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乳がん日記

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乳がんの話をまとめています。
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記事一覧

乳がん初受診からちょうど1年

ちょうど1年前の今日、私は初めて乳腺外科を受診した。 その2週間ほど前に見つけた胸のしこりがずっと気になって仕方なくて、ようやく意を決して受診したのであった。 その半年前の乳がん検診で5ミリの嚢胞が指摘されていたので、きっとそれだろうと思った。 でも万が一ってこともあるから、とっととハッキリさせようと思った。 触った感じ、5ミリどころか軽く2センチはあるので嫌な予感がしなくもなかった。 病院に向かう途中、もし本当に乳がんだったら自分はこんな若くして死んでしまうのか……とい

ウィッグを外して良かった!

私は今年の2月に抗がん剤治療を終えた。 今の髪の長さはトップ画像と同じか、ちょっと短いくらい。 ベリーショートとまではいかないが、それに近いくらいにまでは伸びたかな(スーパーベリーショートと言うらしい)。 一般的には初めての抗がん剤投与から2〜3週間で脱毛が始まるそうだが、私の場合は10日で抜け始めた。 そこからさらに10日もすると半分以下にまで毛量が減り、最初の投与から1ヶ月経った頃には1割程度しか残ってなかった。 そんな感じで人より脱毛が早かったので、生えてくるのも早

乳がん罹患から27年経った方と話した

前回の記事「母がもうすぐ亡くなるかもしれない」を書いてから、1ヶ月が開いてしまった。 母は奇跡的に今もまだ生きているが、前回の記事を書いた翌日、6月1日に交わした言葉が最後になってしまった。 意識はほとんどなく、いつ面会に行っても深く眠っている。 看護師さんの話によると、たまに目を開けることはあるらしく、話しかけると頷く程度の反応はできるらしい。 1ヶ月以上も口から物を食べていないので、すっかり骨と皮だけのガイコツのように痩せ細ってしまった。 その姿を見ているだけでも痛々

ホルモン療法のホットフラッシュ対策

先日、病院で主治医に聞いてみた。 「ホルモン療法の副作用のこのホットフラッシュ、もしかしてずっと続くんですか?」と。 1日に何度もブワッと暑くなって、かと思ったら急におさまるし、上着を脱いだり着たりと忙しい。 以前ネットで調べたところ、ホットフラッシュは数ヶ月で落ち着くという記述を見かけたので甘く見ていた。 しかし他の方々の体験談を読んでいくに連れ、ずっと続くような気が薄々してきたのだ。 主治医の答えはやはりYESだった。 「10年飲むとしたら、10年ずっと?」 「

この件めっちゃ引っ張るけど、TS-1をやめることが確定した

↑これらの記事でTS-1(飲む抗がん剤)をやめた宣言はしていたが、本日病院に行き、主治医と話し合って正式にやめることが決定した。 診察室に入って主治医に「こんにちは」と挨拶をするや否や、私は「やっぱり飲めませんでした」と伝えた。 すると主治医はしょっぱそうな顔をして「あーやっぱりそうですかー」と言った。 泣きながらTS-1を飲んでいたことを伝えたら、めっちゃ同情された。 そして色素沈着がつらいことを伝えると、「そうですよねぇ。ごめんなさい」となぜか謝られた。 そして背後に

TS-1をやめてQOLが爆上がり

↑こちらに書いた通り、私はわずか2クール目にしてTS-1(飲む抗がん剤)に音を上げギブアップした。 全くやらないでいたより、やってみてダメだったからスッキリした。 全くやらないでいたら、いつまでも「やっぱりやったほうが良かったかも」とウジウジしてしまった可能性がある。 2クール目の途中までしかやらなかったとは言え、やらなかったよりはやった分だけの効果はあるかもしれないし。 ないかもしれないけど、あったと思うことにしよう。 TS-1を飲むのをやめてから3日後、それまでずっ

TS-1(飲む抗がん剤)をやめる件

↑この2つの記事を見ても最初からずっとTS-1に後ろ向きだったことが分かるが、わずか2クール目にしてTS-1をやめることにした。 1年どころか1ヶ月でギブアップである。 理由はシンプルに副作用がつらいから。 一般的には点滴の抗がん剤より軽いと言われているが、私にとってはよっぽどつらかった。 とにかくずっと、うっすら気持ち悪い。 強い吐き気ではないが、軽い車酔いぐらいの感じがずっと続く。 それに伴って食欲が激減。 なぜか健康的な食事ほど受け付けず、不健康なファストフード系や

乳がんの検査〜入院・手術の治療費

前回、抗がん剤の治療をまとめてみた。 今回は乳がんの検査から入院と手術に関わる治療費をまとめてみた。 ちなみに私の自己負担額は3割である。 また、その人それぞれ加入している健康保険組合に応じた高額療養費や付加金といった制度があるはずなので、それを踏まえた上でご参考にしていただきたい。 ①手術前の検査:43,930円 <内訳> 自分でしこりを見つけて病院へ。触診と超音波検査 1,960円 マンモグラフィと針生検 7,800円 針生検の結果報告、手術の説明、心電図や血液

抗がん剤の治療費をまとめてみた

先日、コメントにて抗がん剤の治療費についてのご質問をいただいた。 確かに私も抗がん剤治療を始める際、実際にどのくらい掛かるものなのか調べてみたのだが、具体的な金額の情報は得られなかった。 使用する薬剤の種類も量も人によって違うし、自己負担額も違うと思うので一概には言えないのだろう。 だからこれはあくまで「私の」「乳がんの」「術後補助化学療法」に掛かった金額ということになるが、ザックリと掛かった費用を記すので、少しでも参考になれば幸いである。 ちなみに私の自己負担額は3割であ

乳がん再発予防のため、運動教室に通い始めた

私がこの世で何よりも忌み嫌っているもの、それは運動である。 小中高の12年間、時間割に体育がある日は前日から怯えていた。 人一倍体力がなく、ちょっと走るだけですぐに息が切れてバテるし、ボールは怖くて逃げることしかできないし、とにかく運動神経が悪すぎて何をやってもビリ。 大人になってからも運動嫌いは変わらず、健康やダイエットのために簡単な宅トレを始めてもまともに続かない。 ヨガマットとか、筋膜ローラーとか、そういったものを買ってはタンスの肥やしになる。 踏み台昇降の台は、今

TS-1の1クール目を終えて

前回書いた通り、私は2週間前からTS-1(飲む抗がん剤)とタモキシフェン(ホルモン薬)の2つの薬をスタートした。 タモキシフェンは毎日飲み続けるのだが、TS-1は2週間飲んで1週間休むというのを1クールとする。 今日でTS-1を2週間飲み終えたので、明日からはお待ちかねの休薬期間だ。 そういうわけで厳密に言うとまだ1クール目の途中なのだが、薬は飲み終えたので自分の中では「1クール目が終わった!」という気分である。 さて、心配していた吐き気、下痢、色素沈着という3つの副作用

TS-1(飲む抗がん剤)を始める件

TS-1(ティーエスワン)という名前の薬を聞いたことがあるだろうか。 点滴ではなく飲むタイプの抗がん剤で、いろんながん種に使えるらしく、がん界隈では有名な薬のようだ。 乳がんの場合は長らく再発時にのみ使われていたが、1年ほど前から初発であっても条件を満たせば術後補助療法として処方できるようになったらしい。 私のがんはグレード3でKi-67も60%と高値のために適応となった。 ということで、点滴抗がん剤の全クールを終えてホッとしたのも束の間、そこから1ヶ月も経たないうちにT

抗がん剤全8クールを終えて 〜乳がん術後補助化学療法〜

全8クールの抗がん剤(術後補助化学療法)。 なんだかんだであっという間だった。 始まる前は先が長く感じていたのに、こんなにあっという間だなんて。 同時に、人生の時間もこんなにあっという間に過ぎるのだなと思った。 1日1日を大切に生きなければと改めて思う。 私は去年の夏、乳がんと診断された。 9月に右胸を全摘したのち、11月から抗がん剤治療がスタート。 EC療法(エピルビシン&シクロホスファミド)を2週間おきに4クール、パクリタキセルを2週間おきに4クール、全部で8クールやっ

さすがの私にもネガティブの波がやってきた

私はかねてより、明るく前向きに乳がん治療に取り組んできている。 右乳房の全摘手術を受けた日以来、一度も涙を流すことがないまま約半年が過ぎた。 泣いてないどころか、毎日笑顔が絶えない日々を過ごしてきたほどだ。 無理にそうしてきたわけではない。 自然と開き直ってしまい、病気になった自分をスッと受け入れられた。 乳がん発覚の直前に仕事を辞めていたため、仕事のストレスから解放されていたのも良かったのかもしれない。 とにかく妙にストレスフリーで、抗がん剤治療にもめちゃくちゃ意欲的に取