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自己発信力を高める英文法。第76回「仮定法②」(後半)

「みんなの英語道場8」から毎回5問出題します。各英文をSTEP1からSTEP3へと少しずつ難易度を上げながら学習します。最終的にはその英文を書ける・言えるようになるよう、よく理解し・音声を何度も聞き・繰り返し声に出しましょう。

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仮定法②(後半C016~C020)

STEP1では、ごく基本的なことを確認します。まずは自分なりに問題の答えを考えてください。答え合わせはリスニングによって行います。音声の下の解答・解説などはその後で見てください。

C016 もう将来について考え始めてもいい頃よ。
It's time you (s         ) thinking about your future. (空所補充)





<解答>
もう将来について考え始めてもいい頃よ。
It's time you ( started ) thinking about your future.

<解説>
It is (about) time … は「(そろそろ)…していてもいい頃だ」という意味を表します。後続の節の動詞は過去形 (started) にしますが、これは「(これから将来について考え始めるのではなく)もう既に考え始めていて当然」という発想によるものです。

<比較>
① It’s time you started thinking about your future.
「もう将来について考え始めてもいい頃よ」
② It’s time to start thinking about your future.
「将来について考え始めるのは今です」
③ Halloween is just around the corner, and it’s time to start thinking about your costume.
「もうすぐハロウィーン、衣装をどうするか考え始める季節です」

①と②は同じ内容でもトーンが違います。①は「将来について既に考え始めていてもよい頃なのに(まだそうしていないのね)」という感じです。通常はこのような特別なニュアンスを乗せない②の言い方がお勧めです。③はハロウィーンの衣装に関するアパレルサイトやブログの冒頭で使う文です。



C017 分かっていたら、そうしなかったのに。
(          ) I known, I wouldn't have done it. (空所補充)





<解答>
分かっていたら、そうしなかったのに。
( Had ) I known, I wouldn't have done it.

<解説>
① If I had known, I wouldn’t have done it.
Had I known, I wouldn’t have done it.
①と②は同じ意味です(②はフォーマル)。①から if が省略されると、②のように I had known が倒置をして had I known(疑問文と同じ語順)になります。

<類例>
「もしも音楽がなかったら、私は気が変になるでしょう」
①(正)If it weren’t for music, I would go crazy.  (C009)
②(正)Were it not for music, I would go crazy.
③(正) If it wasn’t for music, I would go crazy.
④(誤)Was it not for music, I would go crazy.

①から if が省略されると、②のように it weren't が倒置をして were it not(疑問文と同じ語順)になります。ただし、これは硬い言い方です。
③を④に書き換えることはできません。if を省略してSVが倒置したものは硬い言い方(文語)なので、これと was(口語)を混ぜるのは不自然です。



C018 詳細が必要でしたら、当社にご連絡ください。
(s         ) you need further information, please contact us. (空所補充)





<解答>
詳細が必要でしたら、当社にご連絡ください。
( Should ) you need further information, please contact us.

<解説>
① If you need further information, please contact us.
② If you should need further information, please contact us.
Should you need further information, please contact us.

①は条件節で現在形の need を用いているので、話し手は顧客が詳細を必要とする可能性が実際にあると感じています。②③は need の前に should「万一」を用いているのでその可能性が低い(20%~30%程度)と感じています。これは「(詳しく説明をしましたが)万一これ以上の詳細が必要でしたら」という感じです。 ③は②の文から if が省略されて、you should need が倒置をして should you need(疑問文と同じ語順)になったものです(非常にフォーマル)。

<語句>
further「さらなる」
contact ~「~と連絡をとる」



C019 彼と同じ立場だったら、私は同じことをしていたでしょう。
If I were in his (s         ), I would have done the same thing. (空所補充)





<解答>
彼と同じ立場だったら、私は同じことをしていたでしょう。
If I were in his ( shoes ), I would have done the same thing.

<解説>
条件節の If I were [was] in his shoes は「私が彼と同じ立場だったら」という意味です(was はくだけた言い方)。動詞に過去完了形ではなく過去形を用いているのは話し手が「彼」の気持ちに寄り添い、この状況(例えば、良かれと思ってやった彼の行為が咎められた事件)が気持ちの上ではまだ終わっていないと感じているからです。既に終わったこととして捉えるなら If I had been in his shoes としても構いません。大切なのは「条件節は過去のことだから動詞は過去完了形を用いる」などと機械的に決めてしまわないことです。

<語句>
in one's shoes「~と同じ立場で」



C020 私はそれを昨日のことのようにはっきりと覚えています。
I remember it as clearly (          ) if it were yesterday. (空所補充)





<解答>
私はそれを昨日のことのようにはっきりと覚えています。
I remember it as clearly ( as ) if it were yesterday.

<解説>
as ~ as if … は「まるで…かのように~」という意味を表します。

<比較>
① as if it was yesterday
② as if it were yesterday
③ as if it had been yesterday

問題文では上の3つの言い方が可能です。③は既に終わったあの状況をイメージして過去完了形を用いています(フォーマル)。②③では過去の出来事との距離感をなくして「本当に昨日のことのように」感じているために過去形を用いています(口語では①②が普通)。

<類例>
④ If she were alive today, she would be 80 years old.
「彼女は今も生きていたら80歳でしょう」
⑤ If she had been alive today, she would have been 80 years old.
「彼女は今も生きていたら80歳になっているでしょう」

④⑤は過去の偉人について述べるときに用いる文で、意味は同じです。「条件節で現在に関する仮想には過去形を用いる」とか「帰結節で現在に関する想像には助動詞の過去形+動詞の原形を用いる」などと機械的に考えると⑤は誤りだということになりますが、これは全く正しい文です。ここで先ほどの①②③をもう一度確認しましょう。「まるで昨日のことのように」という場合に③ではなく①や②を選択する心理は「距離感をなくす」感覚でした。これに対して、⑤は④よりも「距離感を出す」言い方です。④が「今も生きていたら…」という意味であるなら、⑤は昔を振り返って「今までずっと生きていたら…」と回想する感覚です(ただし母語話者は違いをほとんど意識しない)。なお、④⑤とも if が省略されてSVが倒置する形も非常によく見られます。



最後に5つの条件文 (conditional) を簡潔に整理しておきます。それぞれが、どのようなニュアンスで用いられるのかを感じ取ってください。

⓪ zero conditional:
 一般的真理として述べる。
  If you are thirsty, you are dehydrated.
 「喉が乾いていたら、脱水症状です」
 条件節の述語動詞:現在形
 帰結節の述語動詞:現在形

① first conditional:
 実現する可能性があると感じて述べる。
 If I have time, I’ll post more videos.
 「時間があったら、もっと動画を投稿しますね」
 条件節の述語動詞:現在形
 帰結節の述語動詞:will+原形
 
② second conditional:
 (1) 事実ではない、ありそうもないと感じて仮想する。
 If I had more money, I would travel the world.
 「もっとお金があったら、世界を旅して周るのになあ」
 条件節の述語動詞:過去形
 帰結節の述語動詞:助動詞の過去形+原形
 
 (2) 仮の話とすることで、控えめで丁寧に述べる。
 Would it be all right if I left early today?
 「今日早退してもよろしいでしょうか」
※接客の際に日本語で「…でよろしかったでしょうか」と過去形を使って丁寧さを出そうとするのと同じ心理(正しい日本語ではないが)。
 条件節の述語動詞:過去形
 帰結節の述語動詞:would+原形

③ third conditional:
 既に終わったあの状況に関して仮想する。
 I could have done better if I had studied more.
 「もっと勉強していたら、成績はもっと良かったかも」
 条件節の述語動詞:過去完了形
 帰結節の述語動詞:助動詞の過去形+完了形

④ mixed conditional:
 
(1) I wouldn't be where I am today if I hadn't gone to MIT.
 「MITに行っていなかったら、今の私はなかったでしょう」
 条件節の述語動詞:
 既に終わったあの状況に関して仮想するので、過去完了形を用いる
 帰結節の述語動詞:
 現在のこととして想像するので、助動詞の過去形+原形を用いる
 
 (2) If I were in his shoes, I would have done the same thing.
 「彼と同じ立場だったら、私は同じことをしていたでしょう」
 条件節の述語動詞:
 まだ終わっていない(今も続いている)こととして仮想するので、過去形を用いる
 帰結節の述語動詞:
 既に終わったこととして想像するので、助動詞の過去形 +完了形を用いる



STEP2の英文は上の5問と同じですが、ほんの少し難しくします。STEP1でもSTEP2でも、英文をよく理解して、リスニングと音読を十分に行うことが大切です。

C016 もう将来について考え始めてもいい頃よ。
It's time you (s         ) (          ) about your future. (空所補充)





<解答>
もう将来について考え始めてもいい頃よ。
It's time you ( started ) ( thinking ) about your future.

<解説>
It is (about) time … は「(そろそろ)…していてもいい頃だ」という意味を表します。後続の節の動詞は過去形 (started) にしますが、これは「(これから将来について考え始めるのではなく)もう既に考え始めていて当然」という発想によるものです。

<比較>
① It’s time you started thinking about your future.
「もう将来について考え始めてもいい頃よ」
② It’s time to start thinking about your future.
「将来について考え始めるのは今です」
③ Halloween is just around the corner, and it’s time to start thinking about your costume.
「もうすぐハロウィーン、衣装をどうするか考え始める季節です」

①と②は同じ内容でもトーンが違います。①は「将来について既に考え始めていてもよい頃なのに(まだそうしていないのね)」という感じです。通常はこのような特別なニュアンスを乗せない②の言い方がお勧めです。③はハロウィーンの衣装に関するアパレルサイトやブログの冒頭で使う文です。


C017 分かっていたら、そうしなかったのに。
(          ) (          ) known, I wouldn't have done it. (空所補充)





<解答>
分かっていたら、そうしなかったのに。
( Had ) ( I ) known, I wouldn't have done it.

<解説>
① If I had known, I wouldn’t have done it.
Had I known, I wouldn’t have done it.
①と②は同じ意味です(②はフォーマル)。①から if が省略されると、②のように I had known が倒置をして had I known(疑問文と同じ語順)になります。

<類例>
「もしも音楽がなかったら、私は気が変になるでしょう」
①(正)If it weren’t for music, I would go crazy.  (C009)
②(正)Were it not for music, I would go crazy.
③(正) If it wasn’t for music, I would go crazy.
④(誤)Was it not for music, I would go crazy.

①から if が省略されると、②のように it weren't が倒置をして were it not(疑問文と同じ語順)になります。ただし、これは硬い言い方です。
③を④に書き換えることはできません。if を省略してSVが倒置したものは硬い言い方(文語)なので、これと was(口語)を混ぜるのは不自然です。



C018 詳細が必要でしたら、当社にご連絡ください。
(         d) you need further information, please ( ) us. (空所補充)





<解説>
詳細が必要でしたら、当社にご連絡ください。
( Should ) you need further information, please ( contact ) us.

<解説>
① If you need further information, please contact us.
② If you should need further information, please contact us.
Should you need further information, please contact us.

①は条件節で現在形の need を用いているので、話し手は顧客が詳細を必要とする可能性が実際にあると感じています。②③は need の前に should「万一」を用いているのでその可能性が低い(20%~30%程度)と感じています。これは「(詳しく説明をしましたが)万一これ以上の詳細が必要でしたら」という感じです。 ③は②の文から if が省略されて、you should need が倒置をして should you need(疑問文と同じ語順)になったものです(非常にフォーマル)。

<語句>
further「さらなる」
contact ~「~と連絡をとる」



C019 彼と同じ立場だったら、私は同じことをしていたでしょう。
If I were in his (s         ), I would have ( ) the same thing. (空所補充)





<解答>
彼と同じ立場だったら、私は同じことをしていたでしょう。
If I were in his ( shoes ), I would ( have ) done the same thing.

<解説>
条件節の If I were [was] in his shoes は「私が彼と同じ立場だったら」という意味です(was はくだけた言い方)。動詞に過去完了形ではなく過去形を用いているのは話し手が「彼」の気持ちに寄り添い、この状況(例えば、良かれと思ってやった彼の行為が咎められた事件)が気持ちの上ではまだ終わっていないと感じているからです。既に終わったこととして捉えるなら If I had been in his shoes としても構いません。大切なのは「条件節は過去のことだから動詞は過去完了形を用いる」などと機械的に決めてしまわないことです。

<語句>
in one's shoes「~と同じ立場で」



C020 私はそれを昨日のことのようにはっきりと覚えています。
I remember it as clearly (          ) (i         ) it were yesterday. (空所補充)





<解答>
私はそれを昨日のことのようにはっきりと覚えています。
I remember it as clearly ( as ) ( if ) it were yesterday.

<解説>
as ~ as if … は「まるで…かのように~」という意味を表します。

<比較>
① as if it was yesterday
② as if it were yesterday
③ as if it had been yesterday

問題文では上の3つの言い方が可能です。③は既に終わったあの状況をイメージして過去完了形を用いています(フォーマル)。②③では過去の出来事との距離感をなくして「本当に昨日のことのように」感じているために過去形を用いています(口語では①②が普通)。

<類例>
④ If she were alive today, she would be 80 years old.
「彼女は今も生きていたら80歳でしょう」
⑤ If she had been alive today, she would have been 80 years old.
「彼女は今も生きていたら80歳になっているでしょう」

④⑤は過去の偉人について述べるときに用いる文で、意味は同じです。「条件節で現在に関する仮想には過去形を用いる」とか「帰結節で現在に関する想像には助動詞の過去形+動詞の原形を用いる」などと機械的に考えると⑤は誤りだということになりますが、これは全く正しい文です。ここで先ほどの①②③をもう一度確認しましょう。「まるで昨日のことのように」という場合に③ではなく①や②を選択する心理は「距離感をなくす」感覚でした。これに対して、⑤は④よりも「距離感を出す」言い方です。④が「今も生きていたら…」という意味であるなら、⑤は昔を振り返って「今までずっと生きていたら…」と回想する感覚です(ただし母語話者は違いをほとんど意識しない)。なお、④⑤とも if が省略されてSVが倒置する形も非常によく見られます。



STEP3では、さらに難易度を上げます。日本文を見たら即座に英文を書ける・言えるのが目標です。リスニングを十分に行い、内容を相手に伝えるつもりで音読をすると効果的です。

C016 もう将来について考え始めてもいい頃よ。
It's (          ) you (s         ) (          ) about your future. (空所補充)





<解答>
もう将来について考え始めてもいい頃よ。
It's ( time ) you ( started ) ( thinking ) about your future.

<解説>
It is (about) time … は「(そろそろ)…していてもいい頃だ」という意味を表します。後続の節の動詞は過去形 (started) にしますが、これは「(これから将来について考え始めるのではなく)もう既に考え始めていて当然」という発想によるものです。

<比較>
① It’s time you started thinking about your future.
「もう将来について考え始めてもいい頃よ」
② It’s time to start thinking about your future.
「将来について考え始めるのは今です」
③ Halloween is just around the corner, and it’s time to start thinking about your costume.
「もうすぐハロウィーン、衣装をどうするか考え始める季節です」

①と②は同じ内容でもトーンが違います。①は「将来について既に考え始めていてもよい頃なのに(まだそうしていないのね)」という感じです。通常はこのような特別なニュアンスを乗せない②の言い方がお勧めです。③はハロウィーンの衣装に関するアパレルサイトやブログの冒頭で使う文です。



C017 分かっていたら、そうしなかったのに。
(          ) (          ) known, I wouldn't (          ) done it. (空所補充)





<解答>
分かっていたら、そうしなかったのに。
( Had ) ( I ) known, I wouldn't ( have ) done it.

<解説>
① If I had known, I wouldn’t have done it.
Had I known, I wouldn’t have done it.
①と②は同じ意味です(②はフォーマル)。①から if が省略されると、②のように I had known が倒置をして had I known(疑問文と同じ語順)になります。

<類例>
「もしも音楽がなかったら、私は気が変になるでしょう」
①(正)If it weren’t for music, I would go crazy.  (C009)
②(正)Were it not for music, I would go crazy.
③(正) If it wasn’t for music, I would go crazy.
④(誤)Was it not for music, I would go crazy.

①から if が省略されると、②のように it weren't が倒置をして were it not(疑問文と同じ語順)になります。ただし、これは硬い言い方です。
③を④に書き換えることはできません。if を省略してSVが倒置したものは硬い言い方(文語)なので、これと was(口語)を混ぜるのは不自然です。



C018 詳細が必要でしたら、当社にご連絡ください。
(         d) you need (f         ) information, please (          ) us. (空所補充)





<解答>
詳細が必要でしたら、当社にご連絡ください。
( Should ) you need ( further ) information, please ( contact ) us.

<解説>
① If you need further information, please contact us.
② If you should need further information, please contact us.
Should you need further information, please contact us.

①は条件節で現在形の need を用いているので、話し手は顧客が詳細を必要とする可能性が実際にあると感じています。②③は need の前に should「万一」を用いているのでその可能性が低い(20%~30%程度)と感じています。これは「(詳しく説明をしましたが)万一これ以上の詳細が必要でしたら」という感じです。 ③は②の文から if が省略されて、you should need が倒置をして should you need(疑問文と同じ語順)になったものです(非常にフォーマル)。

<語句>
further「さらなる」
contact ~「~と連絡をとる」



C019 彼と同じ立場だったら、私は同じことをしていたでしょう。
If I were in his (s         ), I would (          ) (          ) the same thing. (空所補充)





<解答>
彼と同じ立場だったら、私は同じことをしていたでしょう。
If I were in his ( shoes ), I would ( have ) ( done ) the same thing.

<解説>
条件節の If I were [was] in his shoes は「私が彼と同じ立場だったら」という意味です(was はくだけた言い方)。動詞に過去完了形ではなく過去形を用いているのは話し手が「彼」の気持ちに寄り添い、この状況(例えば、良かれと思ってやった彼の行為が咎められた事件)が気持ちの上ではまだ終わっていないと感じているからです。既に終わったこととして捉えるなら If I had been in his shoes としても構いません。大切なのは「条件節は過去のことだから動詞は過去完了形を用いる」などと機械的に決めてしまわないことです。

<語句>
in one's shoes「~と同じ立場で」



C020 私はそれを昨日のことのようにはっきりと覚えています。
I remember it (          ) clearly (          ) (i         ) it were yesterday. (空所補充)





<解答>
私はそれを昨日のことのようにはっきりと覚えています。
I remember it ( as ) clearly ( as ) ( if ) it were yesterday.

<解説>
as ~ as if … は「まるで…かのように~」という意味を表します。

<比較>
① as if it was yesterday
② as if it were yesterday
③ as if it had been yesterday

問題文では上の3つの言い方が可能です。③は既に終わったあの状況をイメージして過去完了形を用いています(フォーマル)。②③では過去の出来事との距離感をなくして「本当に昨日のことのように」感じているために過去形を用いています(口語では①②が普通)。

<類例>
④ If she were alive today, she would be 80 years old.
「彼女は今も生きていたら80歳でしょう」
⑤ If she had been alive today, she would have been 80 years old.
「彼女は今も生きていたら80歳になっているでしょう」

④⑤は過去の偉人について述べるときに用いる文で、意味は同じです。「条件節で現在に関する仮想には過去形を用いる」とか「帰結節で現在に関する想像には助動詞の過去形+動詞の原形を用いる」などと機械的に考えると⑤は誤りだということになりますが、これは全く正しい文です。ここで先ほどの①②③をもう一度確認しましょう。「まるで昨日のことのように」という場合に③ではなく①や②を選択する心理は「距離感をなくす」感覚でした。これに対して、⑤は④よりも「距離感を出す」言い方です。④が「今も生きていたら…」という意味であるなら、⑤は昔を振り返って「今までずっと生きていたら…」と回想する感覚です(ただし母語話者は違いをほとんど意識しない)。なお、④⑤とも if が省略されてSVが倒置する形も非常によく見られます。



<空所内の文字について>
空所内に文字が記されている場合は、正解が他にもあり得ることを示します。しかし、ここでは「みんなの英語道場8」の英文を学ぶことを目的とするため、左寄せの文字がある場合はその文字で始まる単語を正解とします。同様に、右寄せの文字がある場合はその文字で終わる単語を正解とします。


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