【遊戯王MDランクマ】エクソシスターで挑む最高ランク ~番外編・激変必至の新改訂に備えよ~【24年1月 Season25編】

皆様初めまして。初めましてでない方はいつもありがとうございます。
自分は約1年にわたりエクソシスターでランクマッチの最高ランクまで行き続けており、各月の環境とそれを踏まえた上での対応をnote記事に纏めております。
普段はタイトルでナンバリングする形になっているところ今回は「番外編」ということで変則的な形になっていますが、お付き合いいただければ幸いです。

なぜに「番外編」?

1/10適用の新レギュレーションは久方ぶりの大規模な改訂であり、また長期にわたって主流の一角を占めるデッキの規制を狙ったものでもあるため環境に大きく影響を与えることが予想されます。一方で改訂前の1月上旬の時点では、12月の記事と比べて別途記事化するほどには環境が変化していないため、今回は「番外編」と称して改訂の考察を主とさせていただき、改訂前の環境やエクソシスターの構築・方針についての詳しいところは先月の記事に譲りたいと思います。

1. 23年12月〜24年1月(改訂前)の環境

ということで、先月からはわざわざ単独の記事にするほどの変化はないのですが改訂の内容に触れる前に軽くおさらいしておこうかと思います。
この時期の主流デッキは
・ドラゴンリンク
・烙印
・VS(ヴァンキッシュソウル)
・サイバース
・クシャトリラ
の5つとなっています。他に、次点級としては
・スケアクロー
・ティアラメンツ
・深淵スプライト
・マナドゥム
・ラビュリンス
・神碑
あたりが候補でしょうか。これ以前の環境で主流の一角だったピュアリィとラビュリンスは、主流デッキが多角化した分相対的にシェアが低下することとなりました。特にラビュリンスは現在の主流デッキにビーステッドと相性の良いものが多く、その墓地メタの影響を受けるのもあって先月では衰退したかに見えたのですが、今月では再び一定の遭遇率がありました。逆にピュアリィは明確な理由は不明ですが、今月は殆ど遭遇しませんでした。
また、クシャトリラは純構築に加えVS・スケアクロー・ティアラメンツに出張され、ビーステッドはドラゴンリンク・VS・烙印・深淵スプライト、ディメンションアトラクターがクシャトリラとVSで使われるなど、デッキの垣根を越えて環境で使用率の高いカードが多く存在するのも現環境の特徴といえます。

2. 新改訂の分析

今回の改訂はかなり規制枚数の多い大規模なものですが、特にドラゴンリンクと神碑の規制がメインとなっているといえます。昨今の環境でトップデッキの一角となっているドラリンは勿論、神碑もトップティアには至らずとも環境中堅程度の立ち位置は比較的長期間に亘って維持しているため、厳しめの規制が必要と判断されたのでしょう。

①ドラリン規制

・混沌魔龍カオス・ルーラー(無制限→禁止)
・輝白竜ワイバースター(無制限→禁止)

昨今の環境では特に勢いのあるドラゴンリンクですが、それ以前から比較的長期にわたり一定の使用率を持ち続けていたという面もあってか、使用カード2種が無制限から一気に禁止という厳しい規制を受けることになりました。特にワイバースターの禁止化は相方のコラプサーペントの採用価値もほぼ皆無としてしまうため、それを考慮すると実質3種禁止に近い措置とすらいえます。OCGでもドラリンの流行期にワイバースターが制限になったことがありますが、禁止化というのはそれ以上のかなり踏み込んだ措置と言えるでしょう。
ただしカオスルーラーについては、ドラリンにおいては初動ではなく、既にヴァレルエンド+αの展開ができる状況でのダメ押しという面が強く、ここはそこまで深刻な打撃ではないと思われます。ただOCG・TCGで既に禁止なのでドラリン規制を明分に規制状況を合わせた、という面はあるでしょう。どちらかといえばシンクロ軸ビーステッドなどの方が影響はあるのではないでしょうか。
なおOCGではティアラメンツでの墓地肥やしに用いられたことがルーラー禁止化の一因となりましたが、マスターデュエルではキトカロスが健在なことやレボリューションシンクロンの未登場もあって、ティアラメンツでの墓地肥やし要員としてはあまり重視されていませんでした。なのでここも影響は限定的と思われます。寧ろこれらの本来の使い手であるカオスやカオスドラゴン等の方が計測不可能レベルの打撃を被ってしまうので、ドラリンの規制という方針そのものは適切なものの、(エクソシスター視点では影響はないものの)本命の規制先以外への配慮が些か足りなすぎるのでは…とは思います。

②神碑(&メタビート)規制

・命削りの宝札(準制限→禁止)
・インスペクト・ボーダー(無制限→制限)
・センサー万別(準制限→制限)
・強欲で謙虚な壺(準制限→制限)
・破壊の神碑(準制限→制限)
・カイザーコロシアム(無制限→制限)
・シンクロ・ゾーン(無制限→制限)

今回の改訂のもう一つの特徴が、神碑及びメタビートが利用するカードに大量の規制が入ったことです。上記7枚のうち後者3枚は神碑のみ使用するカードであることから本命は神碑と思われますが、メタビートもついでに弱体化すれば儲け物という思惑は正直あると思われます。
実際のところこれらのデッキは時を裂く魔鐘の登場以降やや増加傾向であり、特に神碑はスプライト混合型・永続ロックカード多用型・ナチュル混合型と複数の型で折々の環境に比較的長期に渡って登場していることから、流石に改めて規制しなければならないと判断されたのでしょう。シングル戦のマスターデュエルではこれらの地雷系デッキがより地雷性を増すという面も無関係ではないでしょう。
センサー万別に関してはVSも採用するカードであることから、まだ登場間も無くテーマ本体には規制をかけづらいあちらに対しての間接規制という面もあるのかもしれません。

③クシャトリラ規制

・クシャトリラ・フェンリル(準制限→制限)
・クシャトリラ・バース(無制限→制限)

事前規制を受けつつも登場以来主流デッキでありつづけているクシャトリラに対しても、今回追加の規制が入ることとなりました。上述の通り純構築のみならず、出張運用も少なからず存在している面も考慮されたでしょう。
特筆すべきはクシャトリラフェンリルで、VS・スケアクロー・ティアラメンツへの出張のみならず、同名カードをサーチして使い減りしない戦力として扱えたためそれ以外のデッキでもフェンリル2枚の出張が幅広く蔓延していました。マスターデュエル実装時点でOCGでは禁止カードになっていたのも踏まえると、寧ろこうなるまでが遅すぎたといえます。ちなみにエクソシスターではマルファ・リタニアの制約上、事実上扱えません。
バースに関しては純粋に純構築の弱体化狙いといえそうです。一方サーチ手段でありOCGで制限となっているクシャトリラユニコーンはノータッチなので影響が注目されます。とはいえ多少安定性や展開最大値が落ちつつも、今後も環境次点くらいには残り続けるのではないでしょうか。

④ピュアリィ規制

・ピュアリィ・デリシャスメモリー(準制限→制限)
・ピュアリィ・プリティメモリー(無制限→準制限)

既にシェアが低下傾向にあるピュアリィですが、追加で規制を受けることになりました。デリシャスメモリーに続き,次点の妨害要員であるエピュアリィ・ビューティに繋ぐためのプリティメモリーも、ピュアリィ・マイフレンドによる確定サーチが不可能になったということで流石に安定性が厳しくなってくると思われます。とはいえエクスピュアリィ・ノアールの異常な詰み性能は健在ですし、今後まだ新規カードの実装を控えているのを考えれば決して理不尽な規制ではないでしょう。

⑤超重武者事前規制

・超重武者装留ブレイク・アーマー(無制限→禁止)

新パックで超重武者が強化されることから、先行1ターンキルで利用されたブレイクアーマーがOCGに追従する形で禁止となりました。ただこれ以外の規制はなく、同名ターン1のないサーチで大量展開の中核となるイワトオシはノータッチです。

⑥制限緩和

・巖征竜ーレドックス
・瀑征竜ータイダル
・嵐征竜ーテンペスト
・SRベイゴマックス
・捕食植物オフリス・スコーピオ
・相剣軍師ー龍淵

上記6枚のカードが緩和され無制限となります。いずれも属するテーマ自体は昨今の環境で特段の存在感を見せていませんが、ベイゴマックスは様々な展開デッキでの出張実績があるため緩和の影響が注目されます。

3. 改訂の影響

先に挙げた主流デッキのうちドラゴンリンクは、コラプワイバーセットの利用が不可能になることで、ヴァレルエンドドラゴン以上のプラス展開を行いにくくなり主流レベルの活躍は難しくなりそうです。クシャトリラも若干パワーダウンし、ノータッチであった残り3つが環境主流を握りそうです。(VSは一応センサー万別が規制されましたが、依存性はさほど高くないため影響はないと思われます)また神碑およびメタビートのパワーが大きく削がれることで、展開デッキ主体の環境になると思われます。
その他、次点級デッキの中ではスケアクローとティアラメンツはフェンリルの規制、深淵スプライトはカオスルーラーの禁止化によってそれぞれパワーダウンすると思われます。

エクソシスター視点

なお、エクソシスターからすると今回の改訂には殆ど恩恵がなく、寧ろデメリットの方が遥かに大きいといえます。なぜならドラゴンリンクも神碑も決して不利な相手ではなく、寧ろ神碑には強く出れる部類のデッキであったため、そこが弱体化しても総合的には他のデッキに対しての有利性が減ってしまうだけであるためです。それどころかカイザーコロシアムの規制でとばっちりを受けてしまうこととなりました。相性のあまり良くない烙印がより使用率を増しそうな点も向かい風です。

強化されるデッキ

今回の改訂、および同日の新パック発売以降の環境において新たに主流レベルになりそうなデッキとしては以下が予想されます。
・超重武者
・マナドゥム

超重武者は新パックの強化の目玉であり、超重神童ワカU4を筆頭に革命的な強化が加わります。新カードという話題性もあり環境にも上ってくるでしょう。
マナドゥムもヴィサス=アムリターラとマナドゥム・トリロスークタの登場でリウムハートが1枚初動となるため、これまではそこまで目立った活躍をしていませんでしたが今後の環境では主流候補となりえるでしょう。

カイザーコロシアム

今回規制されたこのカード。マスターデュエルの環境においては専ら神碑が使用するカードであり、規制の理由も100%そこにあるといっていいでしょう。しかしそれがなぜエクソシスターにとってとばっちりになるのでしょうか?
このシリーズを複数回読んでくださった方ならば基本的に毎回カイザーコロシアムが最低2枚は採用されていたことをご記憶かもしれません。
まず第一に、エクソシスターのデュエルスタイルに極めて合致しているカードであるためです。エクソシスターはモンスター展開をマニフィカ1体に収束させやすく、大量展開の代わりにバディス・リタニアを筆頭とする魔法罠を併用して布陣を形成するデッキです。故にマニフィカ単騎+伏せカードという布陣が基本となり、カイザーコロシアムの要求する状況と非常に合致しているのです。
第2に後攻時においても相手の妨害ギミックの一部を牽制・ケア可能です。斬機超階乗やI:Pマスカレーナなど、相手ターンで展開することで妨害に繋げるギミックは少なからず存在します。ドラゴンリンクで利用されるヴァレルエンドドラゴンもまさにそれに該当します。これらをカイザーコロシアムで封じつつ展開したり、あるいはそれらの妨害を展開前に吐かせるよう仕向けることができます。
そして第3に、これは最近まで自分も知らずに使っていたのですがこのカードでニビルケアが可能です。
公式Q&Aによると、
・自分のカイザーコロシアムが適用中
裏側モンスターおよびリリース不可能なモンスター(すなわちニビルの効果によるリリース範囲外のモンスター)の数が相手フィールド以下
の状況では相手はニビルを発動できないとされています。
裏側モンスター・リリース不可のモンスターが自分フィールドと相手フィールドで0:0の同数として考えてみましょう。この状況で相手がニビルを発動すると、ニビルの前半の処理「表側表示モンスターを可能な限りリリースし自身を特殊召喚する」の段階でモンスターの数が自分は0、相手は1となり相手の方が多くなります。つまりカイコロ適用下では不可能なプレイとなり、相手はニビルの発動自体が不可能になる、ということのようです。要はカイザーコロシアムを発動して裏守備モンスターを出していなければ、ニビルを気にせず安心してマニフィカを出しに行けるわけです。
従ってカイザーコロシアムは、エクソシスターにとってはマニフィカ展開へのニビルをケアしつつ返しの相手の展開を大幅にロックできるという有用極まりないカードなわけであり、貴重なニビルケアの手段が減ってしまうという痛手であることがお分かりいただけるかと思います。

4. 新環境への対策

まとめると、新環境の予想は以下の通りとなります。
・烙印
・VS
・サイバース
・クシャトリラ
・超重武者
・マナドゥム
・全体的に展開よりの環境

まず、神碑とメタビートが減り全体的に展開寄りの環境になると思われますが、これは冥王結界波が腐りづらくなるということであり後攻時の返しとして有力になってきます。エクソシスターはミカエリスを経由してマニフィカを展開するのが基本の展開ですが、この2体に除去能力があることから妨害さえなければ盤面を捲りやすく、そういった観点で結界波は噛み合っています。
新たな主流候補である超重武者とマナドゥムですが、エクソシスターにとっては決して不利な相手ではないと個人的にみています。双方とも魔法・罠での妨害は然程重視していないため結界波が刺さりやすく、またキーカードが割と明白であるためです。
超重武者はワカU4や、超重武者カカCのリンク素材になりつつその効果で蘇生されるイワトオシがキーカードであり,ここをマニフィカやミカエリスで除外するのが痛手となると予測されます。マナドゥムに関しては、チューナーに「ヴィサス=スタフロストか攻撃力1500・守備力2100のモンスターがいると手札から特殊召喚できる」という効果があり,すなわちこの条件のモンスターを召喚次第即除去する、所謂「着地狩り」が有効となります。
既存の主流デッキでは、VSに対しては少なくとも先攻なら十分戦えるので、烙印への対処が課題となります。これまでの環境よりは腐りにくくなることを期待して、三戦の号でのサーチも可能になった次元障壁を差しあたって試してみるつもりです。

おわりに

今回は変則的な形となりましたが、それでもここまで読んでくださった皆様ありがとうございます。今月は改訂前にマスター1に到達したため改定後の環境の予想という形とさせていただきましたが、実際の改訂後の環境やそれを踏まえた対応については来月の記事で書かせていただこうと思います。
これまでの各月についても、その月ごとの環境やそれに応じた対応をnote記事にまとめさせていただいておりますので、よろしければそちらにも足を運んでいただければ幸いです。
カイザーコロシアム規制を許すな。

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