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植物の名前を知らない男と可愛い奥さん



この話は、植物が好きな普通の女性と、配偶者の普通の男の話である。

世の中の女性という性種は、植物の話が必要以上に好きだと思っている。これは偏見ではない。
あの村上春樹先生も、奥さんが「キョウチクトウ」の話をし始めると、机の上のクラッカーのかすを、その辺にあったダイレクトメールで集め続けるらしい。

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「そういえば、お隣のキョウチクトウの花が咲いて。」
「へー。そうなんだ。」
「とても良いのよ。キョウチクトウって毒があるんだけどやっぱり見た目よね。」
「キョウチクトウ。そんな党があるの。見た目重視なんて、どうせまた今どきの若者受け狙いじゃないの。」
「えあなた何言ってんの。」
・・・・・

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「この間、クロガネモチのところへね、ゴジュウカラ(スズメ目ゴジュウカラ科ゴジュウカラ属)が来たのよ。」
「へー。それは凄いね。」
「そのゴジュウカラがね、クロガネモチを全部食べちゃって。もう。」
「まあでも黒金持ちも、こりたんじゃない。黒金持ちは自己顕示欲が高いっていうから。しかし、そんな五十路には是非お目にかかりたい。」
「あなた今日からごはん1か月別にしましょう。」
・・・・・

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「もう、お隣のトキワマンサクが何時もこの時期になると、家の庭へくるのよ。トキワマンサクだから仕方ないと思っているんだけど。」
「うん。そいつは危険だな。」
「あなたどうにかしていいか、ちょっと聞いてくれない?」
「どうにか、はちょっとやりすぎじゃないの。ところで、そのトキワマンサクって隣の誰。」
・・・・・

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「今日、カツラをぜーんぶ下に落としたわ。もうすぐ冬も来るし、なんかすっきりしたわ。」
「ブッ、かつら落としを、したんだ。」
「えあなたなに笑ってるの。え、うちにも課長が5人。だから是非お願いしたい。ちょっとなにいってるの。」
・・・・・

「スイカズラが・・・・・・」
「テイカカズラが・・・・・」
「ヒカゲノカズラ・・・・・・」
「ノウゼンカズラ・・・・・」
「フウセンカズラ・・・・・」


植物の名前を知らない男と可愛い奥さん。

二人の溝は埋まりそうもない。

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1:キョウチクトウ
(キョウチクトウ科キョウチクトウ属)キョウチクトウ属の常緑低木もしくは常緑小高木。庭園樹や街路樹に使われるが、中毒事例がある危険な有毒植物としても知られており、強力な毒成分(強心配糖体のオレアンドリンなど)が含まれ、キョウチクトウを植えた周りの土壌や燃やして出た煙にも毒性が残る

2:クロガネモチ
(モチノキ科モチノキ属)常緑広葉樹[3]。中高木に分類されるものの、自然状態での成長は普通10メートル (m) 程度にとどまり、あまり高くならない。生長の速さは遅い[4]。株は1本立ちで、ふっくらした樹形になる[4]。樹皮は緑がかった灰白色や灰褐色で、ほぼ滑らかで、多数の小さい皮目がある[5][2]。若い茎には陵があり、紫っぽく色づくことが多い。一年枝は褐色を帯びる[2]。春4月に新芽を吹き、葉が交替する。

3:トキワマンサク 
(マンサク科トキワマンサク属)本州中部以南から九州、台湾、中国南部、インド東北部に分布する。但し、日本での自生は極めて限定的で、静岡県湖西市・三重県伊勢神宮・熊本県荒尾市のみ知られる。常緑小高木。花期は5月頃で細長い4枚の花弁の花を咲かせる。花の色は、基本種はごく薄い黄色であるが、紅色の変種であるベニバナトキワマンサク Loropetalum chinense var. rubrum(中国原産で葉も赤みを帯びる)がよく栽培されている

4:カツラ
(カツラ科カツラ属)カツラ(桂[3]、学名: Cercidiphyllum japonicum)は、カツラ科カツラ属の落葉高木。別名、トワダカツラ。ハート形の葉が特徴的で、秋に黄葉して落葉した葉はよい香りを放つ。樹形の美しさから庭木や街路樹にされるほか、材から家具、碁盤、将棋盤が作られる

5:カズラ

スイカズラ(吸い葛[2]・吸葛[3]・忍冬[4]、学名: Lonicera japonica)はスイカズラ科スイカズラ属の常緑つる性木本。別名、ニンドウ(忍冬)やキンギンカ(金銀花)。

テイカカズラ(定家葛[5]、学名: Trachelospermum asiaticum)は、キョウチクトウ科テイカカズラ属のつる性常緑低木。別名マサキノカズラ[5]。有毒植物である。

ヒカゲノカズラ(日陰鬘、日陰蔓、学名:Lycopodium clavatum)は、ヒカゲノカズラ植物門に属する代表的な植物である。蘿(かげ)という別称もある。広義のシダ植物ではあるが、その姿はむしろ巨大なコケを思わせる。

ノウゼンカズラ(凌霄花[4][5][6][7][8]、学名: Campsis grandiflora)はノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ属の落葉性のつる性木本[9]。夏から秋にかけ橙色あるいは赤色の大きな美しい花をつけ、気根を出して樹木や壁などの他物に付着してつるを伸ばす。

フウセンカズラ(風船葛; 学名: Cardiospermum halicacabum)は、ムクロジ科の植物の一種。属名は「ハートの種子」の意。花を観賞するためよりむしろ、風船状の果実を見て楽しむために栽培される。全世界の熱帯・亜熱帯が原産[2]。

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