なかなか

主にアニメ、映画、競馬について書いていくことにしましたー。よろしくお願いしますー。

なかなか

主にアニメ、映画、競馬について書いていくことにしましたー。よろしくお願いしますー。

マガジン

  • 何度も読み返したくなる素晴らしい記事

最近の記事

  • 固定された記事

【大和魂】11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち【感動】

はじめに prime videoで『11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち』が見放題になっていたので久しぶりに鑑賞しました。10年以上前に視聴済みなのですが、圧倒的に感動しました。日本のことを本当に思って、自分の命すら躊躇いなく犠牲にする方々がかつてこの国に本当に存在したんだな…と、度肝を抜かれる作品です。  私が三島由紀夫を知ったのは高校生のときで、人づてに「右翼」「ホモ」「切腹」という属性情報を知らされ、当初はあまりいい印象を持っていませんでした。  しかし、自分

    • 鏡の向こうの真実

      「またそのシミが増えたんじゃないの?」  鏡の前で化粧をしていた私に、隣で立っていた美奈子がそう言った。化粧水をつけたばかりの肌に、その言葉がじわじわと染み込んでいく。彼女の視線が私の顔を上から下へと滑っていくのが、鏡越しにも感じられた。 「気にしてるんだろうけど、隠し切れてないよね、そのシミ。年齢が出ちゃうんだよ、そういうところでさ」  美奈子は無邪気な顔で、いや、もしかしたら本当に悪気がないのかもしれないけど、そう言って笑った。私が感じるこの刺すような感情は、単なる

      • 終わりの始まり

         山田一郎は、何もかも失ったと感じていた。長年勤めていた会社を突然解雇され、再就職のあてもない。彼女も、そんな彼に愛想を尽かして去っていった。友人たちも疎遠になり、残されたのは小さなアパートの一室と、鬱々とした日々だった。  朝起きてもやることはなく、ただベッドの上で天井を見つめる毎日。夜になっても眠れず、寝るにしても空っぽの胃袋が気になり、何度も起きては冷蔵庫を覗く。しかしそこには、空っぽの冷蔵庫と同じように、未来の希望も空っぽだった。  そんなある夜、一郎はいつものよ

        • ソープマンの孤独

           風俗好きの男性は、近所の子供たちから「ソープマン」と呼ばれていた。そのあだ名が彼の耳に入るたび、最初は少しムッとしたものの、今ではただの冗談として受け流すことができるようになった。だが、その冗談がどれほど彼の内面に影響を与えているかを、誰も知らなかった。  彼は平凡なサラリーマンで、仕事のストレスや孤独感を埋めるために、頻繁に風俗に通っていた。風俗店では、彼は誰よりも丁寧で礼儀正しく、女性たちには「優しいお客様」として知られていた。  しかし、家に帰ると、その虚しさが静か

        • 固定された記事

        【大和魂】11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち【感動】

        マガジン

        • 何度も読み返したくなる素晴らしい記事
          9本

        記事

          虚栄の破綻

           金も女もすべてが手中にある。そう信じて疑わなかった。誰もが羨む生活を送り、欲望の赴くままに生きる男、岬貴之。成功は彼のためにあるようなものであり、金を積み上げることに何の障害もないかのように思えた。だが、野心は常に飽くなきもの。手堅い投資から一歩を踏み出し、彼は信用取引に手を出した。利益が倍になれば、自分の生活もさらに華やかになると信じたのだ。  最初は順調だった。いや、華々しい成功が続き、さらなる高みへと昇っているように見えた。しかし、相場が一変するのは一瞬のことだった

          虚栄の破綻

          超絶傑作『ロストケア』観ましたー。(ネタバレあり)

          はじめに primevideoで松山ケンイチさん、長澤まさみさん主演の『ロストケア』観ましたー。少し前までLemino独占配信だった気がするのですが、primevideoでも観ることができるようになっていたので、早速視聴しました。  観る前は2016年7月26日に発生した『相模原障害者施設殺傷事件』に影響を受けて制作された作品なのだろうな、という予感をしておりましたが、予想を遙かに上回る深い作品でしたので記録したいと思いました。 個人的な評価ストーリー  S 脚本    

          超絶傑作『ロストケア』観ましたー。(ネタバレあり)

          孤独死丸

           老人ホームで暮らす須藤勇は、かつて「孤独死丸」とあだ名をつけられた男だ。彼は長年、家族や友人との縁を切り、孤独に生きてきた。そのため、周囲から「どうせ一人で死ぬんだろう」と冷やかされることもあったが、勇はそんな言葉には動じなかった。  勇が老人ホームに入居したのは、体力の衰えと共に、以前のような独立した生活が難しくなったからだった。彼は他人と関わることを極力避け、無言で日々を過ごしていた。介護士や他の入居者たちも、勇に話しかけることはほとんどなく、彼は文字通り「孤独死丸」

          2024年札幌記念~競馬39~【期待度A】

           2024年の札幌記念は、豪華な出走馬たちが揃い注目度の高いレースとなっていますが、その中でも筆者が最も期待しているのがプログノーシスです。以下、その勝利を予想する理由について解説します。 1. 適性の高い舞台  札幌記念は、芝2000mの競走であり、力強い末脚とスピードが求められるレースです。プログノーシスはこれまでのレースで、スタミナと瞬発力を兼ね備えた馬として評価されており、札幌のタフな馬場でも対応できる適性があります。また、札幌競馬場は直線が比較的短く、コーナーか

          2024年札幌記念~競馬39~【期待度A】

          王となった男子高校生

           夏休みが終わり、秋の風が校庭を吹き抜ける中、桜井翔太はひとり教室の隅に座っていた。周囲の視線が重くのしかかる中、彼は静かに目を閉じた。  翔太は普通の男子高校生だった。成績は中の上、部活動はサッカー部、特に目立つ存在ではなかった。それが変わったのは夏休み明けのことだった。 「あの…翔太くん、ちょっと話があるんだけど…」  昼休み、クラスメートの佐藤美香が声をかけてきた。彼女の顔には緊張と不安が浮かんでいた。翔太は何事かと訝しみながらも、彼女について行った。  美香が

          王となった男子高校生

          フェミニストしかいない街

           フェミニストしかいない街、その場所は「文句島」と呼ばれる孤島だった。人口は少なく、外界から隔離されたこの島には、長い年月を経てある種の共同体が築かれていた。この島に住む女たちは皆、かつて「文句を言う」ことで自分たちの不満を表し続けてきた者たちばかりだった。彼女たちは政治、経済、社会的な不平等に対して反発し、自ら行動を起こす代わりに、口を使って不満を吐き出すことで己を正当化していた。やがて彼女たちは一つの場所に集まり、文句を言い合いながらも誰も実際には行動しない、奇妙な共同体

          フェミニストしかいない街

          あるオヤジの晩年

           彼の名前は田中一郎。年齢は55歳。背が低くて、腹が突き出ている。薄くなった髪を気にしているのか、常に帽子をかぶっている。近所では「気持ち悪いオヤジ」として知られていた。  田中一郎は、毎朝6時に起きて家の前を掃除する。それは良いことなのだが、彼の掃除はただの掃除ではない。彼はじっくりと時間をかけて、通りを行き交う女性たちを観察するのだ。特に若い女性が通ると、彼の目は鋭く光る。何かを探すかのように、じっと見つめるのだ。  一度、大学生の佐藤美咲が早朝ランニングをしていると

          あるオヤジの晩年

          夜の美しい訪問者

           あの日、Amazonで注文した2Lのペットボトルのお茶が入ったダンボール数箱が、予定の配達日になっても届かなかった。私は少し苛立ちながらも、再配達の依頼を出したが、それでも届かない。仕事で疲れ切った身体を引きずりながら、いつになったら来るのかと時計を見る。  時計の針が夜の10時を指していた頃、インターホンが鳴った。不意に訪れた音に驚き、モニターを見ると、そこには汗だくの外国人女性が立っていた。金髪の彼女は息を切らし、肩で大きく呼吸をしている。  ドアを開けると、彼女は

          夜の美しい訪問者

          強烈!報復野郎参上!

          「ちょっと、やめろって…!」  クラスの誰かが叫ぶ声が聞こえたけど、誰も動かない。ただ僕もその場に立ち尽くして、二人の殴り合いを見守っていた。 「やめろって言ってんだろ!」  また別の声が上がる。でも、体育会系のあいつらは全然耳を貸さない。拳と拳がぶつかり合う音が響く。重いパンチが顔面に入り、思わず目をそらした。 「これ、ヤバいな…止めようか…?」  隣にいた友達が小声で僕に話しかける。 「いや、でも、あいつらの間に入ったら巻き添え食うかもしれないし…」  僕は曖昧な返

          強烈!報復野郎参上!

          他人頼みの逆シャア

           ある日、健太は友人の大輔から仕事の手伝いを頼まれる。大輔は口が達者で、何でも自分でやると言いながらも、実際は他人に頼ることが多いタイプだった。健太は大輔の頼みを無償で引き受けることにしたが、予想外の展開が待っていた。  大輔は頻繁に進捗を確認し、健太が作業を進めるたびに細かい指示を出し始めた。最初は「ありがとう」と言われたが、次第に「そこはもう少しこうした方がいいんじゃない?」や「もっと急いでやってくれない?」といった言葉が増えていった。  健太は、友人のために尽くす気

          他人頼みの逆シャア

          オナ太郎の夏

           太一は、静かな田舎町でひっそりと生活を送っていた。彼は内向的で、友達も少なく、学校では目立たない存在だった。特に勉強やスポーツが得意でもなく、ただ日々をやり過ごすように生きていた。太一には一つだけ人には言えない趣味があった。それは、放課後の帰り道、田んぼ道を歩きながら、自分の頭の中で空想の世界を作り出すことだった。  その空想の中で、太一は勇敢なヒーローになり、クラスで一番人気のある千夏に認められる存在になっていた。  しかし、現実では彼はクラスメートから「オナ太郎」と呼

          オナ太郎の夏

          人生オワタ

           陽が沈む頃、アスファルトの道を一人の男が歩いていた。彼の名前は神谷亮、40歳。人生の浮き沈みに疲れ果て、何もかもがうまくいかないと感じる日々を過ごしていた。  神谷は大学を卒業してから、大手企業に就職した。最初の数年は順調だったが、会社のリストラが始まり、昇進の機会もなくなった。同僚たちは次々と辞めていき、自分だけが取り残されたように感じた。  家庭も同じだった。結婚して15年、妻とはすれ違いの日々が続いた。子どももなく、家庭内は冷え切っていた。ある日、妻から突然「離婚