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「自分の支えになっているもの」                                 長崎亜弥香さん

こんにちは! 
今回は、子供クラスから本部道場で稽古をしていた、長崎亜弥香さんにお話を伺ってみました。長崎さんから合氣道への想いや魅力をお伝えします。

長崎亜弥香(ながさき あやか)
栃木県出身、天通合氣道初段。
大学卒業後、大手メーカーに就職。6年間の営業を経て、別業界への社外出向。その後、人事部に配属。
現在はフィリピンに滞在。

合氣道を始めたきっかけ

― 私の極め道

私は小学校中学年から本部道場に通い始めました。
率直に、それまで自分に自信がなかったんですね。自己肯定感が低いというか、そのため、そこから抜け出して自分自身を堂々としていたい、身体的というよりもどちらかといえば精神的に強くなりたい、という思いがありました。
また、勝ち負けや、強い弱いで判断されたり、人と比べられることが苦手で、何か自分で黙々と続けられるもの、一つ自分に自信の持てるもの、自分が誰にも負けないものを探していました。
叔父や叔母が武道っていいよねって、なかでも合氣道っていいよね、って言っていたのを聞いて、これなら自分の極めものとして打ち込めそう! と思ったのがきっかけです。

― 稽古が楽しい!

先生はちょっと怖かったですね(笑)でも、厳しさもあり、優しさもありで。
入門したときには周りはすでに幼稚園保育園生の頃から始めている子が多くて、ちょっと恥ずかしさもありましたが、稽古をしていくうちに、自分が合氣道を始めたときに求めていたものを実感することができるようになってきました。 
黙々と自分と向き合いながら続けつつ、さらに技の稽古では身体が動けることで面白味も増してきて、ハマっていました!
高校生になって一般クラスになると、もっともっと理解できることが広がって、自分の成長も感じて、楽しい! の気持ちで溢れていて、ほぼ毎日稽古に打ち込んでいました。
学校と家での生活と、もうひとつの場所が道場。
私にとっては、自分が自分として求めたいものを極められる、そんな場所であったと感じています。

― 自分の根っこにあるもの

稽古で求めているものが、誰かと比べて勝ち負けではない、というところが私には良かったですね。
他人と比べないという軸を持つことができました。そう思えることで、生活の中で対内的・対外的に周囲と差を感じるような場面でも、自分は自分でいることができているように感じます。

自己探求と合氣道の支え

― フィリピンでの生活

大学から県外に出て、企業に就職し、現在はフィリピンに滞在しています。
フィリピンでも日本の文化は人気があって、合氣道はじめ日本の武道も人気があります。残念ながらコロナ禍による制限等があり、今はあまり触れることができていませんが……。
異国の地に住んでいると、私は日本人でありながら、現地では外国人になるんですね。そうなると、一層、自分とは? みたいに、自分のことを考えたりすることも多くて。
そんな時に合氣道をやっていたことが自分を支えていて、自分への安心感につながっているのです。
またそう感じられるのは、当時、自分の求めたいものに一生懸命打ち込んで続けていた、という経験の裏付けがあってのことだと思います。

― チャレンジする

仕事でもプライベートでも新しいことや様々なことにチャレンジしたい、という想いを強く持っています。
他人と比べることをしなくなると、素直な自分を持ち続けることができて、やりたいことにもどんどん挑戦できるように感じます。
仕事でも新たなチームや分野に入ると、正直メンタルもやられるし打ちのめされることも多いんですね……。
けれども、自分と他人を比較せず、自分の持ち味を理解して取り組むことで、良い環境や成果につなげることができています。
もうひとつは間合いの取り方ですね。海外生活でも言葉が分からないことで悩むことがありますが、会話する間合いや、相手との間合いを取りながら接していくと、何となく言葉では伝えられなくても、相手も理解してくれることが多くなってきました。

― 変化の多い時代に

合氣道を続けてきた経験は、仕事や海外生活で辛い時や変化する状況で、私の拠り所となり続けてきました。特に今は変化の多い時代で、何が役立つかのか、これをしていれば安心など、生き残るための確かな保証を見つけ出すことが難しいと感じます。
合氣道の精神は、そんな時代に持続可能に活かせるものであり、生きていくための精神的な強さとして、私はそれを自分の中で見つけました。
護身になったり健康管理にも役立ちますが、自分にひとつ支えとなるものを見つけられることが合氣道であり、そして武道の魅力だと思っています。

合氣道への想い

― 遠く離れていても合氣道を続けていきたい

なかなか稽古には参加できませんが、行事や演武の動画を見ると、演武や間合いの空気感が感じられて、背筋がピンとするような、自分の中に律するものを感じています。
仕事柄、転勤等で稽古への参加が叶わずの状態であっても、これまで学んできた経験や精神的なものがずっと生き続けています。
そして、安定したところで時間を見つけて再開したい気持ちです!
また、ちょっと難しいかもしれませんが離れた地であっても合氣道に触れ続けることができる環境を作り出せる方法がないか、そんなことを考えています。



取材日:令和5年6月1日
取材:白鴎大学3年 藤木紫乃
記事:創立35周年プロジェクト班

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