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疲れている時にご飯作れない問題(障害福祉サービスを使っている難病当事者のぼやき①)

2021年にお話させていただいた、難病当事者(手帳なし)として利用する障害福祉サービスについての話題をこちらのnoteでもお伝えしたいと思います。



調理や掃除を支援してもらっているけれど

私は2019年から週2回、障害福祉サービスで家事支援と、3週に1度、通院介助を利用しています。

家事支援の内容は、
調理、洗濯(干したり畳んだり)、トイレ、お風呂掃除、掃除機、皿洗いなどをしていただいています。場合に応じて買い物など。

私は腕の力が入りづらいことと、疲れやすさがあるので、症状に応じてその時してほしいことを頼むのですが、何をしてほしいか、作ってほしいか頼むことすらエネルギーが無くてできないこともあるので、「お任せで…」が伝わるヘルパーさんだととても助かります。

どこまで調理に介入するのか(疲れてたら献立考えるのも大変じゃない?)

ヘルパーとの調理に関しては、仲間のきょうすけさんのnoteにも紹介されています。

重度障害があっても料理は作れる。
現在、僕は地域で一人暮らしをしています。一人暮らしと言っても難病「肢体型筋ジストロフィー」を持っているため、生活のさまざまな場面にサポートは欠かせません。信頼できる介助者の皆さんに24時間サポートをしてもらえるおかげで、行きたい所、やりたい事、自分の思う生活を叶えることができます。
料理も作りたいメニューを考えて介助者に指示を伝えます。切り方から入れる順番、火加減に入れる調味料の量もこと細かく伝えて食べたい味に近づけて行きます。分かりやすく伝えるのって案外難しいのです。このことを僕たちは「マウスクッキング」と呼んでいます。

https://note.com/kokoron526/n/n0bd462747b54

きょうすけさんは調理の一連の流れを細かく指示して介助者に伝えるスタイル。

調理は特に、
①買い物
②冷蔵庫の賞味期限、食べたいもの、体調(重要!)など複合的な要素から食べるもの(食べられそうなもの)を決める
③調理法を指示する

という多くの段階があって、結構脳のリソースを圧迫する印象があります。自分で作るのも大変だけど、人に伝えてやってもらうのはもっと大変。

このあたりのヘルパーとのやりとり、どこまで自分が介入するか、どこまで自律的にやってもらうかの駆け引き(?)は、色々な考え方があると思うのですが、私個人的には、「考えて伝える」ところも支援してくれるのが嬉しいなと思っています。もちろん、今日はどっち(細かく調理法まで指定してくれる?それとも今日はお任せ?)と選択肢を提示してくれること込みで。

けれど全部お任せはさすがにできないので、本当に疲れていて、お任せ状態の時は、最終的な味付けなどはこちらでできる状態(蒸し鶏とかサラダとか)をお願いすることも多いです。
あとは、何年も支援してくださるヘルパーさんだと、「いつものあれで」が通じるときもあるので、それに多分に甘えている…

医療における意思決定支援と似てるかも(似ていないかも)


医療における意思決定についても同じことがいえる気がしますね。
難病と言われて、何も分からない中で、色々考えるリソース、余裕もない中で、細かく治療法や今後の生活など、医療者に伝えることはできるでしょうか?

医療の場合、「お任せで」ができないのがちょっと違うところですが、「考えて伝える」ことが、今どの程度しづらいのか、それも込みで支援してくれるといいですよね。

実際にヘルパーとの細かいやり取りや、そのあたりのリアルな調整を聴く機会は少ないと思うので、大雑把ですが私のケースを紹介してみました。

そもそも障害福祉サービスとは

そもそも障害福祉サービスとは障害者総合支援法に基づいて提供されるサービスのことで、就労支援などの訓練のカテゴリに入るものや、掃除や調理などの居宅介護のカテゴリに入るもの、外出支援などの行動援護や施設への入所など色々な種類があります。

厚労省ウェブサイトに載っているこちらの図だけ見ると、通院して、働いて、治療しながら「普通に」生活している慢性疾患をお持ちの方には、自分には関係なさそうだな…と思う人も多いかと思いますが、中身をよく見てみると、使えるサービスも多かったりします。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/naiyou.html

このサービスを利用できるのは、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)、難病のある方で、難病の方に関しては一定程度の障害がある方が対象です。

障害福祉サービス、他にも色々区分の課題とか難病の人が使いづらい問題とか、育児支援などについても書きたいので、またシリーズでお届けしたいと思います。


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