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割と若くして乳がんになった話③ 〜生活習慣の改善〜

かくして私の生活習慣改善プロジェクトは始まった。

まずは3年前にもやっていた「あすけん」の再開。
「あすけん」とはスマホのアプリで、その日食べたものを入力すると摂取カロリーだけでなく栄養素がグラフになって表示される。
運動の内容も入力すれば消費カロリーが表示されるのだが、スマホでカウントされた歩数も連動するので非常に便利。
その日の点数とアドバイスが表示され、ゲーム感覚で健康管理をすることができるお勧めアイテムだ。


①食生活の改善

これは完全に伸びしろしかない部分なので、やり甲斐があることこの上ない。
なにせそれまでは脂肪にまみれた食生活だった。
忙しくてろくに食べてないくせに、たまに食べるとなると牛肉、エグチ&マックフライポテト、デリバリーピザ、シュークリーム、ドーナツ、チーズケーキ、生クリームたっぷりのケーキ、バターをたっぷり塗ってチーズを大量に乗せたパン、クロテッドクリームを大量に乗っけたスコーン、たっぷりのカマンベールチーズとサラミを挟んだパンといったところ。

うつ状態で料理なんて全くできない状態だったのが嘘かのように、俄然やる気が出てきた。
減塩しょう油、有機オリーブオイル、アマニ油、だし昆布などを買い集める。

これは医師の間でも意見が分かれるところだが、乳製品の摂取が乳がんのリスクを上げるという説もある。
逆に乳製品の摂取でがんのリスクを下げるという研究データもあるため、こればっかりは何とも言えない。
ただ、自分に限ってはそれまで異常なほど乳製品を過剰摂取していたと言えるので、控えるに越したことはない。
ヨーグルトを1日あたり100g食べる程度に抑え、それ以外の乳製品はひとまず完全に断つことに。

続いて魚介や野菜中心の食事へ。
それまで圧倒的に洋食派で、和食なんて一生食べなくてもいいくらいに思っていたが、玄米、味噌汁、野菜、焼き魚といった完全和食の献立に変更。
焼き魚ばかりだと飽きるので、イカを炒めてみたり、ムニエルにしてみたり、多少の工夫はしてみる。
ちなみに焼き魚は自分で焼くのは面倒なので、スーパーのお惣菜を買っている。

これまた諸説あるとは思うが、ブロッコリーやキャベツといったアブラナ科の野菜に抗癌作用があるとのことで、ブロッコリー、ブロッコリースプラウト、キャベツあたりは毎日摂取。
ブロッコリーとキャベツは電子レンジで温野菜に。
ブロッコリースプラウトはそのまま。
さつまいももレンジで蒸し、一食あたり25〜50g程度を食す。
生野菜は身体を冷やすので控える。

玄米にしている理由は、もともと白米より玄米のほうが好きだから。
それに玄米のほうが栄養価も高いし。
最近ではネットで買ったハトムギを混ぜて炊いている。
玄米は消化が悪いそうなので、めちゃくちゃよく噛むようにしている。

味噌汁に関しては、味噌汁を1日3杯以上飲む人は乳がんリスクが低いというきちんとしたデータがあるため積極的に食べるようになった。
出汁は添加物の入っているものを使いたくないため、昆布と煮干しで取ることが多い。たまにかつお節の出汁パックを使う。
味噌は減塩味噌または有機味噌。
野菜はその日冷蔵庫にあるものを3〜4種類、たっぷり入れる。
豆腐、小松菜、大根、ごぼう、キャベツ、ネギ、玉ねぎ、もやし、にんじん、里芋、しいたけ、ぶなしめじ、ワカメなど様々だ。

こんな感じで、玄米、味噌汁、緑黄色野菜、魚介もしくは豆腐メインの一品、イモ類、きのこ類、海藻類を毎日摂取している。

②睡眠の改善
これに関しては、適応障害の治療で睡眠薬が処方されていたので比較的楽だった。
寝る前に薬を飲んでおけばぐっすり眠れる。
それまでろくに寝ない生活を長く続けてきたので、これだけで頭も身体もスッキリだ。
ただし睡眠薬に頼らずとも眠れるようになりたいと気持ちばかり焦り、飲まずにベッドに入って結局朝まで眠れないということも何度かやらかした。
それでも少しずつ減薬して最終的にはやめることができた。
決め手になったのは入院生活だ。
無理やり22時に消灯され、やることもないから寝るしかなく、翌朝も5:30にドレーンの排液を捨てるために起こされていたので、自然と夜に寝て朝起きる生活に身体が慣れたのだ。

③運動習慣の改善
私がこの世で一番嫌いなこと。
それが運動だ。
学生時代も体育の時間が恐ろしくて仕方なかった。
走ればすぐに息が切れてビリ。
球技もてんでダメ。
右とか左とかがそもそも分からないので、簡単な体操もダンスもろくすっぽできない。

在宅で仕事をしていても、とにかく動きたくない。
トイレに行きたくても我慢してしまうほどだから重症だ。
どうやったら身体を極力動かさずに済むか、デスク周りを充実させながらいろいろ工夫をしていた。

しかしがん克服ともなれば、背に腹は変えられない。
ヨガマットを新調し、1日10分だけでもとストレッチを始めた。
そして決して大きな数字ではないが、1日5000歩を目標に散歩をすることにした。
天気が悪い日は家の中で20〜30分踏み台昇降をする。
幸い退職していたので、運動する時間も寝る時間も料理をする時間も確保できるのが良かった。
ただし基本的に運動はやはり嫌いなので、気分が乗らない時は無理せずサボる。

「あすけん」にはその日歩いた歩数が自動で表示されるが、そこに手動で「料理」「掃除」「ストレッチ」「入浴」などを追加入力する。
1日で消費しなければいけない最低限のカロリーさえクリアできれば良しとした。
目標を大幅に超えて消費できた日は、自分のことを誇らしく感じる。
クリアできない日がたまにあってもご愛嬌。

④ストレスの軽減
これは仕事を辞めていたので簡単だった。
パワハラのストレス。
寝る時間がないストレス。
食べる時間がないストレス。
自分の時間が一切ないストレス。
これらから解放されていたため、何の努力をしなくても自動的にストレスフリーになっていた。

そしてこれはまた別の機会に記そうと思うが、実は自分でしこりを発見したのとちょうど同じ頃、実家の母が自殺未遂をした。
原因は父による長年のモラハラで、もう母を実家に戻すことはできないため受け入れ先の施設を探すことに。
入院中の母の見舞いに行ったり、施設を探したり、父との間の板挟みに遭ったりといった大きなストレスが掛かったのだが、パワハラに比べたらどうってことはなかった。
むしろ仕事を辞めて急にぽっかりと暇な時間ができてしまった状況の中、やらなければいけない用事ができて病気のことを考えずに済んだ面すらある。

以上、4つの項目を徹底的に改善した。

これ以外にも気をつけたのが、身体を冷やさないこと。
がんは低体温を好むらしい。
私はもともと35度台という低体温だったのだが、生活習慣を改善してから平熱が36.5〜36.8度になった。
キンキンに冷やした水やアイスコーヒーを年がら年中グビグビ飲んでいた習慣をやめ、温かい白湯やお茶に変えたのも良かったのだろう。
また、毎日湯船に浸かったり、腹巻きを24時間するようにしたことも効果的だったのかもしれない。

あと、がんは酸素を嫌がるらしい。
だから定期的に深呼吸をして酸素を取り込むようにした。

そしてビタミンDもがん予防に効果があるという説があるようだ。
それまでは日傘と日焼け止め必須で徹底的に紫外線を避けていたが、朝起きたらベランダに出て紫外線を浴びるようにした(紫外線を浴びると体内でビタミンDが生成される)。

こんなふうに生活習慣を改善してみたら、毎朝ビックリするくらいの快便が続いた。
しかもメンタルまですっかりと健やかになってしまい、「これもう心療内科に行かなくてもいいのでは?」と思ってしまったほどだ。
それまでは「もう生きていたくない」「自分なんてこの世に存在する価値はない」なんて思いながらさめざめと泣いていたのが、「生きたい!」という思いに変わり、ポジティブなエネルギーが溢れてきた。

ただし抗うつ剤は勝手にやめるわけにいかないので、引き続き心療内科に通い続けることとなる。
医師は3ヶ月以上は飲んだほうがいいと言うので、あと1ヶ月くらいしたら減薬しましょうと言ってくれた。

心と身体はつながっている。
心が不調になると、身体も不調になる。
身体が不調になると、心も不調になる。
健康的な生活をすると、心も身体も健やかになる。

身をもって実感した。

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