見出し画像

小樽と神戸の歴史ある建築

先日、北海道 小樽で昭和初期の建物をリノベーションした素敵なホテルに宿泊しました。
観光名所の小樽運河のすぐ近くで、他にも歴史を感じる建物が点在しているエリアです。

そのホテルの目の前にも、趣きのある建物がありました。

画像1

石積みの外壁にはアーチ状のデザインが施され、軒先の細かな彫刻も美しい...♡
建築に詳しくありませんが、こういうのをルネサンス様式というのでしょうか?

ちょうど何かの撮影クルーが来て、建物の外観を撮影していたので、その時は少し離れて眺めただけでした。
自宅へ戻ってから、そういえば あの建物は何だったんだろうと、調べてみました。

旧三井銀行 小樽支店

なんでも、明治末から昭和初期にかけて港都として繁栄した小樽は、多くの銀行が支店を並べる経済都市でもあり、「北のウォール街」と呼ばれていたそうです。
この建物は、そんな当時の繁栄を象徴する歴史的建築物、とのこと。

ウィキペディアによると、2002年まで銀行として使われた後、「白い恋人」の石屋製菓に売却され、2016年にはニトリが所有者となったそうです。

現在は、ニトリが運営する「小樽芸術村」という美術館施設の一部となり、内部も公開されているよう。
時間があれば、見学したかったなぁ。

「1927年竣工。設計は旧三菱銀行神戸支店や慶應義塾大学図書館を手がけた曾禰達蔵(そねたつぞう)。」

と読んで、あっと思い当たりました。

 ***

私は兵庫県神戸市に住んでいますが、旧三菱銀行神戸支店の建物は、数年前に神戸で話題になっていました。

画像2

明治時代に建てられたその建物は、1977年には子供服のファミリアという企業の所有となっていましたが、ちょうど5年ほど前、マンション用地として三菱地所へ売却されました。

建物は解体され、そこにタワーマンションが建設されることになり、反対の声もあがっていたと記憶しています。

結局、建物は解体され、道路に面した2面の外壁のみが、タワーマンションの下層部の外壁として再度組み直して復元されました。
現在はこんなカンジ。

画像3

う~ん、どうでしょうか。笑

老朽化が進んでいたそうですし、建物としてそのまま維持することは難しかったんだと思います。
三菱地所のような大企業でなければ、また組み直して復元することはできなったかもしれません。
そういう意味では、今の状態に感謝しないといけないのかな?

ただ、上部にそびえたつ33階建てタワーマンションとのアンバランスさは否めません...。

設計者である曾彌達蔵さんは、日本の建築界を牽引された方だそうです。
神戸の旧三菱銀行は、解体前の時点では、彼が設計した現存する最古の建物だったとのこと。

小樽の旧三井銀行は、歴史的建築物として大切に保存されていることと、何となく対比してしまいます…。
兵庫県にもニトリのような体力と気概のある企業があれば良かったのですが…。
私が大金持ちだったらな〜★(夢のまた夢)

ヨーロッパでは、100年以上の歴史ある建物が、今も現役のアパートとして使われていると聞きますが、どんな風にしているのでしょうか?
きっと、街と所有者と住む人の努力と愛があってこそですね。

すべてが変わりゆくもので、そのままに残しておくのは難しいことなんだなぁ。

神戸にはルネサンス様式の趣きある建物が他にもいくつか残されています。
形を変えてしまう前に、失くなってしまう前に、もう一度あらためて見て、感じておきたいなぁと思いました。


この記事が参加している募集

最近の学び

この街がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?