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【短編ホラー】忘れ物⑦/完

裕太「なあ、もう出ようぜ!気味悪いし…」 明子「ふふ、裕太ったら。」 明子「それより、お腹空かない?おにぎり作ってきたの。食べる?」 さすがの裕太も固まった。 明子「ねぇ。二人さぁ。」 明子「私に言う事ない?」 再び静寂が訪れる。 一刻も早くここを出なきゃ。やばい。 美穂「何もないわ。もう帰るね。」 明子「待って。」 明子が包丁を取り出す。 裕太「え?うわあああ!」 次の瞬間、何人もの警官が飛び込んできた。 明子は取り押さえられ、奇声を発しながら連れ

    • 【短編ホラー】忘れ物⑥

      ~明子の記憶~ 小学4年生の時、ママに学校に言ってもらって裕太君と同じクラスにしてもらったの。 あいつらごねたらなんでも言う事聞くの♪ …なのに、またゴミが近づいてきた。 香織とかいう奴。 ほんと目障りだわ… こういうタイプは親友とか言っとけばすぐ信じるの。 面倒くさいけど裕太君を守らなきゃ。 ---------------------------------------------------------------- 香織、裕太君のことは諦めたみたい。

      • 【短編ホラー】忘れ物⑤

        ~香織の記憶~ 小学2年生の時、裕太くんと同じクラスになった。 裕太くんは面白くて、クラスの人気者だった。 クラスのほとんどの女の子が裕太くんのこと好きだったんじゃないかな? 私もその一人。 だけど、その2年生の間はほとんど話せなかった… 3年生の時はクラスが離れちゃったけど、 4年生の時また同じクラスになれた! 今度こそは!と思い、勇気を出して話しかけたら友達になってくれた。 やっぱり優しい裕太くん。 裕太くんと幼馴染の美穂ちゃんとも友達になれた。 そ

        • 【短編ホラー】忘れ物④

          ~美穂の記憶~ 私と裕太は幼馴染だ。 家が隣で両親の仲が良く、家族ぐるみの付き合いがあった。 だから、物心がついた時から裕太は隣にいた。 ムカつくことに、昔から裕太はモテた。 あいつのどこがいいの? まあ、明るい性格なのは良いところだけど、かなりのお調子者だ。 更にムカつくことに、裕太に近付きたい女子はいつも、まず私に近づいてくる。 別に、私に害があるわけでもないから、特に拒んだりはしないけど… 小学4年生の時、初めて同じクラスになった香織と明子もそんな感じ

        【短編ホラー】忘れ物⑦/完

          【短編ホラー】忘れ物③

          ~裕太の記憶~ 小学5年生の夏休み初日。 今日は四人で、以前から約束していた学校のプールに行った。 その帰り道、俺は浮かれていた。 浮かれている人がもう一人。 香織だ。 実は昨日、香織に告白されたんだ。 まあ俺も、前からかわいいとは思っていた。 断る理由も無かったし、俺も好きだと伝えた。 つまり、両想いってことになったわけだ。 早速、今日の午後、二人で図書館に行って宿題をする約束をしていた。 家で昼ご飯を食べて、足早に図書館に向かった。 でもその日、香

          【短編ホラー】忘れ物③

          【短編ホラー】忘れ物②

          明子「ねぇ、二人とも。さっきから何を言っているの?」 裕太・美穂「え…?」 明子「もう裕太!驚かさないでよ!」 裕太「いや、さっき、香織が…!!」 明子の表情が固まった。 明子「香織…?それ誰…?」 いつの間にか、香織は消えていた。 裕太「???」 裕太は戸惑っているようだ。 美穂「本当に不気味だから、冗談はここまでにしましょう。」 裕太「そ、そうだな。ごめん!」 裕太が苦笑いしながら言った。 三人の間を、静寂が通り抜けた。 そして、裕太と美穂の心に

          【短編ホラー】忘れ物②

          【短編ホラー】忘れ物①

          ある日の夜、明子は古びた廃校の前に立っていた。 同級生の裕太と美穂と待ち合わせをしていたのだ。 実は彼女たちが通っていた小学校は、彼女たちが卒業してすぐ廃校になってしまった。 小学校の思い出は楽しいものしかなかったが、廃校の雰囲気は何か不穏なものを漂わせていた。 明子「ねえ、みんな久しぶり!かなり久しぶりだよね?」 裕太「そ、そうだな!久しぶり!」 裕太「それにしても、こんなところで待ち合わせなんてなんか変な感じだな。」 裕太は笑いながら言った。 美穂は不安そ

          【短編ホラー】忘れ物①

          【短編ホラー】少女との約束

          ある晩、友人たちと肝試しに行くことになった。 僕たちは1軒の古びた家に行くことにした。 この家は昔から有名な心霊スポットだった。 噂によると、この家には恐ろしい幽霊を封印するための呪いがかかっているらしい。 「本当に呪われているのかな?」 友人の一人が不安そうに言った。 「そんなことないって。ただの噂に決まってるさ。」 僕は彼の不安をなだめた。 山道をしばらく進むと、目的地に到着した。 「うわ~不気味だなあ。」 いざ目の当たりにするとめちゃくちゃ気味悪い。

          【短編ホラー】少女との約束