医療系学部への進学を目指す人へ
かつての「てらこ家」には、医学部・歯学部・薬学部・看護学部を目指す受講生さんが多く通っていました。
センター試験(当時)でどうしても国語が必要なのだが、国語が苦手過ぎて困っている。なんとかしたいと。受講生さんたちはみな同じような悩みを抱えておりました。
国語が苦手な原因理由は人によって様々ですが、多くの方に共通しているのが、小中学生の頃に感じていたであろう素朴な疑問を解決できないまま、学年を重ねてしまっているという点です。
また、設問を解く以前の問題として、課題文(文章)そのものの内容や設問の意図が分かっていないケースも多くみられました。
親御さんからは「(うちの子は)本はけっこう読んでいる方なのに、なぜか国語の問題が解けない」というご相談も多く寄せられておりました。
現在のオンラインてらこ家でも、同じようなお悩みを抱えている皆さんに向けたカウンセリングや個別指導をご提供しておりますので、必要に応じてぜひご活用いただければ幸いです。まずは下記リンクよりお気軽にお問い合わせください。
公式LINEアカウントからのお問い合わせも受付中です。
また、オンラインてらこ家では、医療系学部を志望する皆さんを対象とした小論文講座の少人数制グループレッスンを定期的に行っております。
2022年秋期は10月19日開講です(詳細はこちら)。
全10回でのご提供となっておりますが、途中からの参加も可能ですし、単発受講でも大丈夫です。
ぜひこの機会に、小論文のグループレッスンをご体験ください。
なお、オンラインてらこ家を立ち上げる前、わたくしはとある医進系予備校で3年間、小論文の講座を担当しておりました。
オンライン型グループレッスンの原型はその3年間でつくりあげましたので、今回は当時の経験を交えながら、グループレッスンの魅力と効能についてお伝えしたいと思います。
医進系予備校での経験
目の当たりにした現実
その予備校で担当した小論文講座は、以下のようなカリキュラムでした。
その予備校には、小論文講座のテキストは存在しなかったので、どの講師も自由に授業を組み立てていました。使用する課題は新聞記事や実際の過去問が主でした。
医学部を目指す人たちが対象なのだから、そこそこハイレベルな文章が書けるだろうと思っていたのですが…びっくりするほど"書けない"生徒さんが8割以上という現実に衝撃を受けました。
いや…書く以前の問題として、発想も考察も浅すぎるのですよ。
課題文が読めない、書かれている内容が理解できないという生徒さんも大勢いました。設問の意図さえ理解できていないという状況でした。
端的に言えば、国語力が全く身に着いていないのです。
数学や理科の教科書も読めていないのではないかと心配になるほど。
実際、他科目の講師さんたちの中にも、生徒さんたちの国語力の低下に気づいておられた方は少なくないようでした。
しかしながら、予備校というところには、国語力を基礎から鍛えるようなカリキュラムは存在しないと、どうしようもないとのことでした。
あとから知ったのですが、小論文の講座が毎週(実質的には隔週で)組まれている予備校はほとんどないそうです。
どうしても英数理に重きが置かれており、小論文にはほとんど時間が割かれていないので、自力で何とかするしかないのが現実なのだそうです。
てらこ家スタイルの授業
こうした現実を踏まえ、では、どうするか。
まずは国語力や発想力を高めてもらうことから始める必要があったので、以下の要領で授業を進めることとしました。
演習には何を持ち込んでもOKというルールを設けていました。
無の状態からいきなり考察するなど到底無理なので、必要に応じて課題に関連する項目などを調べる作業は必須であると考えておりました。
ただ、その予備校では当時、PC・スマホなどを授業で使用することが禁じらていたので、演習で扱うテーマを事前に提示し、関連事項を各自調べておくようにと指導しておりました。調べたことをノートにまとめたりプリントアウトしたりして演習に持ち込むのはもちろんOKです。
また、答案作成時にはいきなり文章を書くのではなく、必ず「書く内容を決めてから書く」よう指導しておりました。思考の痕跡を残すことこそが重要なのです。答案そのものは書けなくてもよいので、構成メモだけでも必ず提出するようにと指導しておりました。
提出された答案および構成メモには簡単な赤を入れて、翌週の授業時に返却するという流れでした。
授業日には、生徒さん同士で答案および構成メモの回し読みをさせていました。強制ではなく任意でしたが、フレッシュ一浪の皆さんはわりと積極的に参加してくれましたね。意見交換も活発で、毎回、授業は大盛り上がりでした。やっている方も楽しかった。
ただ、二浪目以上の皆さんには消極的な人が多かったという印象です。
変なプライドというか羞恥心というか…そういうものが邪魔をしているように感じられる生徒さんもいました。
なお、答案の再再提出にまで至る人はほとんどいませんでした。
授業後は自分で時間を見つけてやり直しをするという流れですから、自習時間に小論文のやり直し時間を確保することができるかどうかは生徒さん次第です。
ただ、課題によっては3度目の提出に至る生徒さんもいましたので、その場合は約束通り、その答案をもとにしたオリジナルの模範解答を作成し、お渡ししておりました。本人の着眼点や考察が土台となった模範回答ですから、文章作成スキルの向上には大いに役立つはず。そう意図しての試みでした。
コロナ禍を受けて
その医進系予備校とご縁をいただくようになって初めての受験シーズンを迎えようとする頃から、新型コロナウイルスが世界中で流行し始めました。
その後の流れは誰もがご存じの通り。全国の小中高校や大学が休講となり、塾や予備校なども対応に追われ、一気にオンライン化が加速しました。
この予備校では、4月~6月上旬までがオンライン対応となりました。
おかげさまで…というと語弊があるかもしれませんが、オンラインでも小論文講座は十分に対応可能であるとの確信が持てました。今後はPCなどの端末を大いに利活用する方向での授業を組み立てようとも思いました。
しかしながら、6月以降は前年度と同じような授業スタイルとなりました。せめて、演習や授業に端末を持ち込むことには同意していただきたかったのですが、受け入れていただけませんでした。
翌年度も状況は変わりませんでした。
それどころか、(コロナ禍の影響なのかもしれませんが)ますます国語力の低下した生徒さんが増えました。クラスによっては授業そのものが成立しなくなるほどでした。
国語力の低すぎる生徒さんには、基礎の基礎から学びなおしていただく別カリキュラムをご提案したかったのですが、それも叶いませんでした。
予備校のシステムや、ご本人(およびそのご両親)のご意向が優先ですから、それは至極当然のことです。
オンライン化に対応しつつ、てらこ家スタイルの授業をお届けするには、もう自分でやるしかない。
ここでの3年間があったからこそ、そう決意するに至りました。
オンラインてらこ家のグループレッスン
Webサイトには、グループレッスンについて以下のようにご紹介しております。
ピア・ラーニング方式という言葉を知ったのはずいぶん後になってからのことですが、わたくしがてらこ家スタイルとして各所でご提供してきた指導方法はまさにこれです。
先ほどお話した医進系予備校のみならず、公務員志望者を対象とした試験対策も、帰国子女向けの大学進学サポートも、みな同じような方式でご提供してまいりました。
もちろん、オンライン上でご提供した経験もございます。
小論文に限らず、テキストコミュニケーション能力を総合的に高めるという意味において、オンラインでの少人数制グループレッスンは最適であると確信しております。
これからの大学受験において、小論文はもはや避けられない必須課題となってまいりますので、本気でその道へ進もうとされる皆さんにはぜひ万全の対策を以て受験に臨んでいただきたいと願っております。
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