謹賀新年
新年 明けまして おめでとうございます。
今年も宜しくお願い申し上げます。
稀有で酔狂で賢明なる読者の皆様の健勝と平穏無事を祈念しております。
達磨禅師と言えば「面壁九年」。
「面壁九年」とは、一般的に「物事を忍耐強くやり遂げること」と解釈されているようですが、禅師ご自身は「壁を睨んでいるだけでは、壁に穴を穿つことはできない。」と悟ったとか、悟らなかったとか。
娯楽性の高い時代小説を多く発表した山本周五郎もまた、「面壁九年」をモチーフに「松風の門」を紡ぎ出しています。「いざ、その時!」とばかりに、自身の死に際を見極めた主人公の躊躇なき覚悟から、悟りと行動の究極的な一致を見い出すことができる物語です。
「人生の春夏秋冬の訪れ」は、人それぞれ。
今の私は「面壁九年」の最中にあるような心持ちでおります。もう暫くの間、一所懸命の姿勢を続けなければならないようです。
ただ、未明の真っ只中にいる自分の未熟さを素直に受容れるようにしたところ、小さき稲穂の実りを感じ取ることができるようになりました。この小さな変化や成長は、人生の幸いに繋がるものと信じています。
今年もまた、世の中の速度に翻弄されず、小さき存在への目配りを忘れずに、常ならぬ日々を始末良く暮らしていきたいと考えております。
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