テニス上達メモ074.運動連鎖を引き起こすオイシイ裏技!?
▶スイングは「足す」より「引く」と上手くいく!
サーブでもストロークでも、スイングする系のショットなら何でも大丈夫です。
試しに「手打ち」を、練習でやってみるというご提案。
そうです。
いつもはさんざんダメ出しされる「手打ち」です。
体(脚や体幹)は使わずに、手だけでラケットをスイングし、打ってみる。
そうすると、何が起こるか?
体の無駄な動きがなくなるから、スイングがシンプルになります。
結果として、上手く打てるようになる(可能性がある)。
上手く打てない場合に対処する、動作を、何か「足す」のではなく、「引く」方向への働きかけです。
▶スイングの「自動アシスト」が始まった!
慣れてきたら、少しずつ手打ちの勢いを強めていきます。
やがて「思いっ切り手打ち」までいくと、どうなるでしょうか?
いわば、ヘンな表現ですが、「フルスイングの手打ち!?」です。
これを続けていると、スイングがダイナミックになってくる。
全身を使った恐る恐るのスイングよりも、何しろ「思いっ切り」ですからね。
すると次にどうなるかというと、「手が勢いよく振られるのにつられて、体が無意識で、思い切るために必要な運動をし始める」という動きの変化を体感します。
無理やり体の動きを止めようと意識しない限り、手を思いっ切り振る勢いにつられて、「連鎖」が始まるのです。
具体的には手を勢いよく振っていると、今度は腰がボディーターンを始めたり、ヒザが屈伸運動を起こしたり、体重移動し出したりして、全身がスイングを「自動アシスト」し始めるのです。
手を振った結果、体が使われるわけです。
▶ちゃんと「運動連鎖」になっている!
だからといって、手の動きが先行するような、チグハグなスイングにはなったりはしませんので、ご心配なく。
実践するプレーヤーのスイングを見てみると、動作はちゃんと、足から始動し、体幹、腕へと、下から上へ力が増幅しながら伝わる「運動連鎖(主観的にカッコイイと思う言い方をすると、キネティックチェーン?)」になっているのです。
つまり、意識してもスムーズにできない「運動連鎖」が、ラケットを勢いよく振っているうちに、無意識的に現れるという「オイシイ裏技」なのです!
むしろチグハグなスイングになるのは、運動連鎖を意識して行おうとした場合ですよ。
「地面を蹴った反力から、曲げておいたヒザを伸ばし、腰の回転へつなげて、さらにショルダーターンを行ない、最後にラケットヘッドを後ろから引っ張り出すんだ!」などと意識するから、むしろ「連鎖しない」のです。
そういった理屈は、第三者が上手いプレーヤーを外から見て、「確かにそうなっている」「だから運動連鎖を意識すべきだ」などと説明した「後づけ」にすぎません。
プレーヤー自身は、「意識していない」のです。
それが証拠に、歩行動作。
これなどはまさに、だれもが無意識で行なう「運動連鎖」なのですけれども、腕が先か脚が先かなどを、「意識」すると、チグハグしかねません(笑)。
▶「力まない」ことだけ気をつければOK
この練習を試すうえで、注意点はひとつ。
手を振るときに、力まない。
脱力して、全速力で振ろうと試みます。
すると、体が必要な運動連鎖を、オートで開始します。
それはそうです。
斤を薪に向かって思い切って振り下ろそうとすれば、ヒザや腰や肩のアクションも、自然に出てこようというものではないでしょうか。
だけど最初から全身(運動連鎖)を使ってダイナミックに振り下ろそうとすれば、薪の芯を外しかねないから、まずは「手打ち」で動きをシンプルにしてみては、というご提案なのです。
ちなみに「鎖の強さは、いちばん弱い輪によって決まる」という哲学は、妙に説得力がありますね。
「いくら強い部分があっても、全体の強さを決めるのは、弱い要素である」と。
どれだけスイングがパワフルであっても、芯を食わなかったら、やっぱり打球は「弱い」のです。
▶ボレーは「ホイホイ対応」で
ちなみにボレーは、今回のスイングする系の話と少し毛色が違いますけれども、それでも「体を横向きにする」「ラケットを立てる」「足で運ぶ」などの動作を「足す(複雑化する)」のではなく、特に上手くいかない場合はシンプルに手打ちだけで「ホイホイ対応」。
無駄な動作を「引く(単純化する)」働きかけで、テニスがハードモードからイージーモードへと切り替わります。
そのうえで浮いた短めのチャンスボールが来たら、それこそ意識しなくても、体は勝手に足で運ぶボレーを行ないますからね。
「足す」のではなく「引く」というのは、何かとオールマイティ。
病気を治したかったら、健康になりたかったら、何を「食べるか」ではなく、何を「食べないか」、みたいな捉え方です。
▶芯を食うボレーはこうして打つ!
ただし「ボレーはスイングしてはいけない」と、言いたいわけではありません。
ボレーも、状況に応じてスイングして構いません。
むしろ「ボレーは振らない」アドバイスを意識して身構えるのが、芯に来ない原因なのですから。
ラケットの操作性を損ない、かえってガシャッ、ボコッと、「痛いインパクト」になる。
ハンド・アイ・コーディネーションに任せて自然に操作されるスイングで対応するからこそ、「パンッ!」と芯を食った、打球タイミングの整うインパクトになるのです。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
https://note.com/tenniszero
無料メール相談、お問合せ、ご意見、お悩み等は
こちらまで
tenniszero.note@gmail.com
スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero