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【感想】2024.04.26 舞台「鴨川ホルモー、ワンスモア」

前書き

男性ブランコのファンになって3度目の演劇体験。ニッポン放送協賛の、これまで観た中で一番規模の大きい舞台だ。

観劇にあたり色々と予習しようかとか悩んだけれども、日々に忙殺され続け、結局はほぼノー知識のまま当日を迎えた。原作本は軽く冒頭までは触れたが、少し悩んだ末に敢えて読み進めることはしなかった。またヨーロッパ企画さんのこともこの舞台を機に知ったくらいのずぶの素人。
事前に目にした情報と言えば、あらすじとキービジュアル、公式Xが投下する公開情報のみ。

そうキービジュアル
舞台が発表されてほどなく公開されたお二人のソレに心臓ぶち抜かれたおかげで、観劇を決めたと言ってもさほど過言ではない。まあそれが無くともきっとチケットは取っていただろうけども、即決する原動力になったのは確かだ。

といった塩梅のただのミーハード素人の自己満足ではあるが、思い出記録のため、当時の熱狂具合を思い出しつつ感想をつらつらと記していこうと思う。

感想:舞台全般

✤ストーリー

青春と恥。
この二つのキーワードがこの舞台の主軸となっている。若者にとって切っても切り離せないもの。人によって程度の差はあろうが、多くの元・若者達には、赤面と共に「若気の至り」を思い返す瞬間が何かしらあるのではないだろうか。

観劇前は、この舞台を観ることによって共感性羞恥に苛まれるのではないかという不安が少々あった。ホルモーよろしく大きな声で叫びながら自分が入る穴を掘りまくりたくなる衝動にかられるのではないか、という不安。
が、今回は幸いにも自分はそれを感じることはなかった。代わりに感じたのはほんの少しのノスタルジーと羨望と切なさ。

が、それは文字通りほんの少しだ。
心の大部分を占めたのは、ただひたすら「面白かった!」と言うこと。
エンターテイメントとして、群像劇として、掛け値なしに面白かった。あっという間の二時間だった。

個人的大好きポイントは、①テンポの良さ、②キャラ立ちと掛け合いの面白さ、③舞台演出と構成の凄さ

とにかくテンポ感がエグかった。全幕見せ場のような怒涛の展開。②も絡む感想だが、18人全員のキャラが立っていて全てのシーンで必ずひと盛り上がりはあったと思う。
2時間という上演時間は自分の観劇経験の中で最長だったが、一瞬たりともダルいと思った時間は無かった。

そしてキャラクターがどの人物も魅力的。劇が終わったときには18人全員もれなく好きになっていた。
単純明快なヒーロー・ただただ可愛いヒロインなんて一人もいない。主人公の安倍を筆頭にどのキャラもやり過ぎなほどに残念な部分が際立っていて。だからこそなのか、その人間味溢れる様がとても愛おしく感じた。
そしてそんな濃ゆいキャラ達が邂逅し発するパワーワード満載の掛け合いの数々がとんでもなくパワフルで面白かった。

セットや演出の面白さについては次の段でも記載するが、とにかくその極限までこだわった作りに感動した。
物語の構成も、原作2作品のハイブリッド、一人称視点から群像劇へのシフト、演出上の必然と偶然が生み出した効果、劇冒頭と最終シーンの繋がり、などなど仕掛けの数々を知るにつれ、結果として生み出されたクォリティの高さに鳥肌が立つくらい痺れた。

特に最初のシーンと最後のシーンがサイクリックになっていた所。
劇冒頭、登場人物の会話は観客にとって全く意味が分からないものだった。
しかしその顛末を全て見届けた後、再度冒頭のシーンに戻ってきた瞬間の驚きと感動は忘れられない。

「『ホルモー』という言葉をご存じか」

この安倍の台詞の捉え方も心情も、観る前と観た後では180度変わる。ただひたすら感動した。

その「ホルモー」。物語のキーとなる架空の謎競技。
敗者は「ホルモー!」の叫びと共に大切なものを奪われる罰をくらうのだが、それは若者が味わう恥と後悔、それによって気づく「何らかの価値」の具現化なのではないか。そんな気がした。

また劇中にも幾度となく登場するホルモーバトルのシーンもめちゃくちゃ凄かった。オニの大軍を率いてチームで敵を蹴散らす様が、見事に躍動感と高揚感に溢れていて観ていてとてもワクワクした。
演者の皆さんが放つホルモーポーズ及びオニ語の雄叫びも、戦隊物を彷彿とさせてとてもカッコいい。

最後にもう一つ。『吉田代替りの儀』通称『レナウン娘』がめちゃくちゃお気に入りだ。女人禁制のこの儀に対し、女性陣は歌って踊る構成にした上田先生には感謝してもし足りない。
一気にステージが華やかで賑やかになって、観ている側も沸きに沸いた。
女性キャスト&オニのキュートな振り付けに加えて、大江先輩のド迫力の歌唱力。曲のアレンジもすごくよくて、しばらく耳に残って離れなかった。

✤舞台セット

とにかく感動した。舞台経験の乏しい身のため他の舞台とは比べようもないけれど、昨今の演劇はあんなに凝ったギミックで溢れているのだろうか。

本舞台のキープレイスともなる『鴨川沿いの土手』を中心とし、上段・中段・下段と、縦に立体的な舞台構造になっていた。そしてストーリーに応じて、18人の登場人物がいたる所に配置され縦横無尽に駆け巡る。
それによって現在の状況と回想を同時に、同じ時間軸だが別の場所の出来事を並列に、同時間軸かつ同位置だが立場の異なる人物がある出来事を影から覗き見ている、などなど、多数の人物が立場や状況に応じて様々な立ち位置で巻き起こるシーンを、とても分かりやすく観せてくれていた。

様々な工夫を凝らした舞台装置によって限られたスペースを余すところなく使い、ストーリー展開に必要なロケーションを全て網羅し表現していることにとてつもなく感動した。

その中でもやはりお気に入りは土手。その造りには驚嘆させられた。
仕掛けもさることながら、あの上で演者が幾度も立ち回りを繰り広げる様もその身体能力に感心することしきりだった。自分なら絶対に転げ落ちてる。

と思っていたら、自分が観ていた回で中川さん演じる安倍が本当に転げ落ちていた。自分の席からはその瞬間はあまりよく見えなかったが、落ちた後、安倍が浦井さん演じる三好弟に支えられている姿が、図らずも舞台で育まれた演者さんたちの絆を垣間見ることができたようで嬉しかった。

感想:好きなキャラクター

✤松永勝晶

あえてのフルネーム。漢字はもちろん平井さんのご本名から。
これはもう、上田先生の完全なる当て書きと言って差し支えないのではないだろうか。それほどまでに松永と平井さんはシンクロしていた。

とにかく健気でひたすら一途。

あの面倒くさい芦屋の舎弟となり、とんでもなく気難しい楠木に根気よくアタックし実らずとも心を開かせる。上田先生をして「献身と努力ぶりはご本人ともども」と言わしめる、まさに平井さんのイメージを完璧に模したようなキャラクターだった。

松永といえば、連日大喝采を浴び代名詞ともなった『松永大歌舞伎』ももちろん大好きなのだが、個人的には、平井さんの繊細な表情と台詞の言い回しがすごく心に残った。

例えば新歓の際、自己紹介を楠木にガン無視された時の「オオッフ…」という感嘆ともため息ともつかない声。

例えば流星群の時、「理系~…」と呟いた際の泣き笑いみたいな顔。

例えば楠木をタンデムデートに誘った時。「僕のバイクの後ろに乗らないかい?!」の勢いと、それを言い切った安堵からかふと軽く息を吐く仕草。そして答えを待つ間の恐れと期待が入り混じったような表情。

好きな人に果敢にアタックするも見向きもされない。なんなら理不尽に強く当たられたりもする。
観方によっては不憫にも思えるが、その演技と表情はとてもコミカルで愛嬌があって全く悲壮感が漂わない。

コメディチックな表現で笑いを生みながらも、終始一貫その演技の中に楠木に対するひたむきな愛情を感じさせる。
そんな松永を気付いたら大層好きになっていたし、めちゃめちゃ応援したい気持ちに駆られた。

もう一つ、個人的にとてもグッと来た場面がある。

劇の冒頭かつ最後のシーン。土手で隣同士座り談笑する楠木と松永。
初めに観た時は、特別気にも留めなかった二人の位置。

新歓の時、楠木と松永の親密度はゼロだった。土手で端と端に座る両者の位置関係が、その心理的距離をも表わしているかのようだった。
が、その後の松永の不屈のアプローチによって、ラストシーンではとうとう楠木の隣をゲットするに至ったのだ。
それを最後の場面で感じた時、とても胸が熱くなった。

先に「この劇に単純明快なヒーローはいない」などと記したが、自分にとってこの舞台で一番光り輝いてたのは松永であり、一番カッコいいキャラだと思った。

余談だが、キービジュアルの松永は首にカメラを下げている。が、劇中ではそんな要素は一切出てこない。それはもちろん台本ができる前のあくまでイメージだったのだろうけれども、それにしてもなぜカメラ?という疑問を抱いていた。

勝手な妄想だが、新歓での出会いからずっと、松永はその視線の先に常に楠木を捉え続けているのではないだろうか。楠木が誰を想おうと、その姿を観測し続けその可憐な姿を密やかに心に収め続ける。カメラはそれを具現化したモチーフのように思えた。
そう考えると松永にぴったりのアイテムすぎて、そのビジュアルが増々好きになった。

✤三好兄弟(三好慶一・賢一)

魂の双子。惚れ惚れするほど素晴らしいユニゾンだった。掛け合いにおけるお二人の息の合い方も双子としての存在感も。
終わってみれば兄も弟も優劣付けがたく好きな自分がいた。枝分かれしてほしくない。それほどまでに双子としての完成度が完璧すぎたし、そんな双子にとても惹かれた。

後の枝分かれを予感させる微妙な性格の差異を、序盤からうっすら感じた。
ほんのちょっと柔和なお兄ちゃんとほんのちょっとキツめの弟、という絶妙なバランスがとても好きだ。どちらかと言うと兄はほんのり困り顔、弟はほんのり怒り顔。
もちろん個々の演者の個性によるものであろうが、それが当舞台における双子の個性としても自然に溶け込んでいるような気がした。

BBQで坂上に肩をぶっ叩かれ困り顔をする兄と、穢れを払うかのようにその肩をさすり坂上を睨みつける弟。
その後二人静に散々絡まれ静かに泣く兄と、その兄を包み込んでなだめる弟。

可愛らしい。そしていじらしい。
個体識別されない二人は、そうやって支え合いかばい合い日々を過ごしてきたのだろうか、などと想像してしまう。コメディチックな演技と共に、双子の絆の強さをも感じさせる描写だと思った。
二人静の真逆なテンションとのコントラストと懐かしのTT兄弟についつい笑ってしまいながらもキュンとした。

そんな双子が、ストーリーが進むにつれ徐々に枝分かれの兆しを見せる。
もちろん各々違う人格だ。枝分かれしていくのが必然だろう。
お互いが恋をしてこのままではダメだと奮起し、先を見据えてほんのちょっとづつ個性を出していく。発言の端々に各々の個性が見え隠れしてくる。それが楽しくもあり、しかし同時に寂しくもあった。

菅原会長は「どんどん個性出してけ」と煽っていたけれど、できるならば可能な限り1本のソテツであってほしいと望んでしまう自分がいた。
二人のユニゾンが素晴らしすぎて、永遠にその関係性でいてほしいと願ってしまった。
大好きだ、三好兄弟。

そして男ブラ浦井さんファンとしては、好きなシーンはそれこそ全部といってもいいくらいなのだけれど、そんな中、二つほど印象深い所があった。

一つは、三好弟が先輩方のホルモーバトルに遭遇した時の回想シーン。
回想の中の弟が現実の高村にツッコミを入れるという、マンガチックな展開がめっちゃ面白かったのだが。

高村が語りの中で弟を兄と言い間違えた時、最初は穏やかににこやかに訂正する。が、その後高村が「いや、どっちでもええやろ」と言い放った途端、「よくない!」と激昂する

もう一つは京大青竜会ブルース設立を画策する安倍達に合流するシーン。
兄弟揃って芦屋に対する不満をさんざんぶちまけ、双子だからといって穏やかな訳ではないと荒ぶる
が、その直後、実はまだ発議に必要な人数が揃っていないことを知り、三好弟が高村に、

「もしそうなら、僕ら高村を詰めるよ?」

静かに言い放つのだ。

静から動。動から静。穏やかな物腰から時折激しい感情が噴出する
この振り幅の大きさにいつもやられるし今回もやられた。めっちゃ大好きだ。
古臭い表現だが、やはり『ギャップ萌え』と言おう。

特に後者は、後の台詞がとんでもなく恐ろしすぎる。恐れ慄く高村にすごく共感した。

最後にまたもや余談。三好兄弟のフルネームは映画版からの引用らしいけれど、とても解釈一致というか素晴らしいネーミングだと思った。
元ネタは歴史上の人物のもじりだと知りつつ、ついつい舞台のお二人のキャラクターになぞらえてしまう。

兄弟なのに『一、二』ではない。順序付けずにどちらも『一』
そして『慶』と『賢』。寿ぎ慶ぶ兄と賢しい弟。二人それぞれの雰囲気にピッタリではなかろうか。

✤二人静(紀野定子・坂上彰子)

当舞台におけるソウルメイトとも言うべき二人。
とにかくガチャガチャしている。と同時にサバサバしている・・・と思いきや、やはり恋愛が絡むとそこは年頃の女の子。ウエッティな部分も出てこようと言うもの。

などと思いきや天下の往来で男そっちのけで熱い戦いを繰り広げたのには、あまりに予想外すぎて爆笑した。これぞ二人静。さすが二人静。

安倍の第十七条への誘いを「そんなのどうでもいい」と一蹴し、第十七条がいよいよ発令された時には「なにしてくれてんの!こっちは真剣にやってるんだよ!」と激昂する。
二人が持つ攻撃性が競技にマッチした結果であろうけども、青竜会で一番、純粋なホルモーへの情熱を感じ取れて、その真摯な姿勢が意外でもあり、とてもカッコよく映った。
火と火を合わせて炎>とは某小説の姉妹を評するセンテンスだが、この二人静を表す言葉としても最適解ではなかろうか。

舞台後半、余計な一言を口にした芦屋に向かって紀野が真っ正面からぶっ放したツッコミは、劇中随一の爽快さで大好きな台詞だ。その台詞のおかげで、それまでの芦屋のムカつく唯我独尊・傍若無人振りが自分の中で笑いへと昇華できた。あの台詞で芦屋のキャラは完成したと言ってもいいのではないだろうか。
本当によくぞ言ってくれた紀野。そしてその台詞を紀野に言わせてくれて、本当にありがとう上田先生。

✤山吹巴

アグレッシブでパワフル。そしてキュートな火の玉ガール。
女性陣で一番好きだ。

男の子達がとにかく残念なのに対して、終始一貫どストレート!揺らがない姿勢がハンパなくかっこよかった。
話が進むに連れ、松永とは別ベクトルで可愛くいじらしくなってきて、気が付けば全力で応援したくなっていた。そして芦屋をぶん殴りたくなった。
まあ芦屋については最後に溜飲が下がるが、それにしたって女心を軽々しく弄びすぎだろうが。天然なのが始末に負えない。

そんな芦屋なんぞとっとと見切りをつければいいものを、と思っていたけど、結果自らの意思で芦屋と関わり続けることを決め、ホルモーへと飛び込んでいくその意気がものすごくスカッとしたし面白かった。

そう、スカッとする。誰よりも潔くて清々しかった

クライマックスで乱入してきた時は血が滾ったよね。道着が似合ってホルモーの型も堂に入っていて、めっちゃ勇ましくかっこよかった。
その後のデコペチ&相良との罵り合いで一気に爆笑かっさらうのも凄かった。

一度消滅したものを再度復活させるのって一番難易度高いと思う。ゆくゆくは一大勢力に成り上がり、ホルモーで天下をとってほしい。打倒青竜会!

✤立花美伽

多分一番、この舞台で期待を裏切られたと思ったのは槙尾さん演じる美伽さんだった。とんでもなく良い意味で。
なぜこんなにも可愛いのだろう。龍谷大学フェニックス総代というイカツイ称号を冠し、ホルモーでは凛々しく、レナウン娘ではセクシーに、なべ丸との邂逅では健気で情熱的になる美伽さんはとても美しい女性だと思った。

槙尾さんという人は、なぜこんな風に自然に女性を演じられるのか。平井さん始め、コント師で女性役を演じる芸人さんは多々いるが、こんな大舞台でこれほど違和感なく魅力的な女性を演じられる人はそうそういないのではと感嘆した。
ホルモーのポージング、なべ丸に向かって叫ぶ姿と声音、レナウン娘のダンス、巴ちゃんへのデコパッチンなどなど、好きなシーンも数えきれない。

時に、ホルモーで奪われたと思ったものが実はギフトであるならば、彼女はその生涯最高級の贈り物を得たのではないだろうか。彼女のこれからの行く末は最高に幸せなものであってほしい。
まあ惚気は大概にした方が良いとは思うが。

✤べろべろばあ店長

なんともいなせな方だ。京都が舞台なのに、なぜか江戸っ子的な気風の良さを感じた。かと思いきや、茶目っ気満載で商売っ気を出してくるあたり、生粋の関西商人味も感じてこれまた大好きになった。

こちらの御方も、話が進むにつれ存在感マシマシになっていく超絶キーマン。ギターで語り部になるところとか、巴ちゃん勧誘とかでめっちゃ笑かしてきたのに、最後の最後でシリアス展開ぶっこんでくるし。とんでもなくゾクゾクした

巴との掛け合いも大好きなシーンの一つ。にこやかに説明しながら、貴重な人材を逃すまいとするハンターのような眼で巴を上手く誘導する手練手管が、それまでの年月に裏打ちされた老獪さを感じてとても好きなシーンだ。
その後、巴が対神撰組戦に乱入した時の慌てっぷりも、それまでとのギャップが生じて可愛らしくて笑ってしまった。

また、店長のミステリアスさを図らずも感じたのは、天の声よろしく舞台上段で語りを入れる演出。他のキャラクターとは違う謎めいた異質さとか立場の違いを匂わせているようで、すごく好きな演出だった。

感想:おまけトークショー

なんと幸運なことに、男ブラさんが出演するおまけトークショーの回をゲットすることができた。ゲストはチョコレートプラネットのお二人。そしてヨロ企からは頼れる先輩・清原役の石田剛太さんと浦井さんの半身である三好(兄)役・角田さん。
特に石田さんの仕切り巧者っぷりには舌を巻いた。そして、それと対を成すような角田さんの静かな佇まい。好きだ。

内容と言えば、めっちゃ興味深い話題満載だった。

・双子の双子っぷり
・松永と三好兄弟のフルネーム
・う大さんはほぼ台本通りなのにアドリブっぽい
・柿本先輩のギミック
・舞台セットの話
・松永について

などなど。

ゲストがチョコプラさんなだけあって、舞台上のギミックについて興味を示してくださり、それについてのお話を聞くことができたのはとても幸運だった。
土手周りに張り巡らされているのが、LEDディスプレイだったとは。プロジェクションマッピングとのハイブリットらしいけれど、見ている方には全く区別が付かなかった。

あと柿本先輩のアレ。真っ赤に光る様は見届けたけれど、煙を吹いていたことはトークショーで話を聞くまでわからなかった。(後日、配信でしっかりと確認できた)

そして、チョコプラのお二人が松永べた褒め。これがとにかく嬉しかった。『松永歌舞伎』という言葉を聞いたのも、この時が初めてだったように思う。
平井さんが、「(役柄上)僕だけ何も成してない」っておっしゃっていて、いやいや楠木と距離縮めたじゃん!目に見える成果だけが正解じゃないんだよ~、などと言いたくなったが(ダメ客)、そういう謙虚な姿勢が平井さんらしくもあり松永らしくもあってすごく和んだ。

おまけトークショー、この時限りなのがすごくもったいないと思うほど贅沢な時間だった。
他の回も気になるし、円盤に収録されたりすればいいのになあ。

後書き

18人の青春群像劇。時間にしてたったの2時間。その短い時間の中で巻き起こった台風のような熱気とエネルギーを浴び、目一杯笑って少し切なくなって。過去自分が味わってきた青春時代の恥と後悔と楽しかった気持ちをちょっとだけ思い出して。
鑑賞後は、まるで鴨川の土手で気持ちのいい風を浴びたようなさわやかな感情と、祭りが終わる一抹の寂しさを味わった。

男性ブランコのファンとしても、記憶に残る最高の舞台劇だった。この舞台を通じて新たなファンも大勢獲得したのではないだろうか。
芸人としても役者としても、お二人の名を存分に轟かせる契機となればいいなと思う。
これを機に、男ブラさんもかもめんたるさんのようにヨーロッパ企画さんの舞台の常連に・・・なんて願望は少々欲が張りすぎるだろうか。それでも、ふとした瞬間にそう願ってしまうだろう。
これから先、コントのみならず演劇の舞台の上で輝くお二人も観測し続けたい。そう思ったのだった。

終わり

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