テニス上達メモ004.小自然の体がプレーするテニスだから、自然体だと上手くいく
▶「意識する」スイング
意識するスイングは、自然ではありません。
人の手を加える人工的なのですから、そのスイングはつまり、「不自然」なのです。
人工的な手を加えない無意識で振るスイングが自然。
▶体は「小自然」
大自然は空気を生み、川に水を巡らせ、海へ流れ出ると、雨となってまた降り注ぐ循環です。
私たちの体も、酸素を取り込み、血液が流れて栄養を行き渡らせ、二酸化炭素を排出する循環する小自然です。
規模の差こそあれ、私たちの体が自然である以上、体を使ってプレーするテニスもスイングも、自然であれば何の矛盾もありません。
▶人工的な手を加えると「破壊」が起こる
自然の体である「自然体」に、人工的な手を加えると、自然破壊が起こります。
フォームを人工的に操作しようとして意識すると、破壊が起こるのです。
手首の形やヒジを曲げ伸ばす動きを何も意識しなければ、ストロークやサーブのスイングには、スパッと振り切れる鋭さ、滑らかさ、しなやかさが、そうしようとしなくても、現れます。
▶振り切れない「事情」がある
現れないとすれば、タイミングによってはスパッと振り切れない場合もあるので、無理やり(人工的に)「振り切りましょう」という意味ではありません。
たとえば打球タイミングが合わなかったとき、「詰まった打ち方」になったりするので、体はスパッと振り切りません。
そんなときは、無理やりスパッと振り切ろうとするのではなく、スイングが止まるなら、止まるに委ねます。
もちろん、振り切れたほうがよかったのかもしれないけれど、毎回必ずそうできるわけではありません。
テニスは、お膳立てされた舞台の上で行なう「お遊戯会」ではありません。
つまり、そのときにはそうするしかなかったプレーヤーなりの「事情」があるのです。
無理やりスパッと振り切ろうと意識するのも、「形」へのこだわり(無理やりですから、スパッとはなりませんけれども)。
打球タイミングが合えば、スパッと振り切ろうとしなくても、打とうとするショットのイメージに応じて、体はスパッと無理なく自然に振り切ります。
▶「形」と「動き」は対照的
ところがフォームを意識したとたん、どうでしょう?
ギクシャクしませんか?
止まっているならまだしも、動きながら「形を作ろう」とするのだから、ここに矛盾があります。
スイングは動きなのですから「形」を意識すると、鋭さ、滑らかさ、しなやかさは出にくいのです、どうしても。
▶自然に「学ぶ」
川を泳ぐ魚も、空を飛ぶ鳥も、地を走る動物も、動きが滑らかであり、鋭く、しなやかなのは、意識する人工的な手を自らの体に加えない「自然体」だから。
動きが相対的に見ればゆっくりな亀やナマケモノですら、スローではあるけれど、その動きは滑らか、しなやかであり、ギクシャクはしません。
亀ですら、水へ入れば優雅に泳ぎます。
彼らの環境と適応していて、何の不都合もありません。
ところがテニスプレーヤーは、フォーム(形)にこだわります。
繰り返しになりますが「形」ですから、「動き」とは対照的とさえ言えます。
▶「タイミング」が合えばスパッと振り切れる
スパッと振り切るスイングのまま、打球タイミングが合ってくれば、ナイスショットが連発されるようになります。
ですからナチュラルな動きの野生動物でさえ、タイミングを外せばずっこけます。
トッププロのスイングも、「形」は千差万別ですが、鋭さ、滑らかさ、しなやかさは千篇一律。
逆もまた真なりで、打球タイミングが合ってくれば、スパッと振り切るスイングになります。
「形」よりも、「打球タイミング」に由来する鋭さ、滑らかさ、しなやかさです。
▶体の「ロマンティック」
体という宇宙の中では、何千・何万という細胞や、白血球や、常在菌やが、活動しています。
それは大宇宙の縮図さながら、ロマンティック。
それぞれが有機的に結びついて、全体として上手くまとまり合っています。
何度繰り返しても、繰り返しすぎることはありません。
体はとても精緻。
よく、風邪を治す薬ができたらノーベル賞だと言われます。
体が治すのです。
また、傷を治す薬もありません。
スーパーで売られている豚肉の切り口に薬を塗ったとしても、治りません。
また糸で縫ったとしても組織はくっつきませんけれども、私たちの体にできた傷口を塞いで直す力があるのは、その名のとおり「自然の治癒力」。
どこまでも精緻にできている小自然・小宇宙の体に思いを馳せると、うっとりします。
そんな体にテニスのプレーを、任せます。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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