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【遊戯王MDランクマ】エクソシスターで挑むマスター1⑦ ~完全体クシャトリラを打倒せよ~【23年11月 Season23編】

 皆様初めまして。初めましてでない方はいつもありがとうございます。
 タイトルに銘打った通り、自分は2月より半年以上にわたりランクマッチをエクソシスター一本で最高ランクまで戦っており、過去6回にわたり月ごとの環境とその対応について記事を書かせていただいてきました。(ちなみにマスターランク実装前から連番になっています)本記事の最後に過去記事のリンクも貼っておりますので、本記事で興味を持っていただけましたらそちらにも足を運んで頂ければ幸いです。
 今月はデッキ分布自体は先月の環境から大きく変わっていませんが、これまで一部カードしか実装されていなかったクシャトリラが満を持して出揃い、従来のパンク混合型に加え本来の純クシャトリラも環境で活躍するようになりました。今回は主にそのあたりを焦点に、エクソシスターで如何に環境と戦うかについて書いていければと思います。今月の環境と通ずる部分のある先月の記事についても参照していただければ幸いです。


1. 23年11月上旬のMDランクマ環境

 先月の環境に引き続きクシャトリラ・ラビュリンス・ピュアリィ、次点として斬機が主流となっており、特に新規カードが追加されたクシャトリラが一際人気がある印象を受けました。一方2月以来環境上位に位置し続けたスプライトは、素早いビーバーの制限化により素早いアンコウの運用にあたってのデッキの安定性が下がり、流石に退潮気味です。ただしライブツインで初動を補ったり、リチュアのギミックとしてなどで引き続き見かける機会はあります。それ以外ではスケアクローとティアラメンツがクシャトリラのカードプール増加に伴いこれをギミックとして取り込めるようになったため、主流には至らないものの一定の頻度で見かけるようになっています。

2. 現環境とエクソシスターの相性

クシャトリラ

こちら側にも相手の強みが刺さらない要素はあるものの、基本的には他のデッキ相手と比べて相性は良くはないといえます。理由は以下の通り。
・メインデッキ段階のエクソシスターは攻撃力が低く除去効果を持たないため、モンスター効果をトリガーに裏側除外するフェンリル・ユニコーン・オーガの効果を基本受けざるをえない。相手の場にフェンリルがいる場合はソフィアのドローを諦めてそのまま素材にせざるをえないことも。
・墓地依存度が低く、バース・プリペアで除外したモンスターを容易に再展開してくるので除外除去が刺さらない
・1体目に展開されたモンスターを除去して後続の流れを断つ、いわゆる「着地狩り」が刺さりにくい
・こちらも除外を多用するため王宮の鉄壁やアーティファクトロンギヌスでのメタは不可能
・相手もまたエクシーズデッキなので、コントロール奪取を受けると奪われたモンスターにアーゼウスを重ねられやすい。汎用カードの三戦の才の他、ランク7デッキなのでNo.11 ビッグアイの存在も頭に留めておく必要があります
・モンスターの複数展開を経ずに高打点を出せ、フェンリルは除去効果も持つのでカイザーコロシアムでの拘束がやや狙いにくい
 と、このように他のデッキ相手と比べて正直不利な要素は多いといえます。ただしこちらも、墓地依存度が低いのでアライズハート・アトラクターの墓地封殺やバースの墓地除外が刺さらず、エクストラデッキでは限られた種類のキーカードを複数積みするのでユニコーンのエクストラデッキ破壊が致命打になりづらいという利点は存在します。またピュアリィと異なり効果耐性はシャングリラの破壊耐性くらいなので、一般的な対展開デッキ用の捲りカードがそのまま有効であり決して対応できない相手ではありません。

ラビュリンス

過去の記事でも述べていますが、基本的には有利な部類のデッキです。罠をセットされたターン中に除去しやすく、除外するため墓地からの再利用やウェルカムラビュリンス・ビッグウェルカムの墓地効果も封じます。迷宮城の白銀姫の耐性をマニフィカ・リタニアで突破しやすい点や、カルペディベルで地道に相手の罠を剥がしていけるのも重要なポイントです。後攻の場合はどうしても伏せ除去やうららの引き運に左右される部分は出てきますが、罠を躱しきれば逆にこちらの盤面を構築して勝利できることも少なくありません。ただしこちらがバディス・リタニアと通常罠を重視するためそれに反応して迷宮城の白銀姫が後続の罠をサーチしてきてしまうのは特有の悩みといえます。

ピュアリィ

こちらが先攻でマニフィカ・リタニアを構えられれば概ね抑え切って勝利できるものの、先出しされたノアールへの対処手段が実質テーマ内には存在せず、汎用カードで対策を考慮する必要があります。理論上はカルペディベルで「発動した効果を受けない」耐性を無力化したり、素材を消費して耐性がなくなったところでミカエリスの除去・ジブリーヌの無効化を当てるという手段はあるものの、かなりの上振れと相手のプレイングに依存するため、基本的に対応力のあるデッキですがピュアリィ相手の後攻ばかりは厳しいと言えます。マルファの制約上、ノアール対策として手っ取り早い壊獣や倶利伽羅天童を採用しづらいのも辛い点と言えます。

ティアラメンツ

ティアラメンツとの相性・対処法については過去に流行していた時期の記事で多く書いてきましたが基本的に有利であり、後攻でも向こうの出方次第で十分捲る目はあります。ただし現在は上記の通りあまり相性の良くないクシャトリラギミックも混ざっているのでその点は留意する必要があります。

スケアクロー

構造上着地狩りが強く刺さるデッキであり、スケアクロークシャトリラの自己特殊召喚・フェンリルの特殊召喚まで考慮しても3回除去を行えばまず止め切れます。ただし先に展開されるとトライヒハートやスケアクローツインソーの効果が厄介でもあります。トライヒハートに関してはバグースカと同様にカルペディベルやリンクモンスターで対処、ツインソーはライヒハートでサーチされるケースがあるのでうららはそこに当てるといった手段で対処したいところです。

3. 実際の構築

先日実装されたシスターのシークレットパック名があまりによかったので
デッキ名にしてしまいました

 クシャ・ピュアリィ・ラビュリンスが主流という現環境を考慮して汎用カードの
ラインナップを見直しました。また、新実装された三戦の号を採用しています。

三戦の号

クシャトリラ強化と一緒に登場した汎用カードです。基本どんなデッキでも扱えますが、エクソシスターにおいては相手モンスターがいない状況でもバディス・リタニアのサーチに使えるため特に強く、ミカエリスのサーチをヴェーラーやうららで止められてもこのカードでカバーできます。無論後攻時において状況に応じた捲り札を使い分けられるのも非常に強力です。

冥王結界波

エクソシスターと自分のデュエルスタイルにマッチした捲り札で、これまでは大体2〜3枚投入していたのですが環境の変化に伴い枚数を減らしました。
具体的には、これまでスプライトキャロットやバロネス、タイタニックギャラクシーといった魔法カードを無効化できるモンスターや強固な耐性を持ったモンスターとの遭遇率が高く、それらをまとめて貫通できるように採用していましたが、それらが減少したこと、そして先月以来主流のピュアリィとラビュリンスに対しての使い勝手が微妙というところが理由になります。一時は全抜きしていたのですが、三戦の号を使用するならば選択肢として1枚あると強いのでは?という理由から再び採用しています。

サンダー・ボルト

ある意味最もシンプルイズベストな後手捲りカードです。結界波と比較して魔法無効化・破壊耐性持ちのモンスターに通用しない代わりに直接カードアドバンテージを奪えます。前述の通り結界波の仮想敵が減少し、クシャトリラもラビュリンスも魔法を無効化する妨害は基本立たないので(パンククシャトリラがバロネスを立てることはありますが)、それなりに効果を見込めると判断し投入しました。
特にクシャトリラに対して有効で、それ自体は妨害能力を持たないシャングリラを除いて一掃できます。結界波と比べて確実性で劣る代わり、直接除去した上で戦闘ダメージも通るので、直撃すればそのまま後攻1キルを仕掛けられる可能性もあります。このカード自体はピン刺しですが、有効な状況で三戦の号によりサーチしてくるという運用も可能です。

三戦の才

従来からマスターデュエルで時期を問わず採用率の高かったカードですが、コントロール奪取がノアールとアライズハートに対して強力であることや抹殺要員としての役割を踏まえて投入しました。号と異なりメインフェイズ以外で動かれるとケアされてしまうもの、単純に2枚ドローで手数を増やしたり、手数に余裕があるならピーピングハンデスで壊獣や拮抗勝負などの致命的な捲り札をケアしたりといったことが狙えます。相手にこのカードを使われた場合かなり裏目の大きいデッキでもあるので、抹殺要員としての意味合いも小さくありません。またエクソシスターは相性のいい壺系カードが少なく、序盤から使いやすい2枚ドローが乏しいものの、このカードは相手依存で癖はあるものの序盤から2枚ドローを狙えるのでその方面での価値もあるといえます。

皆既日蝕の書

環境の変化から結界波を一旦抜きはしたものの、対象耐性・破壊耐性を貫通できる捲りカードはやはりあった方がいいのではと考え投入しました。過去にもティアラ対策などで投入した実績がありますが、クシャトリラの干渉をほぼ全て遮断できることなどもあり使用感は良好でした。

深淵の宣告者

壊獣や倶利伽羅天童に頼りづらい中で先出しのノアールを処理できるカードです。利点は先月の記事で詳しく述べていますが、三戦の号の登場でより手札に持ちやすくなりました。

月の書

画像では投入していませんが、皆既日蝕の採用にあたってその相互互換として途中まで採用していました。というのも、皆既日蝕や類似効果の皆既月蝕の書(モンスター2体を裏守備にする)では自分のモンスターも裏側になってしまうことがあり、この点はエクソシスターにとってはリタニアが使えなくなったりエクソシスターの共通効果による墓地利用の牽制が切れてしまったりと些か不便です。このカードは単体での影響力が劣る代わり、いたずらに自分のモンスターを裏にしてしまうことが絶対にないという利点があります。その他皆既日蝕と比べて表側に戻ったり相手にドローされたりうららに止められることがない、1体しか裏にできなくてもカイザーコロシアムとの併用で大きな影響力を発揮するといった利点があります。

マニフィカ

基本2枚で足りるのですが、ユニコーンのエクストラ破壊を考慮して今月は3積みにしました。

バグースカ

特に環境を意識しての起用というわけではないですが、増Gを使われてリタニアもないというケースにおいて、マルファを用いた展開をしていなければこのカードで凌ぐ選択が取れるため試験的に採用しました。なおこのカードを守備表示にしている場合、相手が墓地利用をしてきてもチェーンでエクソシスターを展開し、変身に繋ぐことはできなくなるのでそこは注意が必要です。

ヴェルズビュート

エクソシスターエクシーズは基本的に単体除去しかできないので、アドバンテージ差が開いてしまった時や伏せカードが多く並んでいる際にランク4で全体除去できればいざという時便利なのではということでやはり試験的に採用しました。このカードが残ることでリタニアでの妨害はできなくなりますが、効果が通れば相手フィールドが空き、攻撃することでアーゼウスを重ねられるため返しの妨害は用意できます。

ピュアリィ対策

 先月の記事ではピュアリィ対策をより強化したいと結論し、追加での対策を検討しました。その際は上記の三戦の才に加えてドロール&ロックバードとアトラクターを候補とし、それらを採用した構築も試しましたが結局抜けることとなりました。理由としてはドロバはこちら側にも相性が悪く、アトラクターはクシャトリラ相手にバリューが低い上に元々1ターン目以外で手札にくると無価値なカードなので採用価値がないとの結論に至りました。三戦の号により深淵の宣告者をピンポイントでサーチできるようになったので、それによって一定程度対策の強化を為せたと考えています。

カイザーコロシアム

このカードの利点に関しては過去記事でも度々述べていますが、ラビュリンス相手に対してもウェルカムラビュリンス・ビッグウェルカムへの牽制として働きます。こちらの頭数が相手以下ならばこれらの発動を封じられるので、ミカエリス・リタニア・カルペディベルなどでチェーン発動させることなく除去することが可能になります。

4. 具体的なプレイング

パークスによるドロバケア

昨今ピュアリィやクシャトリラのメタとしてドロール&ロックバードの遭遇率が上がっていますが、エクソシスターもサーチやソフィアのドローの重要度が高く、使われると面倒なカードです。具体的にはマニフィカを出す展開の過程で平均3回ほどはサーチ・ドローを行うため(カスピテル・ミカエリスのサーチに加えてパークスのサーチとソフィアのドローのどちらかは絡むことが多い)ドロバ1枚で平均2枚のディスアドバンテージを負わされてしまう上、サーチを封じられることでそもそも展開が止まってしまうこともあります。パークスはエクソシスターのサーチ手段の中で唯一スペルスピード2であり、ドロバを使われてもチェーン発動して1回サーチを行えるため、使わずとも展開できるなら下手に絡めて上振れを狙わずに、可能な限り温存して展開を進めるとドロバへのカバーが利きやすくなります。

ユニコーンは即除去する必要ナシ?

先々月の記事において、クシャトリラユニコーンでサーチされるクシャトリラバースがエクソシスターにとって鬱陶しいため、ユニコーンは召喚されたら即除去すると書きました。しかしサーチ先として新たに六世壊他化自在天(クシャトリラ・パーピヤス)が登場したことで状況が変わりました。ユニコーンでパーピヤスをサーチしてそのままユニコーンを対象にパーピヤスを発動するというのがクシャトリラの1枚初動ムーブなのですが、パーピヤスは効果処理時に対象モンスターが存在しなければ不発となるので、ユニコーンを即座に除去せず、パーピヤスの対象に取られたタイミングでチェーンして除去することで2体分の展開・2手数を無為にすることができます。こちらのプレイングならば、除去した後に再度ユニコーンを展開されそちらでサーチ効果を使われる裏目も潰すことができます。

三戦の才ケア

三戦の才は特にマスターデュエルでは時期を問わず採用率が高いのですが、エクソシスターにとっては厄介なカードの一つです。こちらがエクシーズデッキであるが故に、マニフィカやミカエリスを奪われて殴られ、挙句にアーゼウスを重ねられて自分の場に戻ってこないどころか相手の妨害になってしまう、さらにはそのターンで展開したミカエリスを奪われた場合除外効果も使われてしまうという甚大な損害を被ることとなります。何回この流れに泣かされ、あるいは相手が2ドローを選択して安堵したか知れませんが、最近ようやくプレイングで被害を抑える手段が見えてきました。

①カルペディベル

エクソシスターでの才ケアの筆頭といえばこのカードです。相手ターンで②の発動条件を満たした場合、特に公開情報内に無力化すべきカードがなければ三戦の才や三戦の号は有力な宣言先となります。

②バディス+リタニア

自分フィールドにバディスとリタニア、このターン中にエクシーズ召喚したミカエリスという状態で三戦の才のコントロール奪取を発動されたとします。この時、どうせ奪われるならとミカエリスの除外効果をチェーンしがちですが、その時点で対処すべきカードがないのならその必要はなく、代わりにバディスをチェーン発動します。この場合、ミカエリスを奪われてもレベル4エクソシスター2体とリタニアが残り、リタニアでの2枚除外か1枚を除外しつつのエクシーズ召喚で妨害を残すことができます。奪われたミカエリスの効果を自分が発動していなければ、ここで改めてミカエリスを出してそちらの除外効果を利用することも可能です。ちなみに奪われてからバディスを発動するのでは別途エクソシスターがいない限りリタニアの発動まで一瞬の隙が生じ、ミカエリスの除外効果にリタニアをチェーンできない可能性が生じるので、必ず三戦の才にバディスをチェーンする必要があります。才のコントロール奪取は対象をとらないのでバディスで展開したレベル4エクソシスターを奪われる可能性もありますが、万一そうなってもそれはそれでミカエリスの妨害が残ることになるので大きな問題にはなりません。

③相手ターンのエクシーズは守備表示もアリ

マニフィカの効果や墓地利用にチェーンしてのバディスにより、相手ターンでエクシーズ召喚する機会は多くあります。その際、場合によっては守備表示でエクシーズ召喚しておくことでコントロール奪取による被害を抑えることが可能です。ランク4エクソシスターのうち攻撃力以上の守備力を持つのはジブリーヌのみであり、戦闘破壊の裏目が増えたりエクシーズモンスターでの自爆特攻からアーゼウスに繋がれてしまう裏目もあるので「必ず守備表示」とまでは言い切れないのですが、守備表示で出しておけばそのターンに特殊召喚したモンスターである都合、表示形式を変更して戦闘に参加することができず、別途エクシーズモンスターが戦闘しない限り奪われたモンスターにアーゼウスを重ねられることがなくなります。前述した三戦の才の裏目のうち①奪ったモンスターで殴られる②そのモンスターにアーゼウスを重ねられる の2つのリスクをかなり抑えることができるのです。
前述の通り守備表示で展開することで戦闘面の裏目は増えてしまいますが、ミカエリスとリタニアの除去により戦闘面のカバーはそれなりにできるので、特にリタニアがある状況ならばライストケアも兼ねて守備表示がいいでしょう。

④相手のデッキの展開制限に注意を払う

奪われたモンスターの処理手段としては概ねリンク素材かアーゼウスとなります。烙印融合を扱うデッキなど、相手がアーゼウスやリンクモンスターを出せない制約のかかるデッキの場合、そのターンを凌げれば奪われたモンスターがターン終了時に戻ってくる目も出てきます。前述の通り守備表示で出しておくことで奪われても戦闘ダメージを抑えられるので、相手が決め切れずにターン終了時に取り戻せる可能性が増すため相手の展開制限には注意を払っておきましょう。

⑤マニフィカに三戦の才を使われるケース

マニフィカは対象を取る効果に対しては素材と入れ替わって回避できるのですが、三戦の才はコントロール奪取としては珍しく対象を取らず、何かしらの被害は免れないのでこれもまた厄介さを助長してるといえます。
マニフィカの除外効果を使った後で才を発動されるケースが実戦では多いですが、マニフィカの②の回数制限はカード単体にかかるので、除外効果の使用後に奪われた場合、相手に除外効果を使われることはありません。しかし相手に攻撃力5600分のアタッカーが爆誕してしまい(リタニアで相手ターン中に守備で出した場合を除く)、そのままでは大ダメージを受けた挙句、即死せずともアーゼウスを重ねられてしまいます。エクソシスターは魔法罠にライフコストがある都合上ある程度ライフは守る必要があり、これほどのダメージは避けねばなりません。
結果、このような状況で自分が編み出したプレイングは、「三戦の才にチェーンしてマニフィカ③でミカエリスを守備で出す」です。当然ミカエリスを奪われて除外効果も使われてしまうのですが、前述のように奪われたモンスターで攻撃されたりそれによってアーゼウスを重ねられることは回避でき、別途バディスとリタニアが残っていれば先に述べた手順で対抗することができます。
なお、先に別途手札誘発を使っていたなどでマニフィカの素材が2つとも残った状態で才を使われるケースもあります。この場合は迷いなくマニフィカ③をチェーンし、守備表示のカスピテルに変えましょう。カスピテルは奪われてもこちらには干渉してこず、先述の通り戦闘もそこからアーゼウスに搭乗することもできないので、他のカードでターンを凌げれば取り戻せることも十分見込めます。

5. 構築余談 ~幸魂とオーバーレイネットワーク~

先月末に登場した新パック「レコード・オブ・ノーブルスピリッツ」は環境には特に影響を与えませんでしたが、エクソシスターにとっては「幸魂」が強化となりえます。というのは、「荒魂」から幸魂をサーチして幸魂を自身の効果で召喚することで「〇〇以外特殊召喚できない」制約に関係なくランク4の素材を揃えられ、エクソシスターにおいてはカスピテルを出してマルファをサーチすることでマニフィカまで繋げられます。発動ターン全体にかかるマルファ①の制約を回避しつつ荒魂1枚からマニフィカまで繋げられるようになったため、デュエルの勝敗だけ考えるならば非常に魅力的なギミックといえます。
「マルファ登場後のエクソシスターにおいて有力なカテゴリ外の展開補助」としては他にオーバーレイ・ネットワークが挙げられます。こちらに関しては自分も既に採用しており、その有用性については過去記事で解説した通りです。
この2つのギミックは無論併用することもできますが、求められる役割が同じということで枠を争う関係と見ることもできます。一般には1枚初動たる荒魂ギミックが優先され、幸魂の登場以降はオーバーレイネットワークはあまり優先されず、1枚も採用されていない構築もままあります。しかし自分はオーバーレイネットワークのみ採用し、荒魂ギミックは採用しませんでした。これは自分の個人的なデュエルスタイルの好みによる部分も大きく、その辺りをあまり拘らずデュエルできる方なら正直荒魂ギミックを優先するのが妥当ではあります。初動のやや細いエクソシスターにおいて1枚初動の可能性は大きく、反面オーバーレイネットワーク1枚だけでは動けないのは事実ですから。しかし今回の幸魂実装にあたって、個人的な好みだけでなく実用観点でオーバーレイネットワークが優位に立てる点も考察してみました。

①荒魂が妨害に弱い

1枚初動になるとはいえど、荒魂はヴェーラー・泡影・うらら・ドロバとG以外のメジャーな手札誘発を一通り受けてしまいます。そしてそうなると、召喚権も使ってしまっているので他のエクソシスターカードで展開をカバーする手段が殆ど存在しません。特にヴェーラーや泡影でターン中の効果無効を受けるとエンドフェイズに手札に戻ることすらできず、無駄に場に残ってリタニアも使えず無抵抗に戦闘破壊されてしまうこと必至とあまりにも大きな隙を晒してしまいます。こういった事態を避けるには先にエクソシスターカードから動くしかありませんが、荒魂用の召喚権を残しながらエクソシスターで展開できるというのはマルファかパークスがある状況であり、元々荒魂がなくともある程度展開を遂行できてしまうということでもあります。
他方オーバーレイネットワークはというと、確かに単独で初動にはならないのですが直接妨害を受ける手札誘発は幽鬼うさぎぐらいで、それもGうらら泡影ほどの遭遇率はありません。1枚初動でこそありませんが、マルファかパークスとの2枚初動でマニフィカまで到達できるため、初動パーツとしての価値も決して低くありません。

②展開補助だけじゃない

マルファ①を使って展開する場合エクソシスターしか特殊召喚できなくなりますが、その状況下では先攻で立てて妨害になれるのはマニフィカくらいとなります。故にエクソシスターは少なくとも先攻では過度な展開力は必要なく、手数が余ったならばオーバーレイネットワークはマルファの回収に当てることができます。それだけならば荒魂+マルファの手札でもマニフィカを立てつつマルファを手札に残すことはできますが、オーバーレイネットワークの場合1つ目の効果による蘇生がマルファの②のトリガーになるのに加え、下級エクソシスターのライフ回復は特定の組み合わせを場に揃える必要がありますが、その補助にも僅かながら貢献してくれます。

③長期戦に強い

荒魂+幸魂は最終的にエクシーズ素材にするため使い切りになってしまいますが、オーバーレイネットワークは永続魔法なので、相手がオーバーレイネットワークの除去まで手が回らなければ次のターン以降も展開とリソースを補助してくれます。エクソシスターはテーマ内で墓地活用の手段がなく、すなわちこの現代遊戯王にあって純粋に手札・フィールドのリソースで戦わねばならないため、メインギミック外で中長期的にリソースを補強してくれる恩恵というのは決して無視できるものではありません。
使い減りしない展開札という性質上、相手ターンを跨いで生還した時点で初動の要求枚数が1枚下がり、効果を抜きに1枚分アドバンテージを得たという見方もできます。初ターンでの1枚初動にこそならないものの、そこまで含めた目で見ればそのポテンシャルは決して荒魂に劣っていません。
特に一度展開を遂行した後の2巡目でマルファとこのカードがある場合、マルファ1枚の消費で召喚権を残したままランク4エクソシスター2体を展開でき、召喚権を使った展開も合わせれば総攻撃力8000超えの戦力を用意できます。1巡目の展開後にこのカードでマルファを回収する動きができていれば、次のターンで自然にこのパターンを狙えます。
また中盤以降、このカードが残っていて墓地にレベル4エクソシスターがいるという状況ならば、下級エクソシスターなど適当なレベル4を召喚してこのカードでエクソシスターを蘇生、カスピテルを出しマルファをサーチと繋げられるので、実質レベル4モンスター全てが荒魂のような1枚初動となります。蘇生効果は通常墓地除外などの妨害を受ける可能性がありますが、エクソシスターの共通効果の都合上、その手の妨害を受けても結局エクシーズモンスターに繋げられるというのもある意味噛み合いがあるともいえます。

④後から引き込んでも意味がある

これはどういうことかというと、エクソシスターでは時折1ドローに賭けざるを得ない局面というのがあります。それは2つあり、
・レベル4モンスター及び展開手段がマルファ1枚のみ
・エクソシスターの特殊召喚手段がなく、イレーヌの1ドローで展開札を引き込むしかない
の2パターンです。
前者の場合、マルファ①からカスピテルをエクシーズ召喚し、サーチしたエクソシスターを通常召喚までは行けるのですが、ソフィアの1ドローで特殊召喚手段を引けなければマニフィカまでは繋がりません。
あるいはミカエリスをエクシーズ召喚し、素材にしたエリスを取り除いてパークスをサーチ・発動し、マルファを特殊召喚。この過程で相手が手札誘発を使ってくれれば、墓地に置かれたそのカードをミカエリスで除外することでマルファ②を誘発させ、ランク4エクソシスター2体を並べられる可能性があります。無論ミカエリスの効果を無効にされると成立しないので、そこへのケアは必要な上、そもそも相手が誘発を持っているか次第となるので確実ではありません。
先述のマルファ→カスピテル→ソフィアのパターンにしろ、イレーヌのドローに賭けるパターンにしろ、引き込んで展開を繋げられるカードがこれまではエリスとパークスしかありませんでした。前者の場合、マルファのサーチにパークスを使っているケースもあるのでその場合エリス一択になってしまいます。しかしここでオーバーレイネットワークを引き込めば展開を継続でき、「引き込むことで展開を繋げられるカード」の種類・数が増える利点があります。上記パターンはいずれも召喚権を既に使っているので、荒魂を引いても展開は繋がりません。ここは明確にオーバーレイネットワークの優位点と言える部分だと思います。

⑤省スペース

荒魂・幸魂を何枚入れるかは人にもよりますが、単純に最大数で比較する場合オーバーレイネットワークの方がデッキスペースが少なく済み、空いたスペースで手札誘発や捲り札を増やせます。

⑥入手性

実戦上の利点とは異なりますが、紙媒体とマスターデュエルの双方にて、荒魂+幸魂よりオーバーレイネットワークの方が安価かつ容易に入手できます。(MDでは
幸魂がUR、紙では荒魂が入手性の関係でシングル価格高め)正直なところ、ただでさえ安くはないエクソシスターにあってテーマ外のパーツにURのクラフトポイントやレアリティ不相応の出費をしたくない!…という方は少なくないんじゃないでしょうか。そんな方は是非オーバーレイネットワークを使ってみてください。これまで述べてきた通り、決して勝るとも劣らない働きをしてくれます。

 ……というわけで、オーバーレイネットワークが荒魂幸魂ギミックに対して勝てる点を考察してみました。オーバーレイネットワークの優先について、個人的なデュエルスタイル上の好みが大きいと述べましたが、荒魂幸魂ギミックはエクソシスターでなくとも縛りのかかるランク4テーマ全般で利用でき、その分エクソシスターである必然性というのは必ずしもありません。しかしオーバーレイネットワークとエクソシスターはマルファの存在により一際シナジーの強い組み合わせであり、エクソシスターならではの強みを出せているとはいうことができると思います。単にデュエルに勝利するだけでなく、そういったテーマ・デッキ固有の利点をより引き出したデュエルスタイルの方が個人的には好みな部分があります。

6. おわりに

 というわけで、今月もエクソシスターでランクマを戦った経験について書かせていただきました。今月は色々あり少々投稿が遅くなってしまいました。昨今の環境はあまりエクソシスターにとって有利というわけではなく、時には運の悪い試合展開が続いて降格してしまうこともありました。しかし基本的な地力・対応力はあり基本ギミックの時点で幅広い相手に対応できるため、環境を分析して汎用カードやプレイングを吟味すればまだまだ戦えるデッキだと思います。「エクソシスターは好きだけど流石に今の環境で戦えるかは不安…」という方もいらっしゃると思いますが、先日ついにシークレットパックへの収録も果たしたことですし恐れずに是非手に取っていただければと思います。
本記事がエクソシスターを好きな方、エクソシスターで戦いたい方、自分の好きなデッキで勝ちを取りたい方に取って少しでも参考と励みになれば幸いです。

過去記事

エクソシスターでダイヤ1に行く方法(23年4月環境)
1週間で行ける!?エクソシスターでダイヤ1(23年5月環境)
エクソシスターで環境に挑み続ける(23年7月環境)
エクソシスターで挑む最高ランク④(23年8月環境)
エクソシスターで挑む最高ランク⑤ ~クシャトリラを許すな~(23年9月環境)
エクソシスターで挑む最高ランク⑥ ~群雄割拠の魔境でノアールを突破せよ~(23年10月環境)


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