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【短編ホラー】忘れ物⑦/完


裕太「なあ、もう出ようぜ!気味悪いし…」


明子「ふふ、裕太ったら。」


明子「それより、お腹空かない?おにぎり作ってきたの。食べる?」


さすがの裕太も固まった。


明子「ねぇ。二人さぁ。」




明子「私に言う事ない?」



再び静寂が訪れる。


一刻も早くここを出なきゃ。やばい。


美穂「何もないわ。もう帰るね。」


明子「待って。」


明子が包丁を取り出す。


裕太「え?うわあああ!」




次の瞬間、何人もの警官が飛び込んできた。


明子は取り押さえられ、奇声を発しながら連れて行かれた。


裕太君を守るとかなんとか言いながら…


二人が結婚することを明子に言った同級生が、明子の様子が急におかしくなったことを美穂に話していたのだ。


それを聞いて、香織の事故の担当だった警官に相談していた。


その直後、明子から久しぶりに会わないか、と連絡が来た…あの廃校で。


美穂と裕太も警察署で事情聴取されることになった。


その道中の車内で、


裕太「明子はなんでこんなことしたんだ…」


ほんとこの人は…でも今回ばかりは救われた。

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後日、警官から話を聞いた。


廃校で明子が連行された後、廃校の周囲を警戒していた警官が不審な車両を発見。


明子の母親が乗っており、車内から大量の凶器や縄、ブルーシートなどが発見された。


明子は取り調べで支離滅裂な言動を繰り返しているとか…


その中で、香織の事件の自供とも取れる発言をしており、調査が再開されたらしい。


明子の母親も証拠隠滅の罪で取り調べを受けている。

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警官の勧めで、私たちは遠い街で暮らしていくことになった。


あの時、私たちの前だけに現れた香織は、あの日の忘れ物を届けに来てくれたのかもしれない。



おわり

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