【傑作】怪物【アカデミー賞】
はじめに
prime videoで500円払って『怪物』観ましたー。視聴の動機としては、第47回日本アカデミー賞(2024)を観たところ、今年はゴジラ-1.0がすべての部門で圧倒していました。
その中で、最優秀主演女優賞(怪物)・最優秀助演女優賞(ゴジラ-1.0)をダブル受賞した安藤サクラさん主演で、是枝裕和監督の映画、『怪物』を観ていないことに気づき、また内容的に凄く深そうな紹介がされていたので観たくなりました。
実際鑑賞してみると、様々な気づきや学びがある作品でしたので、今更ながら記録したいと思いました。
個人的な評価
ストーリー A
脚本 A-
構成・演出 S
俳優 S+
思想 A+
音楽 S-
バランス A
総合 S
S→人生に深く刻まれる満足
A→大変に感動した
B→よかった
C→個人的にイマイチ
冒頭のあらすじ(ネタバレなし)
内容的には、夫を亡くしクリーニング屋を切り盛りして生計を立てているシングルマザーの麦野沙織(安藤サクラさん)が、自宅二階から息子・湊と一緒にビル火災の消火活動を眺めていると、不意に湊から「豚の脳を移植した人間は人間?それとも豚?」と、問われます。その日以降、息子・湊の様子がおかしくなっていきます。
ある日沙織が仕事を終え自宅に戻ると、髪が家中に散乱しており、湊はシャワーを浴びていました。不審に思った沙織がバスルームのドアを開けて経緯を尋ねると、湊は「校則違反」とだけ答えました。
また別の日には湊のスニーカーが片方だけ無くなり、さらにその翌日には湊は学校に行きたくなさそうに自発的に起床しなくなり、水筒には泥が混入していました。
そして、ついに湊は学校から家に帰ってこなくなります。心配した沙織は焦って車で探しに出かけます。すると、廃トンネルの中に湊はいました。無事、息子を見つけられた沙織は一応ホッとします。
「心配させてごめんなさい…」と神妙な面持ちで謝罪を口にする湊。それに対し沙織は「私はお父さんと約束したんだよ。湊が結婚して家族を持つまではお母さん頑張るよって。いいの、どこにでもある普通の家族で。湊が家族っていう一番の宝物を…」と、話してる最中に湊は運転中の車のドアを開けて飛び降りてしまいます。
それを止めようとして運転が疎かになり、沙織はガードレールに突っ込んでしまいます。
半狂乱になりながら息子のもとへ駆け寄り、病院に連れて行きます。幸い大した外傷もなく、CTなどの精密検査でも異常は見当たりませんでした。
これまでの異常行動に息子の切迫したSOSを感じた沙織は、優しく、しかし真剣に「学校で何かあった?」と問い質します。
すると、重い口を開いた湊は堰を切ったように「湊の脳は豚の脳なんだよ!化け物なんだよ!」と、叫ぶのでした。同級生からのいじめ被害を感じた沙織は「誰に言われた!?」としつこく聞くと、湊は「…保利先生(永山瑛太さん)」と担任の名前を告げるのでした。
この事態を受け、沙織は息子を守るため学校に乗り込み、事実調査と再発防止を求めて学校側とバトルすることになります。
この映画は1周目は沙織視点、2周目は保利先生視点、3周目は湊視点で話が繰り返され、すべて観ると真相が分かるアドベンチャーゲームのような構造になっています。
感想
同じ話のはずなのに、それぞれの人物によって見えている世界がこんなに違うのか、と驚かされる映画です。
そして、自分が一番事情を分かっていると思っている人が一番分かっていなかったり、相手のことを大事に思ってるゆえに本当のことを言っていなかったり、あるいは気づけていなかったり、とにかく凄い作品でした。映画でアダルトゲーム『贖罪の教室』みたいな感覚を味わえて最高でした。
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