『21 lessons 21世紀の人類のための21の思考』(著: ユヴァル・ノア・ハラリ)
【内容】
『サピエンス全史』『ホモ・デウス』の著者が、人類についての21の問いに答える。
【感想】
『サピエンス全史』『ホモ・デウス』ほど、長大な視点からではなく、多分十年〜数十年単位くらいの単位で語っており、前の2作よりもわかりやすいといった印象でした。
今回の本では、前2作では触れられなかったクリミア戦争とその後、ロシアによって引き起こされたウクライナ戦争にも言及していたました。
ロシアそして中国という存在のリスクを、文明論(?)的な見地から指摘していました。
自分の中にもあるこの状況のヒヤヒヤ感が、カリスマ思想家の手に掛かるとこうした語り口になるのかと、ほーっと声を出しながら読んでいました。
それから、日本についても、明治期に再編された国家神道や、戦中の仏教界の戦争強力に関する考察など、文明論的な見解を述べていました。
(この部分は日本向けの本に加筆した部分なのかも知れないですが…)
様々な切れ味鋭いと同時に、日本の学者がこんな切り口で語り始めたら、大炎上するだろうなあと思いながら読んでいました。
まあ、海外の分厚い翻訳物の思想書が、日本のネットで炎上させるような層まで届くなんてことはないので、全く問題ないのでしょうけれど…
https://www.kawade.co.jp/21lessons/
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