【短編小説】「ベッドシェア」(1/3)
いつからか、眠るときに限って、まるで自分のことを拘束するかのように、腕をクロスさせて、脇の下に両手を挟み込んでしまう。その様子を見たある日の彼に、エジプトのツタンカーメンみたいだね、と思ったまま言われたことがある。なら、もしかしたらベッドって、わたしにとっての〝棺〟みたいなものなのかもね、と冗談を返すと、彼は苦笑いを浮かべ、無言になった。
無意識に行われる癖とは違って、はっきりと自覚のあることなのだから、いつでも、やめようと思えばやめられるはずなのだけれど、起きているとき