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$漢方がみちびく心と体のレジリエンス(回復力) (阪大リーブル74) Tankobon Softcover by 萩原圭祐 (著), 平まゆみ (イラスト)

$漢方がみちびく心と体のレジリエンス(回復力) (阪大リーブル74) Tankobon Softcover 
by 萩原圭祐 (著), 平まゆみ (イラスト)


$解説
漢方は本当に効くの? といった疑問に答える、従来の漢方解説書とは一線を画す、新鮮な内容。「なぜ効くのか」が分かる注目の一冊。漢方を知らない人にも役立つ、著者の豊富な臨床経験を踏まえたエピソードが満載。漢方とは、レジリエンス(回復力)とはなにか、分かりやすく解説。漢方の劇的な臨床効果の本質が、心と体のレジリエンスをみちびくことだと実感することができます。難病を抱えて選手生活を送った、元卓球女子日本代表・若宮三紗子さんのエピソードも心を震わせるものがあります。各章の間に記された漢方コラムも漢方の本質を伝える内容です。医療現場で、医師、患者、家族が改めて大切にすべきことが記されています。

【目次】

はじめに

序章 レジリエンスの世界への招待

第1章 効く理由が分かりはじめた漢方
1 漢方は分かりにくい?
2 そもそも漢方とは?
3 漢方にも即効性はある
4 漢方の驚きの効果
5 漢方がなぜ効いたのかを検証するには?
6 関節リウマチや膠原病の患者さんは消化器症状のQOLが低下している
7 六君子湯と半夏瀉心湯の共通生薬である人参湯
8 漢方は生体を一つのシステムとしてとらえている
9 現代薬と漢方薬の違い
10 複雑系の考え方からみた漢方
11 漢方における気とは?
12 漢方はレジリエンス(回復力)を利用する

漢方なるほどコラム1 薬局と病院の漢方薬は何が違うの?
漢方なるほどコラム2 漢方エキス剤は、いつ、どうやって飲むの?
漢方なるほどコラム3 葛根湯の「葛根」って何?

第2章 心と体のレジリエンスのしくみ
1 レジリエンスとは?
2 レジリエンスの発見
3 レジリエンスを意識することになったある患者さんとの出会い
4 現代医学での「心」と「体」
5 ストレスの考え方は漢方に似ている
6 現代医学も心と体のつながりに気づき始めた
7 心と体の関係を体現したラグビー日本代表の選手たち
8 漢方での人体のとらえ方
9 レジリエンスを誘導する条件―マインドセットとチャレンジ反応の利用
10 レジリエンスを誘導する条件― いたわり合い
11 ドラえもんにも描かれているレジリエンスの物語
12 レジリエンスの誘導に関わるオキシトシン

漢方なるほどコラム4 貝原益軒『養生訓』とレジリエンスについて
漢方なるほどコラム5 貝原益軒『養生訓』とレジリエンスについて
漢方なるほどコラム6 東洋医学と西洋医学という表現への疑問

第3章 レジリエンスを利用した漢方治療
1 レジリエンスを誘導する漢方的診察とは?
2 そもそも漢方はレジリエンスを重視している
3 では、どうやって漢方は診断しているのか
4 漢方とレジリエンス1 突然の不幸
5 漢方とレジリエンス2 気の流れの障害をとりのぞく
6 漢方とレジリエンス3 気の不足(気虚)を改善する
7 漢方とレジリエンス4 胃腸が整って心が整う
8 レジリエンスが誘導されたら改めて自分を見つめなおす

漢方なるほどコラム7 幕末の日本の医学は遅れていた!?
漢方なるほどコラム8 「最後の漢方医」浅田宗伯の願いと漢方復活への遺産
漢方なるほどコラム9 カオスと漢方の関係について

第4章 レジリエンスを踏まえ、生活を豊かにする
1 レジリエンスが誘導されるための前提条件とは
2 前提条件1―信頼関係
3 前提条件2―お互いを許す寛容さ
4 前提条件3―多様性
5 レジリエンスのきっかけは、タコのお寿司
6 若宮さんの挑戦―発症
7 若宮さんの挑戦―病気と卓球に向き合う
8 若宮さんの挑戦―世界へ向けての奮闘
9 若宮さんの挑戦―まぼろしの試合でみせた奇跡
10 若宮さんの挑戦―エピローグ
11 レジリエンスを知って生活を豊かにする

漢方なるほどコラム10 超高齢社会における漢方の役割について1
漢方なるほどコラム11 超高齢社会における漢方の役割について2
漢方なるほどコラム12 超高齢社会における漢方の役割について3

終章 漢方がみちびく心と体のレジリエンス
1 治療は医療者と患者の共同作業
2 答えは間にある
3 寛容さと感謝
4 人は人でしか変わらない

あとがき
あとがきのあとがき

$読者レビューから引用・編集
アスリートの漢方治療がエピソードにあり、競技生活と治療との両立の難しさがリアルに伝わってくる。
選手の悩みに誠実に応える著者の対応に心温まる。
タイトルにある「心と体」この両者が互い協力強調した時に、思いもよらぬ結果=レジリエンスが働くのだと感じさせられる。
その事例を数多くの実際の症例を交えて説明されており、一般書のような外見から想像していた以上の症例数。
また医療現場での症例の他にも、多くの人が感動するストーリーや実際に起こった出来事(楽天イーグルスの優勝エピソード、ラグビー日本チームの予想を超えた活躍)など、広く事例を挙げてくれることで、非常に読みやすく納得しやすい内容でと感じた。
東洋医学の臨床に携わる人は何度か読んでおいた方がよいと思う。
特に患者さんとの関係性に悩む人にとっては、優しく励まされるような書だと思います。


Product description

From the Publisher

漢方がなぜ効くのかが分かる注目の一冊。従来の漢方解説書とは一線を画す新鮮な内容。いま医療現場に必要なことが記されている。

About the Author

大阪大学大学院医学系研究科 先進融合医学共同研究講座 特任教授(常勤)
大阪市出身。医学博士。1994年広島大学医学部医学科卒業、2004年大阪大学医学系大学院博士課程修了。大阪大学第三内科入局後、阪大病院・関連施設で内科全般を研修。2000年大学院入学後より抗IL-6レセプター抗体(トシリズマブ)の臨床開発および薬効の基礎解析を行う傍ら、リウマチ膠原病疾患での漢方治療を実践。2006年大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫アレルギー内科助教、2011年漢方医学寄附講座准教授を経て、2017年から現職。現在は、先進医学と伝統医学の融合による超高齢社会の問題解決を目指し、漢方腎虚概念を基にした新たなフレイル・サルコペニア対策の開発、2013年より日本の基幹病院では初となる「がんケトン食療法」の臨床研究を進めている。
日本内科学会総合内科専門医、内科指導医。日本リウマチ学会リウマチ指導医、リウマチ学会評議員。日本東洋医学会、漢方指導医。




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