【短編ホラー】忘れ物⑤
~香織の記憶~
小学2年生の時、裕太くんと同じクラスになった。
裕太くんは面白くて、クラスの人気者だった。
クラスのほとんどの女の子が裕太くんのこと好きだったんじゃないかな?
私もその一人。
だけど、その2年生の間はほとんど話せなかった…
3年生の時はクラスが離れちゃったけど、
4年生の時また同じクラスになれた!
今度こそは!と思い、勇気を出して話しかけたら友達になってくれた。
やっぱり優しい裕太くん。
裕太くんと幼馴染の美穂ちゃんとも友達になれた。
その頃、初めて同じクラスになった明子ちゃんも話しかけてくれて、友達になった。
明子ちゃんもとっても優しくて、私のこと親友だって言ってくれた。
でも、多分なんだけど、明子ちゃんも裕太くんのことが好きみたい…
私も裕太くんが好きだなんて、言えないよ…
そのまま一年が経って、5年生のクラス替えは奇跡的に四人とも同じクラスになれた!
でも、6年生は裕太くんと違うクラスになるかもしれない…
そう考えると、今年が思いを伝える最後のチャンスだと思った。
だから、勇気を振り絞って、一学期の最終日に裕太くんに告白した。
そしたら、まさか、裕太くんも私のことが好きだって!!!
やばい、超しあわせ!
早速、明日午後から図書館で一緒に宿題をする約束をした。
もちろん二人で。
明子ちゃんには、最初に伝えなきゃと思った。
親友だから隠し事はできない。
プールの後、二人の時に伝えよう。
きっと明子ちゃんなら応援してくれるよね。
つづく
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