特に戦国時代が大好きだ。当時の武将たちの人柄や国の治め方、歴史の動き、諸外国との関わりなどについて多角的に学びを深め、いまを生き抜くヒントを得たい。

・内科医になりたい。地域医療に全力で取り組みたい。そのためには、医学の知識を身に着けるだけでなく、その地域が抱えている諸問題にも対応できるよう、多角的な学びが必要だ。

法の知識をまんべんなく身に着けたい。個々人の生き方や働き方、価値観などがますます多様化している現在、誰もがきちんと法によって守られる社会の実現に向けて尽力したい。

もし、学びたいことが複数あるという人は、それらをすべて箇条書きで書き出してみるとよいでしょう。例えば、AとBを両方学びたいという場合は、「Aを学びたい」「Bを学びたい」と、それぞれに言語化してみてください。可能であれば、AとBを両方学ぶことで何を身に着けたいのか、そこまで言語化できればなおよいでしょう。

学びたいことがある程度明確になったら、次は、その学びを得られる大学・学部はどこなのかを徹底的にリサーチしましょう。

例えば、医師になりたいのであれば医学部への進学が必須となりますが、医学部を設置している大学は国公立・私立合わせて81大学あります(防衛大学校を含めると82大学)。大学ごとに学びの特色も異なりますので、医師を目指す皆さんにはできるだけ早めに大学リサーチを行ってほしいと思います。

また、歴史を学ぶなら歴史学部なのかな……と思いきや、日本で歴史学部を設置している大学は1校のみです。歴史の学びを深めたいのであれば、文学部史学科か、あるいは類似の学部学科(人文学部、歴史文化学科など)への進学を目指すこととなります。

法の知識をまんべんなく得るのであれば、当然、法学部へ……と思いがちですが、学部の名称が経法学部法文学部となっている大学もあるので注意が必要です。あるいは、人文学部や経済学部の中に法学を専攻できる学科が設置されている大学も存在します。

学びたいことが複数ある場合は、リベラルアーツ教育が受けられる大学を探してみるというのも一つの手です。また、他学部他学科の履修が可能な大学もたくさんありますので、ぜひ探してみてください。

学部・学科を絞るにあたり、大学リサーチは欠かせません
自己分析ももちろん大事なのですが、自分が本当に学びたいことと、志望大学・志望学部の提供する学びの内容が本当に一致しているのかどうかを確認する作業も、とても大事です。
受験直前になってから慌てたり困ったりしないよう、大学リサーチはできるだけ早めに行ってほしいと思います。できれば高校2年生のうちに、遅くとも3年生の夏までには着手しておきましょう。



魅力的な大学をピックアップする

大学で学びたいことを明確にし、学部・学科をリサーチする。ここまでの段階で志望大学もある程度は絞れているはずなので、次に、大学そのものの魅力を探していきましょう。

各大学のWEBサイトやパンフレットには、立地校風教育理念など、様々な魅力が記されています。国際交流語学留学などに力を入れている大学、フィールドワークを積極的に行っている大学、またキャリア教育資格取得のための課外講座などが充実している大学など、その特色は多種多様です。

そして、その特色を最大限に活かした学びを、大学側は豊富に用意してくれているのです。

せっかく、4年間(あるいは6年間)という時間を大学で過ごすわけですから、大学が提供してくれる学びのチャンスは積極的に利活用する方がお得ですよね。大学側もそれを望んでいるはずなので、大学リサーチを行う段階で、大学進学後の学習プランについても可能な範囲で練り上げてみるとよいでしょう。そうすれば、志望大学はおのずと絞られてくるはずです。

また、その大学ならではのカリキュラムユニークな入試制度が用意されている場合もありますので、大学が開示している情報にはくまなく目を通しておきましょう。

それと、大学で得られる学びや経験は、キャンパスの外にもたくさんあります。大学進学後、課外活動サークル活動アルバイトその地域ならではの活動(お祭りや各種行事など)に参加する可能性を想像しながら志望大学を選んでいくというのも、一つの方法です。



大学での学びを、将来にどう活かすのか

学びたいことを学んだ後には、その学びを活かした職業に就くのが一般的です。大学卒業後の進路についても、受験前までに可能な範囲で考えておきましょう。(あくまで「可能な範囲で」で構いません。)

学部・学科によっては、入学の時点で卒業後の進路がほぼ確定します。医学部・歯学部・薬学部などの医療系学部はその典型です。
しかし、大学での学びを通して将来の進路(就職先や働き方など)を考えたいという人も少なくないでしょう。かくいうわたしも、高校生のうちから大学卒業後の未来について真剣に考えていたわけではないので、あまり偉そうなことを言える立場にはありません。

それでも、高校時代のわたしは地元の教育学部を進学先として選んだわけですから、大学では国語教育に関する学びを得て、中学・高校の教員免許を取得することだけは確定していました。また、せっかく免許を取得するのだから、大学卒業後も何らかの形でその学びを活かしたいとは思っていました。

大学卒業後、その「何らかの形」は、年齢や経験とともに変化していきました。その道のりについてはこちらの記事にてほんの少し触れておりますが、高校時代のわたしは、将来自分がこのような人生を歩むことになろうとは、全く想像しておりませんでした。(人生とはそんなもんです。)

……少し脱線してしまいましたが、話を元に戻すと、大学卒業後の進路については漠然としたままでも大丈夫です。ただし、将来就きたい職業について語れるに越したことはないので、可能な範囲でイメージを膨らませておくことは必要です。ぜひ考えてみてください。


なお、総合型選抜や学校推薦型選抜などの受験に臨むのであれば、将来のキャリアビジョンまで考えておく必要があります。
この件については、次の記事でお伝えします。

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