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六甲縦 走殺人事 件 第八章(最終章)~全ての時間が繋がり謎が解ける~


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『六甲縦走殺人事件』 プロローグ、第一章


【午後21時0分】


 里保は病室で消灯の時間となり、この24時間で起きたことに、肉体的にも精神的にも疲労困憊で眠りについていた。
 

【午後21時13分】


 里保が寝静まっていた時、真っ暗な個室病室の閉まっていた扉が、静かにカチャッと音が鳴り、扉が廊下側にゆっくり少しの隙間だけ空けて開いた。すぐに扉は閉まり、再び微かなカチャって音で再び真っ暗になった。

 里保はまだぐっすり、頭を枕の上に顔を窓側に向けて寝ていた。
 そこへ、そっと首筋の横に1本の針が近づいてきた。あと、数センチと言うところで、針の先が里保の首筋の手前で止まった。
 
「何やってるんすか?」
谷山が怖い声で言って、注射器を持つ腕をつかんだ。
 
 そこにいた、注射針を持っていた影はビックリして怯んだ。

「やっぱり来ましたね」
もう一人、里保の真っ暗な病室で待っていたルーカスの声が、静かな病室で響いた。

「横川さんですね」

 注射器を持つ腕をつかんでいた谷山は、横川に言った。

 横川はとっさに、注射器から手を放し、その場から後ずさりした。
「あなたがこうして、昨日の夜もやったんですか?」

「谷さんと一緒にいた僕ができるわけないじゃないですか!」
 
 ルーカスが、病室の電気のスイッチを押し、部屋は明るくなった。
「消灯時間なのに!」

谷山が、叫ぶような静かな声で放った。
「ぁ、すいません、豆電球にします…」

「豆電球・・・笑」
谷山は笑ってしまい、ドス暗かった部屋の空気が少しだけ明るくなった。でも、その横にいた横川の顔は暗いままだった。
 

 ルーカスがうつむいている横川にそっと聞いた。
「横川さん、スマホを見せてください。昨日の走行データを」

「はい、これ…でも、僕は須磨浦公園で谷さんのライトを探していて、計測のスタートをし忘れて、摩耶山の掬星台エイドからスタートしているんだ」

 ルーカスは、それはまぁいいと思い、横川のスマホにある計測データを自分の持ってきたパソコンと同期した。
「確かに、計測のスタートは、夜中の2時1分に掬星台のあずま屋からになっていますね」

「そうだよ。そこから、アゴニー坂に寄らず、ロードだけを走っているだろ?里保さんが刺されたと言う時間も!」
横川はその時の状況は正直に答えた。
 
「はい。里保さんが刺された2時9分には、確かにロードのルートを移動しています」

「じゃあ、僕は違うじゃないか!」
 
 

【午後21時31分】


「それでは、グーグルマップの位置情報履歴を僕のパソコンに落としますね」

「ぇ…そんなこともできるの?」
横川は焦って絶句してしまった。
 
「はい。そうなんです。通常のスマホには、設定で解除しない限り、位置情報は履歴として残っているんです」

 横川はそれを知って、しぶしぶ答えた。
「それは警察官であるゆえ、解除してはいけない方針になっていて…」

「これで、昨日の夜の須磨浦公園からの横川さんの動きが分かります」
「…」
 
「昨日のキャノンボールスタート時刻前の21時前に、横川さんは須磨浦公園駅の周りをうろうろしています」

「それは、谷さんのヘッドライトを探していて」


 ルーカスはそのままそのあとのデータを見て、不思議そうな顔を演技して続けた。

「不思議なことに、なぜかそこから、道路に出て、キロ1くらいのスピードで移動しています」

谷山の顔に「?」が浮かび、つぶやいた。
「キロ1?」


 ルーカスがちゃんと説明をし始めた。
「1キロを1分のスピード。つまり、60分、1時間で60キロの速度は?」

「え?そんなの計算できない!」
谷山は頭がこんがらがり、顔が引きつった。

 
 ルーカスが答えを静かに言った。
「時速60キロです」

 谷山はやっと理解し叫んだ。
「そんなの走る速さじゃなくて、車のスピードだ!」
 
 ルーカスはもう一度整理するように、ゆっくりと話し始めた。
「そうなんです。車じゃないと出せないスピードで元町の方の北側まで移動して、そのまま山道に入って、あるところを通過してから、森林植物園と六甲山牧場の裏山をまわって、摩耶山の裏の駐車場でスピードは、キロ6程度に変わり掬星台に着いているんです」


 谷山はまた「?」がいっぱい浮かび、ルーカスに問いかけた。
「え、でも、鉄平さんたちは横川さんの家に泊めている車で、今日の朝にこの新神戸病院に来たって言ってましたよ!」

「たぶん、車は2台あるんですよ」
ルーカスが答えると、谷山はまた質問をぶつけた。

「お金持ち! でも、僕のライトはちゃんと届けられたし。さっき言ったあるところ、ってどこ?」
 
 ルーカスが、長い間をおいて、答えた。
「大龍寺です」

 谷山は絶叫した。
「えええええ~~!! あの僕たちが引かれそうになったとこですか?」
 
 その声にびっくりして、ベットで寝ていた里保が目を覚ました。
「なによもう、なんで明るいの?なんでみんなまたいるの?」

「里保さん!起きたんですか! 今さっき横川さんがまた里保さんを刺そうとしたんです!」


 横川はとっさに答えた。
「いや、またじゃない。今回は魔が差して…」

「横川君…」
里保が横川を見て、横川は顔をそむけた。
 
 谷山が思い出したかのようにまたルーカスに聞いた。
「それで、さっき言ってた大龍寺って…ルーカスが怪我したとこじゃないですか」

「そう。僕は里保さんを助けて車に引かれかけましたけど、あれに乗っていたのが。今見ている横川さんのスマホの移動履歴では、時間的に夜中の午前0時41分。僕たちの走行履歴の時間と場所とも一致します」

 少し間があり、横川は観念した気持ちになり答えた。
「まさか、グーグルの移動履歴で分かるとは。証拠になるからドライブレコーダーとランニングアプリは、付けていなかったから大丈夫だと思ったのに…」

「知っている人は、履歴データが大きくなったりするから、記録しないように設定したりしますけどね」
ルーカスは冷静に答えた。


 里保が冷静になって聞いてみた。
「なんで、わざわざそんなことまでして、車で私たちを引こうとしたの?」

 横川は詰んだ…と思い、正直に答えることにした。
「それは、僕は引こうとしたわけじゃなくて、驚かせようとしただけで…」

 谷山が起こったように叫んだ。
「驚かせようって!里保さんが引かれかけたし、ルーカスさんが怪我したんですよ!」

「それは…予定外のことで、僕はただ、里保さんと谷さんの間を引き裂きたかっただけです」

「引き裂く?」
里保が疑問に思った。

「嫉妬ですよ…谷山さんに対する」
横川がつぶやくと、谷山が聞いた。

「嫉妬?どういうこと」
 

【午後21時46分】


 少し時間が過ぎて、また部屋がシーンとなった時、横川がしびれを切らしたように叫んだ。

「僕は里保さんが好きだったんだ!なのに谷さんが横取りして、ずっと仲良くして、2人で走って、一緒に住んで…」

「横川君…」
「横川さん…」
 
 ルーカスがまだ解決していない事件の糸口を紐解こうと、横川にさらに聞いた。

「それで、横川さんは恐らく、里保さんを夜中、ホテルデマヤ前で刺した犯人を知っていますね?」

「いや…それは…」
横川がまた渋りかけたところルーカスはさらに追い詰めた。

「黙っていたのは、その犯人に脅されたからじゃないですか? 多分、車で引こうとしたのは、その犯人と共犯だった」

「…」
横川はさらに追い詰められた。

「だから、それをネタに口止めされていたんですね。だから、今日の朝集まった時、何も言えなかった」

「でも、決定的な証拠をつかんだわけでは…」
 横川が逃げるように言うと、ルーカスが最後の決定打を出した。

「さらには、恐らく、東縦走路で鉄平さんを突き落としたのも横川さんですね。そのことも犯人は分かっていた」

 しばらく横川は黙り込んで、ついに答えた。
「はい…観念します」
 
 ルーカスは横川にお願いをした。
「今からその犯人を、この横川さんのスマホで、この部屋に呼び出してください」

 ルーカスは預かっていたスマホを横川に返した。
「分かりました。メールで呼び出します。すいません、できませんでした、と言って…」
横川はその犯人にスマホでメールを打った。

【午後21時58分】


 再び静まり返っていた里保の個室の病室の扉がガチャッと開いた。
 そこから現れたのは、高岸鉄平だった。


「鉄平さん!」
谷山が悲壮な声で叫んだ。

「鉄平さん、あなただったの?」
里保がまさかと言う顔で色々と想いが廻った。
 
「横川さん…実行できなかったのですか?」
鉄平が聞くと横川はしぶしぶ答えた。
「はい。すいません」
 
 ルーカスが鉄平に問いただした。
「鉄平さんが、里保さんを刺した真犯人と言うことですね」
 
 少し間が開いて、鉄平は冷静に答えた。
「僕が里保さんを刺したと言う証拠はないでしょう」
 
「それはまあ、確かに僕は、そう思っただけなので見てはいませんし」
横川はその時の気持ちを思い出したかのように答えた。
 
「でも、なんで、横川さんが、さっき私を刺そうとしたの?」
里保がずっと不思議に思っていたことを聞いた。

「そう、僕は里保さんのことだから殺すわけがない。動機は無いんです。でも…」
 
「横川さん、なんでこうなったか詳しく話してください」
ルーカスが横川にお願いした。
 
 

【午前10時9分】


 今日の朝。場面と時間は、里保の病室から出て横川の車で鉄平が一緒に乗っている時に戻る。
 
「横川。話がある」

 沈黙していた車内で、鉄平は自分の家に送ってもらっている横川の車で、切り出した。

「何ですか?」
横川が恐る恐る聞いた。

「今日の夜、一緒にもう一度、里保さんの病室へ行こうや」

「え?明日、どちらにせよ事情聴取で行かなければならないんですよ」

「頼みごとがあるねん。横川ならきっとやってくれるはず」

「ぇ…何ですか?頼み事…」

「あの時、車を運転していたのは誰かを知っているのは僕だけだ。君の顔を通過する時にちゃんと見てんねん」

「…」
横川は黙り込んでしまった。

「そして、滑落して、崖の上を登ったら、縦走路に僕のスマホが落ちていた」

「…」
 
 横川は自分が犯した2つのミスを責めた。まだ、もう間違いは、これ以上ないのかとも焦った。

「そういうことやんな?」
鉄平は念押しに強い口調で言った。
 

 そうすると、横川は覚悟を決めたような顔で、
「はい。分かりました。家に送ったら、また夜に連絡します。また車で新神戸まで一緒に行きましょう」

 鉄平は最後に横川に注射器を渡し、強めにお願いをした。
「これで、里保さんが寝静まった夜に、そっとやって欲しいねん」

「それは…」

「俺たちもう、共犯やん。最後のお願いや」

「分かりました。僕が、鉄平さんの代わりに里保さんをこの手で…」
 
 横川は覚悟を決めた顔で、車を走らせて宝塚方面に向かった。もし、自分が鉄平の犯行をバラすと、鉄平は自分の犯罪についてもバラしてしまうだろう… そうなる前に。
 
 

【午後22時16分】


「そういうことなんです」
 横川が自分の知ることを全て話し終え、落胆した気持ちになってうつむいた。

「でも、鉄平さんを突き落とした動機は?」
里保が更に不思議になった疑問をぶつけた。

「それは、里保さんが刺された現場に行って、これは鉄平さんがやったんだと確信したんです。証拠は無いけど。それで、必死に追いかけて、鉄平さんを見つけた時に崖に突き落としたんです」
 
 ルーカスが、なるほどと納得し、その話の続きを放し始めた。
「横川さんが鉄平さんのスマホを持って、東樹走路に移動してから、鉄平さんが滑落した場所と時間。それが鉄平さんと横川さんのスマホの位置情報が一致するはずです」

 横川は焦ったような表情で話した。
「鉄平さんを突き落とした拍子に、ポケットに入っていた鉄平さんのスマホを落としてしまったんです。その時は気が付かなくて…」

 鉄平はその時の様子を思い出すように答えた。
「そうだよ。それで僕は確信したんだ。僕をやったのは横川さんだと。僕のスマホを横川さんに預けたと、はるみさんから聞いていたんで」
 
「鉄平さん。スマホを僕に渡してください」
 ルーカスがそう言うと、鉄平は拒否するように言った。

「横川が自白してるんやからいいやろ! その証拠を示さなくても」

「まぁ、それもそうですね。結局は掬星台から鉄平さんのルートは本人のたどった軌跡とは、東縦走路の滑落したとこまで違うわけですし」

「そうだよ。ルーカスの今までやっていた、軌跡の証拠は僕のスマホには無いねん」
 
 ルーカスが表情を改め、さらに追及した。
「でも、メールのやり取りで、他の証拠が残っているはずです」

「そ、それは…」

「やましいものが無ければ見せてください」
 鉄平はしくじったと思い、仕方なくスマホをルーカスにそっと手渡した。
 

 ルーカスは鉄平のスマホを手に取り、昨日のやり取りのメール履歴を見て読み上げた。
「午前0時39分。今、大龍寺前エイドに着いた。午前0時41分。今から道路に出る」

 谷山が驚いた声を上げた。
「そ、それは!あの車は横川さんが乗っていたけど、それを指示したのは鉄平さんと言うことですか!」


 続いて、里保が不思議に思っていた違和感が解けたように言った。
「横川君が車で待っていたとしても、あんなタイミング良く来るなんて不思議に思っていたの」

「確かに、見えるとこで止まって待っていたら変ですしね」
谷山も同意した。
 

 ルーカスは二人が納得した様子で続けた。「そうなんです。つまり、あの時の里保さんが引かれそうになり、僕が怪我した事件は、横川さんが運転し、鉄平さんが指示していたと言うことです」

「それは、つまり…共犯ね…」
里保が、言葉を飲み込むようにつぶやいた。
 
 ルーカスは、次のメールの履歴を読み始めた。
「午前0時58分。掬星台のエイドで僕らが付くまで撮影しながら待っといて~ 午前2時0分。ユーチューブのことで相談したいことあるから、柿谷峠のエイドで、また僕が到着するまで待っといて~ 到着するシーンも撮ってな♪」

 
 それを聞いて里保が思い出したかのように話した。
「鉄平さんのアリバイって、上手く寺内君に指示して出来たってことよね」

しかし、鉄平が反論するように言った。
「でも、これって普通のやり取りだし、何の証拠でもないし。第一、僕のアリバイはまだ変わらずあるままですよ」

 ルーカスは冷静に答えた。
「確かにその通りです。鉄平さんの1.5キロ3分のアリバイは残されたままです」
 

 鉄平は続けて続けた話し始めた。
「朝は正確な到着時間が証拠としては無かったって話になったから、寺内君に僕が到着した時間の動画データを送ってもらったよ。確かに、2時12分だったよ」

 ルーカスは、それは当然かのように思い、話しを続けた。
「それは僕もデータを貰って、確認したので確かです」

「ほら、僕が里保さんを刺して、柿谷エイドに走って到底3分で行けないんだ」

「鉄平さん、寺内さんがユーチューブを昼過ぎに公開したのは見ましたか?」

 鉄平は仮眠してしまったため、その動画は未確認だったので少し焦った。
「いや、見てない、まだ。見ようと思ってたところ…」

「実はそこに、不可解なシーンが映っているんです」
 
 谷山が反応してボソッと言った。
「不可解なシーン?幽霊とか?」

「そんなわけ、あるわけないじゃない!」
里保がとっさに変なツッコミを入れた。

 するとルーカスが、間を置いて冷静に順序だてて説明をし始めた。
「実は何度も、寺内さんがアップされたユーチューブ動画を見ていると、気になる点があったんです」

「気になる点?どこ?私も病室で見てたけど」
里保も動画を見ていたので聞いた。
 
「はい。柿谷峠のエイドで鉄平さんが到着する前です。ランナーが来て明かりが見えたのか、寺内さんは鉄平さんが来たかと思い、アングルがロードの方に移ります。そのランナーを撮っている時に少し拡大して、鉄平さんではありませんでした」

「それのどこが気になるんですか?動画をみんなで見ましょう」
谷山も動画を見ていたので見直すことにした。
 

 ルーカスがパソコンでユーチューブの動画を立ち上げ再生し、問題のシーンをみんなに画面を見せた。
「ここです。ランナーを拡大した時に、一台のトラックが下って来るんです」

 谷山がそれを見て反応し、叫んだ。
「あ!マジックミラー号だ!」

「なんですかそれ?通り過ぎたのは、前面鏡張りのトラックでした」
谷山がワクワクした気持ちを高めて話した。

「そう、それがマジックミラ―号!このトラックは中から外は見えるけど、外からは鏡になっていて見えない鏡なんです」

 ルーカスが不思議そうな顔をして聞いた。
「そのマジックミラー号がなぜここに?」

「撮影ですよ、多分夜の摩耶山に行って、AV撮影を、」
と言いかけたところで里保が制止した。
「そんな話は今はいいの!」
 
 ルーカスがいったん落ち着いて、また話し始めた。
「それで、このトラックの鏡に人影が写っているんです。
角度的にカーブになっているんで、その曲がり角の奥でしょうね」

「あ!ほんとだ、何か人が動いている!」

「そうなんです。それが気になって、ユーチューブの動画では画質を落としているんで、寺内さんにお願いして、元データを送ってもらったんです」

「そこにはいったい何が?」
里保が興味を示して聞いた。


「元データは4Kの60フレームで撮影されていて、細かく見れます。しかも、僕のパソコンのソフトで画像解析もしました」
 
 ルーカスはパソコンに落とした動画データの解析画面を開いた。
「トラックの鏡に映るところを、画像処理して鮮明にし、さらにコマ送りしていきます」

 動画が鮮明になり、鏡に映っている人影が鮮明に見えた。

「あ!鉄平さん!」

「…」
鉄平はビックリした様子で黙り込んだ。


「あら、何かに乗っていて、背負っていた大きなリュックに入れたわね」

「もう一度ゆっくり動かします」


 さらに先ほどの画面を見て、その様子も詳しく理解できた。
 
 谷山がそれを見てまた叫んだ!
「スケボーだ!スケボーに乗っていて、それを止めて、手に持ってリュックにしまってる!」

 ルーカスが更に、先ほどのユーチューブの動画に戻り、その続きを再生した。

「このあと、寺内さんはカーブから曲がって走って来た鉄平さんをとらえて、エイドのとこまで撮影しています」


 里保がそれを聞いて納得した。
「なるほど、それが鉄平さんが行っていたアリバイの到着時間ね」

「…」
鉄平は何も言えない状況になっていた。
 
 ルーカスが更に説明を加えた。
「さっき話していた、里保さんの現場から、この柿谷峠のエイドまで1.5キロを3分です。細かく言うと、両方を秒数まで計算したら、3分10秒前後でした」

「やっぱり日本記録より、世界記録よりも速い!」
谷山がまた驚いた。

「でも。下りで舗装路の車道の坂で、スケートボードならどうですか?鉄平さん?」


 鉄平は堪忍したような顔をして答えた。
「確かにきれいな道のサーフェイスで下りとなれば30キロは余裕で出るよ」


 ルーカスが計算し直した。
「1.5キロを3分と言うと、60分では20倍の30キロ。つまり時速30キロでスケートボードで坂を下れば、鉄平さんのアリバイは解かれます」


 谷山が思い出したかのように言った。
「そうか!キャノンボールは自転車もポニーも、スケボーもありなんだ!ルール的にも」

「あんた、それとこれと、今は違うのよ」
里保がまた突っ込んだ。
 

 鉄平が開き直って、また話し始めた。
「確かに僕はスケボーに乗ってたよ。でも、速く寺内君のとこに行きたかったから、裏技を使っただけやん。アリバイは無くなったかもしれないけど、里保さんを刺した証拠にはならないやろ?」

 ルーカスは駆け引きを仕掛けるように巧みに話し始めた。
「鉄平さん、もうあと一手で王手ですよ、リーチ。もうほぼ詰んでいるんです。鉄平さんがこの夜に、里保さんの部屋に来た時点ですでに」

「…」
黙り込んだ鉄平を見て谷山がまた叫んだ。

「鉄平さん!諦めたら、そこで試合終了ですよ!」

「あんた、せっかくの名言を使うところと使う相手を間違ってるわよ」
里保がキレイなツッコミを見せて、少し明るい雰囲気になった。
 

 鉄平は笑い始めた。
「はははは…確かに。もう詰んでるのかもね。なんで僕がここに来たんかって話だし」


 ルーカスは最後の王手をかけた。
「ここに入ってきたのは、お願いしていた横川さんが、里保さんの殺害をできなかったから」

「そう。横川が、覚悟をもってうまくやると思っていたんやけど。谷さんとルーカスがまさかいるとは…」

「もし、横川さんが殺害できなかった時のために、念のために鉄平さんも自分でやる予定だったんですよね」


 鉄平は観念したかのように、ポケットからあるものを出して答えた。
「そうだよ。このヒ素に入れ替えたエピペンを使ってね。寝てるならリムーバーも解毒エピペンも使えない」

「鉄平さんは、六甲縦走路の夜中の時は、お互いが走りながらだったから、思ったよりも注入量が足らなかったんですよね」

「そう。だから余ったこの量を全部、注入してやろうと…」
 

 谷山がまた叫んだ。
「僕がいてここに良かった!」

「それは本当にそうだわ」
里保は今度は、とても同意した。


 ルーカスは最後の最後の一手を言い放った。
「そして、その持っているエピペンには恐らく里保さんの身体の皮、首の筋肉、痕跡、血が残っており、DNA関係で証拠となるでしょう」
 
 少しの間が空いて、鉄平は考え込んで、最後の一言を言った。
「参りました。投了やな」


エピローグ

【午後23時5分】


 消灯時間をとっくに過ぎたのに、個室をいいことに、夜遅くまで語り明かして、みんな疲れてぐったりしていた。

 しばらく沈黙の時間が流れ、横川が話を切り出した。
「鉄平さん、このまま僕と一緒に警察署に自首しに行きましょう」
「そうやな」

 その後、ルーカスが疑問に思っていた最後の疑問の一手を加えた。
「結局、里保さんを刺した動機は何だったんですか?」
「それは…」

 しばらく、鉄平が沈黙した後。本音を口開いた。
「僕は今でも山さんが、ずっと好きだったんだ!」

「谷さんが好きだから、里保さんを狙った?」
 
 ルーカスが疑問に思い、少し考えて続けた。
「ゲイ?つまり、2人は男同士の関係だったのですね」

「そうだよ、何が悪い?」
 
 ルーカスは少し考えて冷静になり答えた。
「いや、何も悪くないですよ。ヨーロッパでは良くあることですしね」
 
 続いて、谷山は思い出したかのように言った。
「そう言えば、横川さんの動機は、里保さんが好きだったと言うことでしたよね」

  里保が、あきれてつぶやいた。
「今更それを蒸し返すことじゃないの」

 ルーカスはその関係をまとめた。
「つまり、複雑な四角関係ですね…」
 
 谷山は当事者ながら疑問に思った。
「でも、それで何がキッカケで、こうなったんですか?」


 鉄平はまた考え込んで、答えた。
「僕と山さんはずっと一緒にいたのに、里保さんと出会ってから、山さんは里保さんが好きになってしまって、付き合って、一緒に住んで…」

「それは、だって、男と女の自然な流れじゃないですか」

 鉄平はそのあと、決定的な動機を話した。
「僕が山さんと一緒に住んでた時に、僕が山さんにプレゼントした猫…」

 谷山が思い出した。
「そうでしたね! 「うりぼー」って名前を付けて買っていましたね」

「そう。僕は、「うり」を手放してしまった。2人が一緒に住む時に」

 ルーカスが続きを聞いた。
「それでその猫どうなったんですか?」

「山さんと里保さんが一緒に住むマンションの5階で、山さんがいない時に里保さんが、ベランダの窓を開けっぱなしにしてしまっていて、うりが誤ってベランダの柵の間から落ちてしまった…」


 ルーカスは絶句した。
「…それは…悲しいことですね…」

「うりがいなくなった日々も、このどうしようもない気持ちも、心と体がぶつかって、仕方ない僕は寝転んで…」
 
 里保が何も言えない気持ちになった。
「本当にあの時は、ごめんなさいね…」


 鉄平は構わず続けた。
「子どもだったんだよな君は、いつかふらっと現れて欲しい。山さんと僕は子どもが産めないから、何気ない毎日の幸せのしるしだったんだ」

 里保が頭に気になるものが突っかかり、聞いた。
「何かの歌詞?」
 
 ルーカスは、まとめに入って説明しだした。
「つまり、まとめると、大龍寺で鉄平さんが指示し、横川さんが車で里保さんと山さんを引きかけ驚かせて、僕が怪我した。
そして、掬星台で横川さんが合流し、寺内さんが先に出発し、横川さんも出て、山さんと里保さんがロードとトレイルに分かれて走り出した。
そのあと鉄平さんが、掬星台で写真を撮り、スマホを落とした」


 谷山が、1つ疑問に思ったことを聞いた。
「鉄平さん、スマホをそこで落としたのはわざとじゃないですか?」

「そうだよ。位置情報がバレるから、置いて行ったんだ。そのあとは誰かが拾って、宝塚まで届けてくれると期待して」

 里保がスタート前のことを思い出し言った。
「そういえば、だって、鉄平さんはスマホを紐で括り付けてたもんね」

「熊鈴も置いて行ったよ、音で気付かれるから」

 ルーカスは納得してスマホの過程を放した。
「なるほど、結果的に、落としたスマホは、はるみさん横川さんの手に渡って、また落とされたんですね」

「ハンカチ?スマホ落としみたいね」
里保がつぶやいた。
 
 そして、ルーカスが続ける。
「鉄平さんが里保さんをトレイル道で追いかけ、ホテルデマヤ前で刺して、すぐにスケボーを取り出し、ロードで1.5キロを3分で下り、動画を撮る寺内さんがいる柿谷エイドに到着」

 里保がその情報を不思議に思い、聞いた。
「でも、寺内さんが柿谷エイドで待っていなかったらどうするつもりだったの?」

「それは、だから、さっきルーカスにメールのやり取りを見られたように、事前に柿谷峠で撮影して待っていてと伝えていたので」

「用意周到ね…」

 
 谷山がさらに自分の行動に疑問点があり、続けて聞いた。
「じゃあ、僕がもし、里保さんが一人で夜のトレイルは危ないからロードで行った方が良いって言ってたらどうしてたんですか?」

「それは…だからそのための、ロードは車が危険だと言うことを事前に印象付けたんだ」


 横川が絶句した。
「それで僕を上手く使ったんですね…」

 谷山がさらに疑問をぶつけた。
「しかも、僕がアゴニー坂を逆走しなくて待っていたらどうしたんですか?鉄平さんのスケボーで下ってるのを見てしまいますよ!」

 鉄平は、そのことについても冷静に答えた。
「だから、横川を先に行かせて、アゴニー坂入り口で合流するように言って、里保さんが来ないなら逆走して探しましょうって言わせたんだ。
それに、そうなれば距離と時間的に、僕のスケボーで下るシーンは、見ないようになっていた」

「……」
横川と谷山は絶句した。

 横川もそのあと、2点について、なぜそれなのかと思っていたので鉄平に聞いた。
「じゃあ、なんでスケボーで移動したんですか?自転車の方が速いし確実じゃないですか」

「自転車置いとくないやん。置きに行かなあかんし、取られるかもしれないし。スケボーならリュックにギリギリ入った」

「それではエピペンは?」

「エピペン?注射器を持っていたら職質されて怪しまれるやん。エピペンなら山で持っていても不思議じゃないし」


 ルーカスはなるほどと感心しした。


「そのあと、横川さんと谷さんがアゴニー坂を逆走して倒れている里保さんを見つけて、救急車を呼ぶ。横川さんは鉄平さんがやったと確信して、追い掛けて行った」 

ルーカスは淡々と続けた。


 谷山はずっと気になっていることを言った。
「僕のこと谷さんと山さんどっちなんですか?」

「いや、どっちかこんがらがって、両方似てるし」

「そんなとこ気にならないで!」
里保が話を遮った。


「そのあと、横川さんは、はるみさんから鉄平さんのスマホを託され、東縦走路で鉄平さんに追い付き崖に突き落とした。その時に鉄平さんのスマホを落とした」

 里保は納得した想いで言った。「それで鉄平さんは横川君にやられたと思い、車の件もあって、脅して私を刺すように指示したわけね」

 谷山は感心した様子で言った。
「なるほど~ 僕は里保さんのことばかりで必死で、そんなことが起こっているとか何も考えていなかったです」
 
 鉄平が今日のこの病室のやり取りで、ずっと思っていた疑問をルーカスにぶつけた。
「ルーカスは、いつから僕が怪しいと感じたの?」

「はい。谷さんと里保さんと鉄平さんと縦走路を走っている時に、関係性を不思議に思っていました」

 里保があ~ねと言う顔をした。
「それで、そのあと僕が車に引かれかけて、そのあと里保さんが刺されたと聞いて」

「それで刺したのは虫とかじゃなくて、鉄平さんじゃないかと思ったのね」

「そうです。そのあとのアリバイも始点と終点があるだけで、その過程が空白でしたから」

 谷山が嬉しそうに言った。
「それで、今日のルーカスの分析力が事件解決したんですね!」
 
 ルーカスは一呼吸おいて、また話し始めた。
「でも、アリバイから考えると、鉄平さんのアリバイを崩すのは難しくて、その前に、はるみさんと和美さんが共犯の設定も考えました」

 里保が驚いた。
「え~~何言ってるの!はるみちゃんと和美ちゃんは二人で一緒に、私のところは経由せずロードを走っていたんでしょ?確かにはるみちゃんは私を憎んでいたかもしれないけど…」

「でも、もし、はるみさんのスマホを和美さんに預けて、和美さんが2つのスマホをもってロードを走り、はるみさんがスマホを持たず、里保さんを追いかけ刺してから、和美さんと合流して自分のスマホを受け取った、と言うことも考えられるんです」

「まぁ、和美ちゃんなら、時間差があっても私に追い付けるかもしれないわね」

「いつ掬星台を出て、いつどこで合流したかは分かりませんからね」
 


 里保が最後にまとめた。
「決定打となったのは、寺内君のユーチューブの動画を見てからね」

「はい。そうなんです。まさかスケートボードを使うなんて」

 里保が自分がやられたのに関心した様子で言った。
「私たちは皆、鉄平さんに上手くコマのように1つずつ動かされていたわけね」


 鉄平は少し笑って答えた。
「でも、スタートの須磨浦公園で、ルーカスが一緒に行くことになったのは誤算やったかな」

 鉄平は続けた。
「それで、横川の車でルーカスが怪我したのは不幸中の幸いと思ったよ…」
 
「鉄平さん!」
谷山が叫んだ!

「ごめん、でも、そのあとここで、ここまで見事に推理されてしまうとは…ぎゃふんと言ったわ」

【午後23時30分】


 里保が最後に落ち着いて言った。
「何はともあれ、事件解決ね。でも、今回のことで私、亮のことがよりいっそう好きになったわ」

「えええええええ~~~~!」
鉄平が落胆している時にさらにとどめの手を刺した。

「今度、私に何かしようとしたら、私が刺し返すわよ。私もいつでもリュックに、ヒ素入りのエピペンを持つことにするわ」
と笑って答えた。

あとがき

 六甲縦走殺人事件を最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

 ここでは執筆に至った経緯、そして作品が出来上がるまでの過程を読者の皆様にお伝えしたいと思います。

 

 まず初めに、私がこの六甲縦走殺人事件を執筆しようと思ったキッカケと言うか前身は、六甲縦走路を紹介する本を書きたいと思っていました。

 

 それは私が2010年の29歳頃マラソンを始め、2015年にトレイルランニングというものを知り、初めて出たのは、まずは歩きの六甲全山縦走大会。

 そして、2016年の3月に六甲縦走キャノンボールランに出ました。その時の記録が6時間13分。ベストは5時間24分です。

 それから、毎回春と秋に出て今では自分主催の鉄平塾完走ツアーも実施しています。

 

 その過程あって、私は試走会も含め何度も六甲縦走(半縦走含む)をしており、六甲縦走路なら知り尽くしています。

 そこで、六甲縦走路を紹介する本を書きたいとずっと思っていたところ、ランニング関係の小説(特に風が強く吹いている)も好きで、ミステリー小説も好きなことから、六甲縦走路で殺人事件が起きたら面白いと思いました(不謹慎ですみません)。

 

そう思った時から大枠のストーリーとアイデアが次々と浮かび、簡単なプロットはすぐに出来ました。

 最初からナイトトレイルで事件が起こると決めており、それも摩耶山のアゴニー坂でした。

 今回の主人公が真犯人であり、アリバイトリックもスケボーでロードを走ることも初めに想定しました。また、動機がゲイ、凶器はエピペンに毒素、と言うのも決めてありました。

 まさにキャノンボールでトレランと言うベースがあってこそ産まれる相乗効果。あとは、それらをどう繋ぐかが小説創りの面白いところです。

 

 基本的にはトレラン(六甲縦走)の初心者を連れ(今回は外国人のルーカスとした)、案内しながコースや名所や景色、エイドを文字で紹介していく。まさに僕が書きたかった六甲縦走路の案内の本です。活字だけですが。そして、トレランの走り方もさわりだけ。詳しくは鉄平塾にお越しください。
※『鉄平塾』で検索

 

 事件の流れで重要視したのは、時間の流れと登場人物の動きと心情、そして移動履歴に動画です。

 『トゥエンティーフォー24』のような時間経過の緊迫感や、あとからもう一度振り返りたくなる時間の流れ。それを場面ごとに【時間】を示しました。

 実はこれを思いついたのは、第七章でルーカスがアリバイを確認していくシーンを書いている時です。ここで、第六章以前に全て時間経過を追記しました。

 違和感や移動時間に正当性があることは、これまで何度も六甲縦走を走ってきた経験や地図や距離計測でリアル感を出しました。

 

 一番苦労したのは当然、摩耶山の掬星台から柿谷峠で、鉄平のアリバイトリックを作る時間の流れです。全ての時間と距離がつじつまが合うように計算して話を作りました。

 そして、最後の決定打となった、「マジックミラー号」ですが、これは最後の最後のルーカスの推理を書いている時に思いつきました。

 最初は単にユーチューブの動画を撮影する寺内のカメラの奥で、スケボーをリュックに入れるシーンが遠くに映る、と言うことを考えていました。しかし、それはあまりにも単純すぎたため、カーブミラーに映るってことも考えましたが、実際にあの柿谷峠にはありませんでした。あくまでもリアルに忠実にも、今回のテーマでした。

 そこで最終的に、ベンツのような黒のマジックウインドから、もっと視野を広げて、マジックミラー号を思い出したのです(笑)

 

 一方、読者目線で推理的には、僕も今までに様々なミスとリー小説、推理小説やドラマや映画を見てきました。

 そこで、「犯人は誰だろう」、「どういう過程で犯行を行ったのだろう」、そして、「動機は何だろう」と考えて読み進めるものです。

 ルーカスの言うように、はるみと和美が共犯と言う説も残していました。

 でも、過去に何万とあるミステリーで、主人公が真犯人と言うのは、かなり少ないです。あるにはありますが、そこまで有名なのはありませんでした。初めから主人公である鉄平が犯人と言う筋道を立てて書き始めたのです。

 最後に登場人物についても、それぞれキャラを引きたてました。
 鉄平は、もちろん僕を知っている人は、その通り、僕自身です。
 谷山の存在がこの話を盛り上げ、少しバカな、いわゆる走ることしか考えていない ランニングバカです。
 谷山と付き合っている里保はその対照的に冷静で、関西人特有の女の人でツッコミが慣れていて、谷山の子ボケに確実に突っ込んでいきます。
 さらに、その谷山と対比的にルーカスは、知的で理系で頭が良く、好奇心旺盛で論理的に物事を考えるタイプです。その人柄か最後は自分で推理をし、事件解決に至った重要人物になっていました。

 最後に警察官であり、正義感があるが臆病で、そんな性格がこの事 件を左右しました。
 横川が鉄平の共犯になることと、鉄平を突き落とす設定は、途中で色んな辻褄が合うように途中で作り変えました。その結果、主人公である鉄平が犯人説と言う視点の推理を少しぼやかしました。
 色んな登場人物を濃くリアリティに溢れるように作ったからこそ、事件の流れが上手く流れ、そして最後の結末に至るようにしました。

 ここまでの長編小説を始めて書いた、僕の処女作ですが、実は誰からのアドバイスも手助けもなく、全て自分で書いてきました。
これまで私は文章を書くことが好きで、昔からmixiから始まりFacebookとブログに長文を発信してきました。
※『鉄平塾』で検索

 もっと、編集者とか、アドバイスとかあれば、もっと良い作品ができるかもしれませんが、僕なりの個人の味があり、一人で考え着いたストーリーに多くの人が感動してもらえれば幸いです。ただ、不明瞭な点や至らない点があれば、申し訳なく思います。ご指摘もお待ちしています。
 そこで、noteの『創作大賞』に応募して、私の処女作を無料公開して多くの人に読んでもらえるようにしました。この『六甲縦走殺人事件』が多くの人に伝わるように、ぜひ紹介していただければ幸いです。

 

 ここまで、最後まで読んでいただき本当にありがとうございます!

 この話を多くの人に伝われば良いと思い、山に行くことや走ること、トレランをすること、そして何よりも六甲縦走を楽しんでもらえること。そのキッカケになればなりよりです。
なので、この『六甲縦走殺人事件』を読んだ感想を、読書感想文としてコメントに書いてください☆
※もちろん、読んでいない人へのネタバレ禁止です(感想のみ)

2024年3月30日 高木鉄平

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