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「実るほど マウント取らぬ ゴロフキン」 ー『敬意』と『矜持』ー

私は中学生時代の担任の甥っ子さんが、当時のボクシング日本ウェルター級チャンピオンで、先生と一緒に彼の試合を見に行ってからすっかりその魅力にハマりまして、以来ボクシングが大好きなんです。


ましゃこさんのこちらの企画に参加させていただきます。よろしくお願いいたします🙇


私のボクシングにおける『推し』の基準は、単純に強いというだけでなく


「対戦相手への敬意に溢れ、己に対する揺るぎない矜持を持っている」


ことです。


日本では井上尚弥選手。


海外だとゲンナジー・ゴロフキン選手(カザフスタン)が1番好きです。


その中で今回は、ゴロフキン選手を取り上げさせていただきます。


先日、2年前に行われたゴロフキン選手と村田諒太選手の試合の感想を書いたメモを見返す機会がありまして、


「ゴロフキン選手の魅力を伝えるため、2024年版としてNOTE用に書き残したいな」


と強く感じていたところに素敵な企画がありましたので、それをリライトしてみましたので、以下に記させてください。


🥊🥊🥊🥊🥊


WBA世界ミドル級スーパー王者・村田諒太選手(帝拳)とIBF同級王者ゲンナジー・ゴロフキン選手(カザフスタン)の王座統一戦が、2022年4月9日さいたまスーパーアリーナで行われ、ゴロフキン選手が9回TKOで勝利しました。


ボクシングファン歴30余年の私にとってもゴロフキン選手は、


①圧倒的な攻撃(パンチ)力
②アマチュア仕込みのしっかりした防御力
③驚異的な打たれ強さ(強靭な顎)


で魅了され続けている特別な選手。 


特に①と③については私の中で「彼以上の選手はいない」と断言でき、そのファイトは超積極的で見る人を飽きさせません。


直前は吐きそうなくらいになるほど楽しみにしていた試合は、私の想像を超える素晴らしい戦いになりました。


勝ち負けを通り越してただただ、


「ボクシングファンでよかった」


と余韻に浸りたい気持ちです。


好試合の要因の一つは、村田選手が稀代のハードパンチャーを相手にしても決して下がらずに手を出し続けたこと。


実に勇敢でした。


そして最大の要因は、


「お互いが相手選手に対して最大限の敬意を払っていたこと」


だと感じました。


試合前・試合中・試合後。


この試合に関わる時間のすべてにおいて、両選手にこの思いが貫かれているのが如実に見てとれました。


ゴロフキン選手は「偉ぶり」も「強がり」もしません。


いつでも紳士的で、過度な挑発があった場合は怯まずスマートに切り返し、決して自分からは相手を貶める発言はしません。


真の強さがあればマウントを取ることも、相手の足を引っ張ることも必要ないのだと教えてくれる、まさに「リアルチャンピオン」です。


『敬意』と『敬意』が響き合いながら、激しく試合が進行・展開していく様は、実に見ていて清々しく、極上の味わいがありました。


格闘技は、書いて字の如く『闘い』です。


『敵意』と『敵意』がぶつかり合うイメージの方も多いかと思いますが、もう自分を過度に誇示したり、相手を必要以上に見下したりして盛り上げるのは時代遅れな気がしています。


ゴロフキン選手や井上尚弥選手のような格調高い『本物』を見ると、


「こういったチャンピオンがこれからの主流になっていくんだろうな」と感じます。


このトレンドはボクシング界に限ったことではなく、マウントを取ったり、足を引っ張ったりする類いの人達は、これからの時代は徐々に必要とされなくなり、自然と淘汰されていくのではないかと思います。


「常に敬意を持って人と接する」


そんな、これからの時代に大切な「人としての在り方」を学んだ機会でもありました。


村田選手、本当にお疲れ様でした。素晴らしいスピリットに心動かされました。


そして、ゴロフキン選手は強かった~。


恐らく次戦は宿命の相手、カネロ・アルバレス選手。ファンとして全力で応援します。


🥊あ🥊と🥊が🥊き🥊


リライトするにあたって昨日改めて試合の動画を見たのですが、やっぱり『敬意の響き合う』素晴らしい試合は何度見ても感動しますね。


この試合の約5ヵ月後。


ゴロフキン選手は、カネロ・アルバレス選手との因縁のラバーマッチに敗れ、それ以降リングに上がっていません。


現在42歳とボクサーとしてはかなり高齢でカネロ戦では顕著な衰えが見え、また今年カザフスタンのオリンピック委員会会長にも選出されたこともあり、正式な引退表明こそまだですが、このままグローブを置くことも十分あり得そうです。


ファンとしては、彼がどんな決断をしてもそれを支持し応援したいと思います。


アマチュア時代の実績のわりには大きな後ろ楯のないデビュー時から、一つ一つ地道に拳で実績を積み重ね、『ミドル級の帝王』としてレジェンドにまで上り詰めた『誇り高く心優しき真のチャンピオン』のゴロフキン選手。


格闘技にまったく興味がない方は「なんのはなしですか?」かもしれませんが、


是非1度、彼の試合を見てみてください。


「引くくらい強い」彼のファイトと『人間力』に病みつきになるかもしれませんよ~😊

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