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6冊目:ほんまにオレはアホやろか(水木しげる)

■おススメしたいひと

・脱力したいひと
・人生に迷っているひと
・生真面目なひと、または生真面目な自分がいやなひと
・夢とか目標がなくて焦っているひと

■読んだキッカケ

水木しげる『水木さんの幸福論』が面白く、水木しげるシリーズを集めていた。

■お気に入りのフレーズ

「こいつあ、アホとちゃうか」より

遅刻にしてからひどかった。とくに冬は寒いので、9時ごろまで寝ている。兄や弟は、とっくに起きて、朝食もまともに食わずに学校にすっとんでいくのだが、ぼくはゆうゆうと起きだして、兄や弟が食いそびれたぶんまでも全部たいらげてから登校するのだ。これでは、1時間目にまにあうはずがない。


「ぼくは落第兵」より

学校ですらあんなふうだったから、軍隊ではたいへんだった。ぼくは、だいたいがゆったりしたタチだから、ゆったりとかまえていた。ところが、ふつう初等兵はオドオドしているものらしい。ぼくがゆったりかまえていると、古兵の一等兵や上等兵はかってに、あれは将校だとカン違いして世話してくれる。将校用の風呂へ案内して背中までながしてくれた。まもなくバレて、えらい目にあった。

「右手で筆記して、左手でほじくったら」より

ぼくは何がしかの金を得て、武蔵野美術学校の方に専念することにしたのだ。(中略)時たま授業に間に合うこともあった。最前列でハナクソをほじくりながら講義を聞いていると、金原省吾という先生が、「右手で筆記して、左手でほじくったらどう」と、教壇から忠告。「僕は、左手はありませんから」と、いうと、「失礼」先生はすまなそうにしたが、考えてみれば、「失礼」なのはぼくの方かもしれない。

※水木さんは、戦時中に左手を失っています。


■この本について

タイトル:ほんまにオレはアホやろか
発行年 :1978年⇨2016年
著者  :水木しげる
出版社 :講談社文庫


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