見出し画像

【事例紹介】ざっくりデータで読み解くブランド体験

この記事の作成担当:株式会社テンタス 代表取締役 小泉智洋

画像1

ファッションブランドのファンがECを使う理由、使わない理由

弊社がファッションブランドさんのECサイトの運営をお手伝いをしていた際に、そのブランドのファンであるユーザーさんたちにアンケートを取ったことがあります。

アンケートにはいくつかの設問があったのですが、とっても特徴的だった回答が出てきた設問がこちらです

Q.あなたは本ECサイトでお買い物をしますか?

Q.先の質問で【はい】または【いいえ】の理由をお教えください。

色々な回答があったのですが、ざっくりまとめると

【お買い物をします→お店が近くに無いから】

【お買い物をしません→お店が近くにあるから】

文章にすると当たり前なのですが、ユーザーのブランドに対してのファン心理が最も顕著に出ていた質問になりました。

これはデータにも表れていて、東京から1~2時間くらいの地域に住んでいる方の売上が人口比でみるとかなり高くなっており、東京にあるお店に気軽に寄れる人はあまりECを使用しませんが、来店するのに少し気合いがいる場所に住んでいる方は積極的にECを利用しているといったデータが受注履歴から確認ができました。
 ※これは傾向としてのまとめなのでもちろん例外は多いです。

ここまでは普通のお話。

お店とECの関係性

今回注目したいポイントはそのブランドさんが九州地区に初めて出店した際のデータでした。

九州地区の初めての出店は博多の天神地区だったのですが、出店後に九州全体のEC売り上げがぐっと上がりました。

先ほどの「お店にいけない人がECを利用する」といった分類ですと、本来九州地区にお店が無い時には九州に住んでいるファンは積極的にECを使うはずでした。

でも実際は出店後にECの売上があがっています。

もう少し詳細にユーザーのデータを見てみると、博多に近い地域からの売り上げはさほど変わっておらず、熊本や長崎などの少し遠い地域の売り上げが激増していたのです。

つまり先ほども記載をした

東京のお店に寄れる人はあまりECを使用しませんが、来店するのに少し気合いがいる場所に住んでいる方は積極的にECを利用していました。

これが九州地域でも発生したのです。

つまり

お店が無い地域→ECの売り上げが低い

お店がある地域→周辺地域のEC売り上げが上がる

ということがわかりました。

それはなぜ?認知と体験の先へ

そのブランドさんは10代から20代に絶大な支持を受けていたので、雑誌にも毎回必ず登場していましたし、各シーズン毎に特集を組まれていました。

そのため地域の店舗の有無に関わらず、ファッションに興味がある層にはどの地方でも認知度は高かったはずです。

本来であればその方々がお店に行けないのであれば、ECサイトを利用していただけるはずでした。

でも、大きく分類するとそうではなかったのです。

その答えは多くのマーケティングの本にも書いてある【体験】がポイントでした。

ファッション好きな多くのユーザーは元々ブランドの認知はしていたのですが、休日などに少し頑張って店舗へお買い物に行き、実際のお店を体験をすることで初めてファンになり、その結果としてECサイトを利用していただけるようになったのです。

体験ポイントの創出

今回の事例では体験はお店というわかりやすいポイントで説明をいたしましたが、必ずしもお店である必要はありません。

認知の先に行く手法は色々ありますが、最も重要なポイントは【ユーザーがブランドに触れる】ことと【ブランドがユーザーに触れる】ことをイコールに考えることだと思っています。

広告などで一方的にユーザーがブランドに触れるだけでは体験は生まれません。

ブランド側がしっかりとお客様に触れることが結果としてユーザーに体験を生み出すということさえ理解してしまえば、体験ポイントは幾らでも創出が可能です。

まずは現状のユーザーの理解を深めることからスタートすることが重要です。

ユーザーを理解して体験ポイントを生み出すといった課題をお持ちの方は是非ご連絡ください。

我々が1歩目からお手伝いさせていただきます。

この記事が参加している募集

コンテンツ会議

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?