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私を抑揚のない棒人間にした。

私には小中の記憶がほとんどない。

あの頃の記憶といえば、毎日毎日が親や祖父母の喧嘩だった。

私が何か言おうとすると父親は恐い顔をして「女のくせに!」「子供のくせに!」「俺にむかるか?」「黙っとけ!」と言っていた。

だから、私は父親には何も相談しなかったし、自分の話はしなかった。

自分の言う事だけを聞かせたいと思っている父親に何を言っても無駄だったから。

そして私はいつしか抑揚のない物言いしかできない人になり、父親へは殺意しか抱かなくなった。

その後、私は旦那と出会い、実家を逃げるように結婚した。

しかし、結婚8年目で旦那から離婚を切り出され、子供とともに家を追い出され、仕方なく実家に帰ることになった。

あれから9年経つが父親に対する感情は変わらない。

父親に対しては食事を作るだけの作業をし、他には何もしてあげてはいない。
食べさせておけば、うるさく言う頻度が減るからだ。

今まで何百回も殺したいと思ってきた。
今でも早く死ねばいいのに!と思っている。

今までは、そんな感情など直視せず流してきた。

親を殺したいほどに憎いという感情は苦しい。
それを直視することがつらかった。つらいと認めたくなかった。
本当は父親を愛しているはずなのに。

きっと、私は父親を愛したかったし、愛されたかった。

今では愛されたかったとも思わなくなってしまった。愛されたかったんだよね?と聞くと心が反発してくる。

私は今以上に父親に殺意を抱かぬよう、傷つかないように自分を守ってきたんだろう。

この憎しみが愛に変わるまで、まだ時間がかかりそうだ。



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