アメリカ行きで難病当事者が車椅子サポートを頼んでみた体験記
アメリカの患者会に参加してきましたのでその道のりについて記事にしたいと思います。
私は短距離の歩行は問題ないですが、長距離歩いたりして疲労が溜まると動きづらくなります。今回海外に行くので体力の温存も兼ねて初めて空港で車椅子を利用しました。
ANAのオプションだとこのような表記。歩行はできるが長距離の歩行は不可能というもの。直接車椅子が必要とは書いていないのですが、実質的に車椅子の予約になるようです。
https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/flight_service_info/assist/walking/
特に理由などは聞かれないと思います。JALは障害者手帳のコピーを送ったような…
国内編
搭乗24時間前からオンラインチェックインが出来るのですが、オンラインチェックインは出来るものの、搭乗券は空港で発券してくださいの表示。
空港でパスポートを見せてチェックインし搭乗券をもらい、そのまま車椅子を持ってきていただきました。車椅子はシートベルト付き。
車椅子に乗って保安検査へ…の前にトイレへ(笑)
ここからはスタッフさんがリュックを持ってくださいました。
保安検査は車椅子や子ども連れ用のレーンがあるのでそこを通りました。スタッフさんも手荷物検査するんですね。
金属検査のところは立って歩いて通過。
出国手続きはみんなのようにカメラの自動認証ではなく、一番右側の事務所的なところでアナログに審査でした。パスポート渡してマスクを下げて終わり。ここを通ると出国スタンプを押されます(自動化ゲートでは押されない)。
ここからラウンジに行こうと思ったのですが、とりあえず一旦ゲートに行くというルール(?)があるらしく、とりあえず一旦ゲートまで行きました。
あとは普通に搭乗。搭乗券には明記されないですし私は使わなかったですが、優先搭乗も可能なようです。
アメリカ編
入国
飛行機の着陸30分ほど前にCAさんから、車椅子を手配するので着陸後しばらくお待ちくださいと伝えられました。英語がわからない人向けには、地上係員に見せるための車椅子手配用の用紙のようなものを座席に貼ってくださってました。
着陸後、機体を降りたところで座席番号と氏名が表示された紙を持って立っている方のところに行き、車椅子に乗せてもらいます。
アメリカの車椅子、日本の車椅子より人を運ぶ物体感が強くて独特でした。シートベルトなんてものもないし、自走不可能な形です。
バスで空港まで移動でした。
バスに車椅子で乗るのは大変そうだと思ったのですが、なんとバスが上下に移動するスタイルで、搭乗口までバスの高さが上昇し、普通に通路からバスに乗り込み、バスが下降して普通の高さになった後に走行し、また空港の入り口に合わせて上昇して、通路と連結して移動ができました。
今はワシントンダラス国際空港しか使われていないようですが、バス自体が上下に移動するってなかなか画期的ですよね。
そこから入国審査のところまで移動。スタッフ同士は何か別の言語でずっと喋っていて、携帯禁止エリアなのに携帯使ってるし(スタッフはいいのかな?)、結構適当な感じでした。アメリカに来たなという感じ(笑)
入国審査は一応車椅子の人が並ぶレーンがあり、おばあさま方がたくさん並んでらっしゃいました。30分くらい並んだかな?
待ってる間座っていられるのは楽でしたが、普通に立って審査を受ける方が少し早そうです。
座ったまま顔写真、指紋認証をして、何も聞かれないまま審査終わり。ちなみに指をここに置くんだよとか、パスポート渡すとか色々手伝ってくれました。
預けた荷物を回収して持ってもらい、到着口まで送っていただきました。ここでチップを渡す。
チップ、みんな1ドルは安すぎて受け取らないみたいで5ドルくらいから渡した方がいいようです…
追記:アメリカ向けの車いす旅行者向け記事にも、5ドル~をお勧めしているものを見つけました。
出国
出発3時間前からカウンターでのチェックインが可能になります。行きと同じくオンラインチェックインはできるものの搭乗券は表示されず、当日カウンターで受け取ってくださいの表記。
チェックインが終わって荷物を預けると、係員の方から空港スタッフを電話で呼んでいただき車椅子で移動。2〜3分で来たと思います。
メインターミナルから、搭乗ゲートへ。搭乗券を係員に見せてから手荷物検査があり、その時は車椅子から降りて全身の金属検査。靴も脱ぎました。
ここは車椅子用のプライオリティレーン的なものはありませんでした。金属検査の際は歩けるかどうか、杖がいるかどうか聞かれました。
保安検査が終わると、歩ける方は動く歩道か地下鉄で移動するのですが、私は動く歩道の隣の道を連れて行ってもらいました。
搭乗ゲートまで連れてきてもらって終わり。頼めばゲートから搭乗口までも送ってくれるそうです。
行きはチップ渡したのに、後は帰国だけと思って油断していて、ここで現金のドルを持っていなかったので渡すものがありませんでした。
チップをあげられなかったのでスタッフさんはキレながら戻っていかれました…ごめんなさい…なので車椅子手配する方は現金をいくらか用意しておいた方が良さそうです。
ちなみに車椅子のトイレは場所的な区別はなく、普通の女子トイレのうち、二つくらいに車椅子マークがあり、トイレットペーパーなどの位置が低く設定されていました。
そもそもアメリカのトイレはかなり奥行きも横幅も広いので、小さめの車椅子だったら普通に入りそう。ベビーカーも行けると思います。
ちなみにおむつ替えスペースは洗面台の隣にボンと置かれているだけ、赤ちゃんのプライバシーはあまりなさそう。
そんなこんなな空港車椅子体験記でした。
羽田は国内線も国際線もWHILLの貸し出しがあるのですが、保安検査、出国終わってからなのでそこまでに使うことはできません。
長く歩けない方、保安検査前から乗ってゲートで乗り捨て的なことが出来ればいいんでしょうけど、金属とかいろんな問題でそこは難しいんでしょうね。
日常的に車椅子を使うわけではないけれど、長蛇の列に並んだりゲートまでの長い距離歩いたり(10分以上かかることも普通にあります)するのが大変な病気の方は使ってみるのもありだとおもいます。空港って乗るまでに結構体力を使ってしまうので。
同行者がいるとどうなるのかは聞けなかったのですが、同行者が押すわけじゃないよね…?同じように付き添いで連れて行ってくれるのかどうかはまた今度同行者がいるときに検証したいと思います!
ANAさん車椅子のサポートありがとうございました!
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