突然、妻が映画「アイアンマン」を見始めたあの日、在宅勤務が崩壊したことは誰も知らない。
今日は、我が家に思いがけなく起きた
ある奇跡の一日を話そうと思う。
ある春の日、今まで私が10年以上に渡り、何度も引き入れようとしたが、一切興味を持たなかった妻が
最初からマーベルユニバースを観たいといきなり言い始めた。
晴天の霹靂とはこのことか。
当時、コロナ禍の始めの頃で、仕事と生活の激変によっていつもポジティブな妻も疲れて落ち込む日も多かったのを思い出す。
ダンスの先生ともう一つの仕事を掛け持ちしていた妻はどちらも休業状態になり、一方、私の仕事スタイルや状況も変化した。
子供たちはずっと家にいる。
コロナ禍の、特に最初の数ヶ月のストレスはかなりなものだと思う。
そしてこのコロナ自粛休業生活という状況に
彼女の好きな韓国ドラマが延期されたという状況が重なり
この隙間に入り込んだのがマーベルユニバースだったようだ。
妻が「私、マーベルのやつ最初から見ようかな」と言った時
長男はおもむろに「ママ、おめでとう☺️」と言った。
良くわからないがたぶんマーベルユニバースの世界に
いや
僕たちの世界にようこそという意味だろう 笑
大人になったなお前も……
わかるぜその気持ち。
私は最初驚きと嬉しさを感じつつも
この苦心の10数年間を思い出し
今まで何度言っても見向きもしなかったのに
今更何だよチェッ!
と思ったが、内心実は超嬉しい!
あと、マーベルユニバースっていうのはなぁ
決して隙間に暇つぶしに観るもんじゃない❗️
人生の大事なイベントなんだよ❗️笑
と熱くなる気持ちを抑えながら、、
妻のためにブルーレイをセットして
書斎に戻った。
(10分後)
しかし気になる。
その日在宅勤務だった私は
気つくと書斎からリビングに瞬間移動して
立ち尽くしたまま、トニースタークの登場に涙していた😭
これが原点だよ。原点なんだよ❗️
あの「アベンジャーズ エンドゲーム 」の光景を思い出し、思わず嗚咽しそうになったので...…
いかんいかんと座を外し書斎に移動。なんせ私は仕事中なのだから。
仕事に戻るが、妻がのめり込んでいるか気になって仕方がない。
(30分後)
書斎からリビングに顔を出して、
「ねえ、面白い?」
「まだわかんない」
何だと❗️
部屋に戻る。
(1時間後)
「どう?」
「今ちょっと話しかけないで」
「お、おう。ごめん」
(1時間半後)
もはや妻は完全にのめり込んでいて
話しかけられなかった。。
パンダ🐼のクッションをがっしり握りしめて
もはや、パンダの顔に爪が食い込んでめり込んでいた。原型をとどめていない。
まさにアイアンクロー状態😭可哀そうなパンダ🐼
でも、間違いなく妻は夢中になっている🥰
私はニヤニヤしながらその美しい光景を眺めていた。
あれはもう15年前か。
「アイアンマン」第1作を初めて観た時、私の今までのアメコミ映画の概念が完全に覆った。
以来10数年間、何度観ても、全く飽きずに益々好きになった
アイアンマンとトニー・スタークの魅力。
久しぶりに垣間見た第1作で改めて思ったけど
トニー・スタークは登場から完成されていてずっとトニー・スタークだった。
やっぱりずば抜けたカリスマ性と魅力に満ちていた。
冒頭から全く眼が離せない。
巨大軍事企業の社長で天才発明家の彼がテロ集団による爆破に巻き込まれて、
人工心臓を移植され一命を取り留め、それを原動力としたハワードスーツを開発しアップグレードしていく。
マーク1はブリキのロボットみたいでマーク2も鉄のロボコップみたいだけど……
マーク3でアイアンマンでいきなりかっこよくなる!
金色と赤の艶やかさアイアンマンの光沢には艶がある。
嗚呼、触ってみたい❗️
あの光沢に触ってみたい‼️
気づくと私はアイアンマンが空を自由に飛ぶ
開放感と疾走感をリアルに感じていた。
彼と共に超高速で大空を駆け巡っていた。
その時、私は完全に自由だった。
そしてアイアンマンを生み出したトニースタークに想いを馳せていた。
本当にトニー・スタークはどこを切り取ってもトニー・スターク。
男が男に惚れる男。
それがトニー・スターク。
ペッパー役のグウィネス・パルトローも初々しい。
まるで数々の名場面が遠い昔に実際に起きたことのように思えて
走馬灯のように彼との思い出が脳内を駆け巡る。
あんなこともこんなことも。
あの時はヤバかった!
あの時は泣いたなぁ。。
でも妻はまだ何も知らないんだな。
アイアンマンとトニースタークの行く末を。
色々と言いたくなる気持ちを心に押し込めて、
私は気づくと彼との数々の思い出に浸っていた...…
ってバカ❗️恋か❗️早く仕事に戻れ❗️
それにしても改めてチラ見しても
実に痺れる第一作。
あの時すでにエンドゲームに繋がる伝説的な構想は生まれていたのだろうか。
そして結果、妻は大いにハマった😂
次を早く寄こせと立て続けに見て
マイティー・ソーに初対面することを
乙女のようにワクワクしているではないか。
恐るべしマーベル・ユニバース。。
我が家に季節外れ、いや時勢外れの
マーベルユニバース祭りが始まってしまった。
私にはいかに翻弄されずに仕事に向き合うか
絶え間なく精神が試されていた。
やっぱりマーベルユニバースは、そしてアイアンマンは偉大だ。
ありがとう。トニー・スターク。
今でも君は多くの人を救い続けているよ。
我が家のこともね🥰
(後日談)
しかし数日後、妻は突然飽きてしまい
結局、あの最高傑作「アベンジャーズ エンドゲーム 」には辿り着かなかった😭
そして、あの日から4年経った今、妻は見たことさえ覚えていない……
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