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自転車は空を飛ばない 一般市民の民事裁判初体験記

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小さな事故が事件になって、そして訴訟になるまでとなってから。
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#エッセイ

出るとこ出ますよ(1) 訴訟になる前に 一般市民の民事裁判初体験記【22】自転車は空を飛ばない

ここまでのお話 もともとは、自宅の土地に停めていた車のドアに傷をつけられてしまったというのがそもそものはじまり。 相手が当方申し入れの修理代を詫びのひと言と共に支払ってくれさえすれば、すぐに解決できる問題でした。 ところが、この相手方ときたら、こちらもこれまで迷惑をかけられていたと被害者としての主張を弁護士立てて申し入れて来たのです。話のすり替えです。しかも、台風の風で飛んできた当方の自転車に自分の車も傷つけられたと言って来ました。虚偽、捏造の主張です。のちに、この修理代と

弁護士を立てて反撃する(6)  こりゃ、司法の判断を仰ぐしかなし 一般市民の民事裁判初体験記【21】自転車は空を飛ばない

ここまでのお話 2018年の年明け早々。Y氏の代理人K弁護士宛てに、回答内容次第では、当方訴訟も辞さずの通知書を送りました。前回は電話でしたが、今回は通知書でK弁護士は回答をして来ました。またしても、期待以上の怒らせ方です。 前回のつづき・・・ 年が明けて、しばらくして、Y氏代理人K弁護士より通知書が届きました。 2018年1月15日 通知書受領。   (写真 通知書) またまた弁護士名が仰々しく並んでいる。こちらはもう1ミリもビビりはしない。  【通知書の内容

弁護士を立てて反撃する(5)  やるならやるぞ! 一般市民の民事裁判初体験記【20】自転車は空を飛ばない

ここまでのお話 Y氏の代理人K弁護士の回答は、なんと「ゼロ回答!」。修理代金一切の支払いをしないという激烈なものでした。しかもその理由は、証拠も示さず、でっちあげた当方の自転車が風で飛んできて、自分の車のバンパーに当たったというもの。もう穏便にとはいかない空気が急速に私たちを包み出していました。 前回のつづき・・・  2017年も12月。しかも中旬となり押し迫ってきた感が増して来ていた。泣きたくなるぐらい陰鬱な感情を抱えながら、日常を暮らし、日々の仕事に追われるのは本当

弁護士を立てて反撃する(4) 相手からのふざけた回答 一般市民の民事裁判初体験記【19】自転車は空を飛ばない

ここまでのお話 当方の代理人S弁護士からの通知書に対するY氏の代理人K弁護士の回答が電話で来ました。そのあまりにも自分勝手な内容に、私はそれこそ腰が抜けるほど驚くことになります。 前回のつづき・・・  出張先にて、その日の仕事を終えた私は、そのあと、お客さんと会食の予定が入っていた。夕方、妻から一報があった。K弁護士からの回答についてS弁護士から連絡が入ったと。会食の時間が迫っていた私は、会食が終わった後、私から妻に電話をするとしたが、私の胸はそこから何やらざわざわ騒ぎ

弁護士を立てて反撃する(3) 当方からの反撃第2発目! 一般市民の民事訴訟初体験記【18】自転車は空を飛ばない

ここまでのお話 当方の代理人S弁護士からの通知書をY氏の代理人K弁護士宛てに送りました。本格的に、法的紛争の幕が開いたのはここからです。 あれから3年半ほどが過ぎ、その当時の様子を振り返ってみますと、「あそこまで熱くやる必要があったのかな」とも思わないことはないのですが、同時に、現在の冷静さで持って、考えてみても「あの時はやるしかなかった」と、あらためて確認ができました。私たち夫婦の人生の正当防衛みたいなものだったのだと思います。 Y氏の動きに、何ら反論することなく、う

弁護士を立てて反撃する(2)一般市民の民事裁判初体験記【17】自転車は空を飛ばない

当方の代理人S弁護士からの通知書をY氏の代理人K弁護士宛てに送りました。本格的に、法的紛争の幕が開きました。そして、K弁護士からの回答がもたらされます。 前回のつづき・・・ S弁護士から2017(平成29年)年11月27日付 通知書が知らされた。  あとで知ったことだが、この弁護士名が並んで仰々しいのは何の意味もない。業界の慣例なのであろうか。事務所所属の弁護士が回覧板にサインしているようなものだ。  【通知書の内容】  ・Y氏代理人K弁護士は、11月9日に予約の

弁護士を立てて反撃する(1)一般市民の民事裁判初体験記【16】自転車は空を飛ばない

ここまでのお話 自分の宅地に停めていた車に、隣家の車の空けていたドアがぶつかっつて、傷が付いた。当方は事を荒立てる意思はなく、賠償してくれればそれで丸く収めるつもりだったのです。保険か実費で支払うかの返事を待っていた当方に寄せられた相手方の答えは、なんと弁護士の送り込み。難癖付けて、自分は悪くないと言い始めました。 理不尽にもほどがある。いい加減にしろ。私たち夫婦は戦うことを決めました。 前回のつづき・・・ 2017年11月22日 当方代理人S弁護士より相手方代理人K弁

開戦の決断(4) 一般市民の民事裁判初体験記【15】自転車は空を飛ばない

 さて、弁護士を頼むとなると費用の問題が避けて通れません。一般市民にとってはおいそれと出せる金額ではありません。しかも交渉がうまくいったとしても、高額の賠償金が取れるものでもなし。さすがに悩む私たち夫婦でした。 前回のつづき・・・  私「10万の修理代のために、50万はデカいよな・・・」  妻「やめる?」  しばしの沈黙が流れた。  私「でも、このままでというわけにはいかんだろ。お願いしよう」  私は弁護士に依頼することを決めた。実は、私は相手方の弁護士が来たという時

開戦の決断(3) 一般市民の民事裁判初体験記【14】自転車は空を飛ばない

 法的紛争に立ち向かう。私たち夫婦は強力な助っ人に加わってもらうことを決めました。代理人(弁護士)には代理人(弁護士)です。この時点で、もうご近所トラブルとは言えないレベルになって来ました。 前回のつづき・・・ 2017年11月14日(火) 妻と娘に義母に加わってもらい、とある法津事務所に相談に行ってもらっていた。K弁護士の話を詳しく伝えてもらうためだ。幸いだったことに、以前に、私が知己を得ていた弁護士さんがいたのである。相談したいとの一報を入れると、すぐに会ってくれるこ

開戦の決断(2)  一般市民の民事裁判初体験記 【13】自転車は空を飛ばない

 期せずして、隣人ではなく、隣人の代理人である弁護士との対峙をしなければならなくなりました。こうなれば、もうご近所トラブルが、法的紛争と形を変えて来ます。私たちはこれに対応していかないといけなくなりました。気持ち的には、「対応」というより「応戦」でした。 厄介ごとが数万倍ややこしくなっていきます。 前回のつづき・・・  この時、私たち夫婦には2つの選択肢があった。 (1) 全部を当方で負担して収める (2) 敢然と損害賠償を求める  妻が既に発しているメールの内容に沿

開戦の決断(1) 一般市民の民事裁判初体験記【12】自転車は空を飛ばない

 相手方のY氏から費用の負担の連絡があっただろうと、本件はもう一件落着と思っていた私。 意気揚々とその週の出張を終えて帰って来ました。ところが、待っていたのは、想像の欠片すらもない意外なことでした。 前回のつづき・・・ 2017年11月11日(土)21時30分頃 席に着いた私たちに、料理が運ばれて来た。空腹MAXだった私は、早速、パクパクと食べていた。  妻「あのぅ、車の修理のことなんだけど」  私「あぁ、保険でやるって?」  妻「いや、それが・・・」  私「どうしたの

突然、弁護士がやって来た(3)一般市民の民事訴訟初体験記【11】自転車は飛ばない

この連載も10回を超えました。お互い様の精神で、話し合いができれば、何とか解決できるご近所の問題が事件になっていく様を御覧いただいています。裁判というのは、すぐにそうなるものではないのです。  このケースは単なる事故が完全に事件となって来ました。Y氏の安易な弁護士の送り込みがこの後、どのような展開を引き起こしたかを記していきます。送り込まれた弁護士の言動にも注目です。 前回よりのつづき・・・ 突然の弁護士の来訪を受けたその翌日。 2017年11月10日(金)19時頃

突然、弁護士がやって来た(2) 一般市民の民事裁判初体験記【10】自転車は空を飛ばない

 うっかりでやってしまった事故。誠意をもって賠償すればなんてことはなかったことでした。手前味噌ですが、相手方(つまり私ども)は、事を荒立てることはしないで、今後のご近所付き合いを大切にと思っていたタイプ。  どこをどう考えてこうしたのか分かりませんが、Y氏が採ったのは代理人を担う弁護士に依頼して、相手方に差し向けたこと。この弁護士が、稀代の火付けの名人だった(本人はそうは思っていないが)とは、この時のY氏は露ほどにも思っていなかったでしょう。  前回よりのつづきです・・・

突然、弁護士がやって来た(1) 一般市民の民事裁判初体験記【9】自転車は飛ばない

2017年11月9日(木)11時頃 妻の携帯に1本の電話が入る。妻は知らない番号であった。 相手は、Y氏代理人と名乗るKという弁護士であった。中高年いや、もっと年配の男性。驚くべきことに、K弁護士は、妻に事務所に来いとの要望を突きつけて来た。しかも妻だけではなく、夫の私も一緒にと。  妻はもちろん拒絶である。夫の同席についても「ホットラインがあるでしょ」と至急連絡を取ることを求めたらしい。妻にすれば、電話がいきなりあっただけでも驚愕だったのだが、相手が訪問したいということで