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乳がん日記

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乳がんの話をまとめています。
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2023年9月の記事一覧

Going Flat 〜乳房再建しないことをポジティブに選択〜

私の手術前の心境 乳がんで胸を全摘することになった人が一度は通る道。 それが、乳房を再建するかどうかの選択だ。 アメリカでは再建ありきで治療が進められると聞くし、ここ日本でも約半数の人が再建をするそうだ。 以下の記事でも書いたように、私は同時再建をしないという選択をした。 一番の理由は、手術日が1ヶ月以上も先になってしまうからだ。 あとから再建する方法もあるので、おいおい考えればいいと思った。 ちなみに夫は再建に反対だった。 追加の手術で身体に負担をかけてほしくない

割と若くして乳がんになった話⑥ 〜入院と手術〜

セカンドオピニオンの結果を受け、納得感満点で手術の日を迎えることとなった。 自分にはこの方法がベストなんだと心から納得して治療に臨むことは本当に重要なので、セカンドオピニオンを受けるかどうか迷ってる方はぜひとも受けるようお勧めしたい。 例えば胸を全摘してから「ほかの病院だったら温存できたんじゃないか?」と思ったり、薬の副作用に苦しみながら「別の治療方法もあったんじゃないか?」などと思ったりすることは精神衛生上、非常に良くない。 あと、主治医にセカンドオピニオンを受けたいと相

割と若くして乳がんになった話⑤ 〜CTとMRIとセカンドオピニオン〜

CTもMRIも「造影剤」というものを点滴で投与しておこなう。 これによって体内の様子がより鮮明に写るとのことだ。 CTでは身体のほかの部位にがん転移がないか、何かしら異常がないかを調べる(のかな?)。 造影剤を身体に入れると温かいものが一気に全身の血管に行き渡り、なんともいえない感覚になる。 特にお尻のあたりにジュワーッと温かい感覚があるため、「おもらしをしてしまった」と思う人もいるそうだ。 撮影自体はすんなり終わったのだが、アレルギー体質の私は造影剤の副作用でちょっとし

割と若くして乳がんになった話④ 〜針生検の結果〜

針生検から2週間。 ついに結果を聞く日が来た。 もしかしたら良性かもしれないという期待がどうしても拭えないが、悪性だった場合、果たして自分は正気でいられるだろうか。 ステージが思ったよりも進んでいた場合、あと何年生きられるのだろうか。 右胸は全摘だろうか。 抗がん剤はやるのだろうか。 それらの現実に自分は向き合えるだろうか。 不安な気持ちで診察室に入ると、S先生の表情に陰りを感じたため、これから何を言われるのか察した。 予想通り、乳がんだと告げられた。 そしてホルモン受

割と若くして乳がんになった話③ 〜生活習慣の改善〜

かくして私の生活習慣改善プロジェクトは始まった。 まずは3年前にもやっていた「あすけん」の再開。 「あすけん」とはスマホのアプリで、その日食べたものを入力すると摂取カロリーだけでなく栄養素がグラフになって表示される。 運動の内容も入力すれば消費カロリーが表示されるのだが、スマホでカウントされた歩数も連動するので非常に便利。 その日の点数とアドバイスが表示され、ゲーム感覚で健康管理をすることができるお勧めアイテムだ。 ①食生活の改善 これは完全に伸びしろしかない部分なので、

割と若くして乳がんになった話② 〜針生検と乳がんの原因〜

針生検とは、腫瘍に太い針を刺して組織の一部を採取し、病理検査で腫瘍の詳細を調べることだ。 まずは悪性なのか、良性なのか。 そして悪性の場合、乳がんでいえばサブタイプといってどのような性質のがんなのか、それから悪性度や細胞の増殖力などを調べることができる。 私は初診の翌日に針生検を受けた。 なかなか太い針を患部に刺すため、局所麻酔をする。 もともと注射が苦手で、数年前に点滴をした際には過呼吸を起こしてしまったような私は、生検の針どころか麻酔の注射にも怯えていた。 S先生と看護

割と若くして乳がんになった話① 〜しこり発見まで〜

馬車馬のように働き続けてきた。 忙しすぎて、寝る時間も食べる時間もない日々。 だけど仕事にやりがいを感じてさえいれば、そんなことはどうってことないものだ。 いくつになってもチャレンジし続けたい。 いくつになっても成長し続けたい。 年齢や性別は言い訳にせず、常に全力で結果を出していきたい。 そんな考えを持っていた私は、新しいことに次々と挑んでいってキャリアを開拓し、毎年人生のピークを更新していった。 しかし転機は突然訪れた。 それまでずっと耐えてきた上司のパワハラに耐えら