【短編ホラー】少女との約束
ある晩、友人たちと肝試しに行くことになった。
僕たちは1軒の古びた家に行くことにした。
この家は昔から有名な心霊スポットだった。
噂によると、この家には恐ろしい幽霊を封印するための呪いがかかっているらしい。
「本当に呪われているのかな?」
友人の一人が不安そうに言った。
「そんなことないって。ただの噂に決まってるさ。」
僕は彼の不安をなだめた。
山道をしばらく進むと、目的地に到着した。
「うわ~不気味だなあ。」
いざ目の当たりにするとめちゃくちゃ気味悪い。
「よし!入ろう!」
皆の尻込みムードを払拭するかのように、友人の一人が言った。
部屋に入ると、不気味な雰囲気がただよっていた。
床はへこんでおり、壁にはヒビが入っていた。
家具も腐っていて使い物にならない。
「ほ、本当に呪いなんてないよな..?」
別の友人が不安げに言った。
「大丈夫さ。ただの古い家だよ。」
僕が言うと、友人たちはほっとした表情を浮かべた。
肝試しが始まった。
ドアが勢いよくバタンと閉まり、僕たちはびっくりした。
「おい、冗談じゃないぞ!」
友人が叫ぶが、ドアは開かない。
パニックになった僕たちは、周りを見回す。
よく見ると、壁には血文字で「出られないよ」と書かれていた。
「誰かがいたずらしているんだろう!」
友人の一人が声をあげた。
「やっぱり、この家は呪われているんだ!」
僕が叫ぶと、友人たちは固まってしまった。
怖気づいた僕たちは、諦めて部屋を探索することにした。
すると、1つの部屋に不気味な人形がたくさん置かれているのを見つけた。
「こ、これって…」
友人の一人が震えながら言った。
その時、部屋の中に不気味な笑い声が響いた。
「だ、だれが笑っているんだ!?」
僕たちはパニックになり、慌てて逃げ出した。
しかし、壁やドアはすべて閉まっており、部屋から出ることができない。
友人たちと一緒にいるのにもかかわらず、僕は孤独を感じた。
どこにいても、どんなに叫んでも、誰も僕たちを助けてくれない。
「どうしてこんなことになったんだ!」
友人の一人が泣き叫ぶ。
すると、急に懐中電灯の明かりが消えた。
冷たい風が通る。
「もう終わりだ…」
震えている友人たちの声が聞こえた。
その時、不思議なことが起こった。家の中から音楽が聞こえてきた。
「どうして音楽なんて…」
僕たちは不思議そうに考えながらも、音楽の方へ進んでいった。
部屋の鍵はいつのまにか開いていた。
僕たちは音楽が聞こえる部屋にたどり着いた。
すると、音楽は途切れた。
部屋の中には、少女が座っていた。
「助けて..私もここから出たいの...」
彼女の言葉に僕たちは驚いた。
彼女も同じ呪いにかかっているのか。
「お願い..連れて行って..」
彼女の手を取ると、重々しい空気が軽くなった。
「行こう!!手を離さないで!」
僕は彼女に言った。
「うん。絶対に離さない。」
僕たちは一緒に家を脱出した。
すると、外は明るくなっており、みんな無事に外に出ることができた。
「何が起こったんだ?」
友人たちが驚きながら言った。
すると、彼女が微笑みながらこう言った。
「ありがとう。封印を解くには、誰かと一緒に外に出ないといけないの。」
おわり
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