日本史のとっつきにくさ解消法

こんにちは。布施川天馬です。

この前の「世界史のとっつきにくさ解消法」の記事の最後で「日本史についてはどうするかは明日やります!」と言って忘れていました。
トリ頭ですね。

僕はそんなめでたい頭の持ち主ですが、それでも数千〜数万単語を覚えなくてはならない東大受験を勝ち抜くことができました。
これは、能力云々ではなく、単にコツがあるのです。

日本史のめんどくささは、世界史よりも複雑かつ細かい事項を要求されるからだと思います。
今日は、これの解消法を考えながら、どうしたら暗記がやりやすくなるのかについても考えて行きたいと思います。

日本史は超長編小説

さて、以前お話しした通り、世界史は「全く下地がない状態で、いろいろな地域を学ぶからつらい」のでした。
さらに、前回は言いませんでしたが、近代を超えてくると、世界中が交流を始めるので、それまで以上に歴史を読み解くのが難しくなります。

言ってしまえば、これは初見の群像劇です。
ですから、一回めで物語の全体像を把握することは難しいです。

逆に言えば、これは全体像をある程度把握した上で数回の読書体験を通して丁寧に端から紐解いていけば、難しくはありますが、十分解読可能なものとなります。

そう言った意味で、世界史は複数周を前提に作られていると言えるでしょう。

しかし、日本史はこれとは異なります。
舞台は日本という限られた地域で、様々な人名、事件名を、世界史などと同じだけの分量暗記しなければなりません。

なので、広く浅くで考えられた世界史とは攻略法が根本的に異なります。
全く真逆で、狭く深く学ぶことを要求されます。

これは、群像劇であった世界史に対して言うなれば、超長編小説です。
一人の主人公がいて、それを中心としてストーリーが展開します。

これを捉えるためには、イチから話を追っていくしかありません。
世界史のように、ある程度飛ばしながら全体像を把握する勉強法よりも、地道に知識の網を編み上げていく方が、効率は良くなります。

それでは、どのように学習すれば良いのでしょうか。

「噛み締める」勉強法

結論から言えば、この暗記法の中心は「音読する」という方法です。

なぜ音読するのか?
それは、日本史という科目は、かなり早期の段階から複雑に絡み合った政治的思惑等を考えながら暗記しなければ、理解したと言えるレベルに達しないためです。

1つ1つの事項をしっかりと噛み締めながら学習する必要があるのですが、そのためには集中しながら読み進める必要があります。

流し読みせずに集中しながら読むためには、先日お教えした英単語の勉強法でやったとおり、音読する勉強方法がよく効きます。

日本史の音読の方法は以下の通りです。

1.頭から終わりまで、教科書などを読みながら「先生に教わった通りに」範囲を自分の言葉で音読する。
2.頭から終わりまで、なるべく教科書などを見ずに、上記のように音読する。

なぜ「先生に教わった通り」に拘るのかを以下で説明します。

広く浅く、しかしなるべく多く全体に触れることが目的となった世界史ですが、これは初学者が学習しやすいと言えます。

以前記事で挙げたナビゲーター世界史のような、良書も増えていますから、授業より先行しながら学習を進めていくハードルもかなり下がりました。
さらに、今ではスタディサプリなどの映像授業サービスも発達しています。

なので、自分でガンガン進めていけるタイプなのであれば、初めて学ぶ人でも世界史の方がやりやすいと思います。
自分のペースで進められるのが特徴です。

これに対して日本史は、事項の暗記のみならず、なぜその事件が起こったか?などの背景まで深く理解する必要があります。

こうした時に頼れるのは、やはり授業です。
ナビゲーターシリーズは日本史もありますが、ページ数の関係もありどちらかというと「広く浅く」寄りにならざるを得ないナビゲーターと、「狭く深く」学ぶことを要求される日本史という科目とでは全く噛み合っていません。

教科書はコンパクトな記述でまとめてくれていますが、最低限の表現で最大限の情報伝達を目的としているため、どうしても難解かつ簡素な表現になってしまいます。
なので、これも初学者向けではありません。

日本史を初めて触れるなら、人から学ぶのが一番です。
できれば、インタラクティブに干渉できる直接授業の方が良いでしょう。

スタディサプリのような映像授業も素晴らしいです。
僕はスタディサプリで日本史の知識を補充し、東大の二次試験で40点程度を取ることに成功しています。

ただ、学ぶ際に多く疑問が浮かんできてしまうのも確かです。
そう言った疑問を解消できるような環境に身を置いた方が有利になることは間違い無いので、映像授業よりも直接先生と相対して学ぶことを強くオススメしています。

そして、先生方の知識を物にするには、まずは全ての知識をなぞってみるのが一番早いです。
何事もいきなり完成させる必要はなく、まずは真似から入ると、比較的抵抗なくその芸をものにすることができます。

日本史の暗記は膨大で、ある種ストーリーテラー的な立ち回りを要求されると言っても良いでしょう。
先生の言う通りに再生することは、自分の中に独立した語句だけではなく、その語句同士を繋ぐ知識をも吸収するために役に立ちます。

ですので、まずは先生の授業をなるべく忠実に再現することをオススメしています。

そして、これが完了したら、メモリーツリーを作ってみましょう。

メモリーツリー

メモリーツリーとは、以下のブログに書いてあるように、ある語句を中心としてそこから周囲に関連語句を発展させるように伸ばし、さながら木々が成長するように暗記事項を書いていくというものです。

上記のサイトでは「絵をかけ」や「関連性の大きさで線の太さを変える」と言っていますが、別に語句だけの簡素なものでも構いませんし、線の太さに拘る必要もありません。
大事なのは、自分の中で整理がしっかりついていることです。

なぜメモリーツリーを書くのか?ということですが、これは2点理由があります。

・記憶の整理をつけるため
・漢字の練習をするため

なんども言っているように、日本史は各語句が有機的かつ複雑に絡み合っています。
この関係性を把握するところが日本史の学習の真髄といっても過言ではないでしょう。

なので、語句の暗記だけではなく、それらの関係性整理も重要な学習となります。
メモリーツリーはそのために大変有効な手段となります。

また、日本史は漢字を多く使います。
基本的に試験会場では漢字完答なので、漢字が書けなければ話になりません。
なので、漢字の練習をしておく必要があるのですね。

なお、人名や事件名の練習のみを目的として漢字練習帳のように何度も何度も書いている人を見かけますが、これは全くもって時間の効率が悪いので、オススメしません。

僕のオススメの方法は、A4コピー用紙を1枚持ってきて、なんでもいいのでその時に整理したい分野の言葉を1つ書きます(なるべく重要度の高い単語だとやりやすいです)。

そして、そこからメモリーツリーを発展させて、A4コピー用紙が真っ黒になるまで書き続けるというものです。

これはもともと真っ白だった紙に書きつけるので、自分がどれだけ書いたかが一目で分かり、達成感もありますし、空いたスペースで苦手な漢字の練習もできます。
さらに、これで作ったノートは自分だけの最強の復習用ノートとなります。

以上のような方法をもって立ち向かえば、日本史の攻略も容易に行えます。
日本史は複雑怪奇なように思えますが、これは間違いで、端から紐解いてあげれば簡単に把握することができます。

1冊の巨大な本を読むつもりで気長に立ち会って下さいね。


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