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【vol.1】TENTIAL CEOとテレシー 代表が語る急成長企業のダイナミズム~立ち上げから急成長を実現した仕事の極意とは~

こんにちは。今回も前回の元サッカー日本代表の鈴木大輔氏との対談に続き、ゲストをお招きしたスペシャル対談の模様をお届けします!

お相手は、急成長を遂げるコンディショニングブランド「TENTIAL(テンシャル)」を運営する株式会社TENTIALの代表取締役CEO 中西裕太郎氏
「TENTIAL(テンシャル)」はインソールやリカバリーウェア、スリープソックスなど、日常の健康課題を解決するユニークな機能性商材を次々と開発し、特に人気を集めるリカバリーウェア「BAKUNE」シリーズの累計販売数は、50万着を突破!(2024年3月時点)
このBAKUNEシリーズは全てのウェアにおいて、厚生労働省が設ける「家庭用遠赤外線血行促進用衣」の届出をしており、「SELFLAME®︎(セルフレーム)」という特殊機能繊維を用いることで、遠赤外線による輻射の血行促進効果で、休んでいる間の疲労回復が期待できます。

TENTIALは、そのように科学的根拠に基づく信頼できる製品を消費者に届けることを第一に、製品開発、研究に一層力を入れて取り組んでいます。2023年12月に同社初のテレビCMを放映して以降、業績も右肩上がりに拡大中です。

今回はそんな今をときめくTENTIAL代表取締役CEO 中西裕太郎氏と、リカバリーウェア「BAKUNE」のマーケティングコミュニケーションをサポートさせて頂いている株式会社テレシーの代表取締役社長執行役員 川瀬 智博との対談形式でお話を伺ってきました。
若くして事業を立ち上げ、急成長を成し遂げた2社の代表の仕事の極意や経営哲学について、共通点も多いお二人ならではの掛け合いにより読み解いていきます。


TENTIAL 代表取締役CEO 中西裕太郎 | Yutaro Nakanishi
急成長を遂げるコンディショニングブランド「TENTIAL」の代表取締役CEOをつとめる。
自身が病気で夢を断念したことが「健康」領域の事業に挑戦することを決めた原体験に。小学校1年生から本格的にサッカーを始め、プロサッカー選手を目指し、インターハイなど全国の舞台で活躍していたものの、高校時代に心臓疾患でその道を断念。病気発症から1年ほど経った頃、アメリカ・オバマ大統領の演説に出会う。「これからアメリカの未来を背負っていく若者たちには、ビデオゲームをやるのではなく、作る側に回って欲しい」この言葉がプログラミングに興味を持つきっかけとなり、ビジネスで世界を変えるべく、プログラミングを学び始める。これをきっかけに、インフラトップの創業メンバーとして参画し、その後はリクルートキャリアへ最年少社員として入社。
そして2018年、スポーツ領域で起業したいという思いから株式会社TENTIALを設立し、アパートの1室から事業をスタートする。翌年にはコンディショニングブランド「TENTIAL」を立ち上げ、人がポテンシャルを発揮するためには健康で前向きな生活が重要と考え、スポーツコンディショニングを社会に還元できる仕組みづくりを目指している。

テレシー 代表取締役社長執行役員 川瀬 智博 | Tomohiro Kawase
2013年に東京大学を卒業し、新卒で電通に入社。2014~16年にスタートアップ企業が活性化したことをきっかけに、あらゆる企業がテレビCMを有効活用できるようにと、運用型テレビCM事業を立ち上げ、グロース責任者として2020年7月にCARTA HOLDINGSにジョイン。
2021年にテレシーを創業するとともに取締役に就任し、2年で50億という売上高をつくる営業(現:ビジネスプロデュース)、メディア、ソリューション部門を管掌・牽引し、2024年4月1日に代表取締役社長執行役員に就任。テレビCMのプランニングだけではなく、バイイングまで一気通貫した「Effective Spot Planning」と呼ばれるクライアント独自のマーケティングデータを使ったメニュー開発の構築にも従事するなど、戦略~プランニング~エグゼキューションを分断させず、連携したサービス提供をすることを信条に掲げる。プランニング&エグゼキューションだけではなく、プロジェクトマネジメント並びにクライアントのビジネスプロデュースも担うことにより事業成長に伴走。これまで支援してきた企業は延べ300社を突破。
趣味はサッカー。大学の卒論でサッカーについて書くほどのサッカー好き。見るよりやる、サッカーを通した社会への貢献が好き。


▶セクション1/5:2社の出会い

Q:お2人の出会いは?

川瀬:
弊社の稲垣が元々中西さんと知り合いで、「これは絶対来ます!」とゴリ押ししていたこともあって、一度食事をご一緒させていただいたのが最初ですね。

中西氏:
そうですね。懐かしいですね!ちなみに、僕が稲垣さんと出会ったのは、確か稲垣さんがまだ電通に入られて1年目の頃に開かれていたイベントに友人と行った際に紹介いただいたのがきっかけでした。そこから何度かお話させていただく機会があって、稲垣さんがテレシーに行くというタイミングでまた関係性が深まったと言いますか…ただ、いつかこのように一緒にお仕事をするとは、出会った当初は正直全く思っていなかったですね(笑)

Q:お互いの第一印象は?

川瀬:
誠実なお人柄はもちろんのこと、過去の原体験をどう捉え活かしていくべきかという目指すビジョンが明確で、その上で必要な仲間を集めてプロダクトに落とし込めているというのが立ち振る舞いや言葉から真摯に伝わってきました。そこから「これは!」と確信し、全力でサポートしていきたいと思いました。

中西氏:
ありがとうございます。川瀬さんはバランスの良い方という印象がありました。代表というポジションは、正しいばかりでなく、ある種ぶっ飛んでいないといけない面もあると思うのですが、そういった面とロジカルな面とのバランスがとても良い方だなという印象を受けましたね。

▶セクション2/5:共通点とそこから生まれるビジネス思想

Q:お二人ともサッカーという共通点があるかと思います。
サッカーを通して得られた思考で会社経営に活かされていることは?

川瀬:
大きく二つあります。まず、一つ目「とにかくやりきろう」。僕の好きな言葉に「守破離」と「温故知新」という言葉があります。殻を破るというのも一つですね。どの言葉も、もちろん破るところまで行きたいけれども、そもそも基本がないと破ることさえできませんよね。ですから、一つはまずはしっかり基本をやりきりましょうということ。

もう一つは、「1人で向き合わず、仲間と一緒に課題に向き合いましょう」。人には得意・不得意な領域が必ずあります。僕はそれら全てをオープンにして受け入れて、できないことを一人で悩みすぎず、チームの仲間と一緒になって課題に取り組んでいけば、結果として良いサービスの提供ができると考えています。これらは昔からずっと大切にしてきている考え方で、会社経営においても同様に大切なことだと考えています。

その根底にあるのは、やはり小中高大と続けてきたサッカーで得た経験かなと思います。サッカーというのは、1人飛び抜けて上手な人がいても、パスが繋がらなければ勝てませんし、ポジションごとに与えられた役割を果たしていくスポーツなんですよね。基本が大事というところでいくと、どんなにシュートが上手な人がいても、味方からもらったパスを良い場所にトラップすることができなければ、シュートはできません。サッカーにおいても「止める・蹴る」という基本をしっかりやりきること、それぞれの仲間が役割を果たし一緒に乗り越えていくことが大事なように、それらは経営においても重要だと考えています。

中西氏:
僕も「守破離」はとても好きな言葉です。僕自身サッカーを始めたきっかけは、“モテたい”“プロになりたい”という想いでしたが、最終的にサッカーから学んだことはものすごくたくさんありますし、プロになれなかったからこそ、こうして別のところで新しいチャレンジをすることもできたので、サッカーを通して得た経験は自分にとっても今の大きな原動力となっています。ただ、どちらかというと、僕はサッカーをやめて社会に出た後に感じることが多かったので、当時を振り返ると「もっとやれることはあったな」とも思います。

というのも、どの会社でもそうだと思いますが、我々の会社もMission / Vision / Valueの共通言語をとても大切にしています。なぜこの会社が存在しているのか、どこに向かうのか、何を大切に働くのかということですね。中でも、Visionの「どこに向かうのか」において、サッカーのプレーヤーだった当時を振り返ると、確かに全国を目指して頑張ってはいましたが、果たして優勝を目指して頑張っていたかと今言われると、目指していなかったと思うんです。

今、経営者として掲げる目標もより高いところを目指すことで日々の行動も変わってくると思うので、そのマインドセットは非常に大事だなと今改めて感じています。

川瀬:
先ほどポジションの話に触れましたが、サッカーで言うと11人のプレーヤーが注目されがちですが、それは観客から見た時のピッチであって、11人が「俺が全てだ」と思っているかと言うとそうではありません。コーチや監督といった直接的な指導者に加え、サポートしてくれるスタッフ、さらには審判やピッチを整備する人…と、サッカーという競技はあらゆるサポートのもとで成り立っています。だからこそ、全方位でリスペクトしようという考え方が大事なスポーツです。各々の大切な役割があって、各自がその役割をしっかり果たしているからこそ、ピッチ上で11人が輝けるというのを僕はサッカーから学びました。そして、組織にもその考え方を活かしていますね。

もう一つは、僕はおそらくサッカーは“唯一ミスをしてもいいスポーツ”だと思っています。というのも、サッカーは足でプレーするスポーツだからこそ、ミスをするものなんですよね。僕が実際にプレー中に言われた言葉に、「ミスをした後に何故サボっているんだ」「ミスをしたんだから、取り返せ」「ミスをするリスクがあるから、サポートに入ってくれ」というものがあります。ミスを前提にプレーしていたからこそ、“チャレンジ”や“サポート”という言葉が出てきます。こういったことは、他の競技においては少ないことなんじゃないかと思うんですよね。

そして、その営みは、ビジネスおよび人間の日々の営みそのものかなと思っています。仕事においてもどんな生活においても、ミスは起こりうるもの、というか、人間はミスをする生きものなんです、と。だからこそ、「ミスをするな」ではなく、「ミスをしないようにどんな準備ができるか」「ミスをした時にどんな対応ができるか」そして、「ミスを恐れずにチャレンジできるか」。こうしたサッカーの競技特性から、僕は生き方にも近い部分を学んだ気がします。サッカー社会学を語り始めると止まらないので、この辺にしておきます(笑)

Q:共通点といえば他にも、お2人とも子育て中のパパさんですね!子育てとビジネスに共通する部分は…?(笑)

川瀬:
今は残念ながら、なかなか子育てに参加ができておらず、妻に迷惑をかけっぱなしですが、次男が生まれてからの半年間は育休を取得し子供と触れ合っていました。当時を振り返ると思う「大変な中に幸せってある」というのは、ビジネスと共通するところですかね。

中西氏:
TENTIALはコンディショニング(パフォーマンス向上のために心身を整えること)が重要であることを謳っているので、社員にも積極的に育休を取得してもらい、両立をしながらでも成果が出せるということを体現したいと思っています。子育てにおいてもビジネスにおいても頑張らないといけないフェーズがありますが、それがずっと続くわけではないので、うまくバランスをとりながら両立させる必要があります。

自身の健康も含め、マネジメントしないといけないことが山積みですね(笑)余裕がないと子育てにもなかなか向き合えないので、余裕を生むための妻へのサポートも意識しています。

Q:サッカーとビジネスの共通点の一つとして、メンバーのもつ能力を受け入れて把握することの重要性についてのお話が出てきました。
TENTIALの社名の由来も“ポテンシャル”からきていると聞きましたが、由来をお伺いできますか?

中西氏:
自分が病気をきっかけにスポーツができなくなってしまって、果たしてスポーツ以外に何ができるだろうかと考えた時に、そもそも健康でないと新しいことにチャレンジできないという原体験がありました。人それぞれ可能性は無限大であり、自分自身の可能性も信じたいと思ったので、そのポテンシャルを引き出すためには健康が大事だと考えるようになりました。この原体験がTENTIALのミッションに繋がっています

実は病気になってしまった際に、僕は遺書を書きました。書いたことで、当時いかに日々サッカーだけに没頭していたか、周りが見えていなかったかというのを実感したんですよね。

僕がいたサッカー部は部員が180人ほどいて、試合に出られるのは11人なので、部内には明確な序列がありました。僕は幼い頃からエースだったわけではなく、ユースチームが偉いとされる中、そのチームにも入れなかった。その悔しさをバネに努力をして、高校からプロになろうとサッカーの強豪校に入学し、ようやく試合で活躍できるようになってきた最中の病気だったので、その当時の挫折というのはかなり大きいものがありました。

その状況を受け入れられない自分がいたので、別のことに時間を費やしてみたりもしました。 ですが、遺書を書いたことで周囲への感謝やこのまま死ぬわけにはいかないという想いになれたのは、今の仕事に繋がる大きなきっかけだったと思います。ここで初めて「誰かのために」「社会のために」ということを考えるようになりました。

▶セクション3/5:立ち上げ期における背景や想い

Q:今年で創業7年目とお伺いしています。
「あの時は苦しかったけど、あれがあったから今があるな」と感じる瞬間は?

中西氏:
ブランドを立ち上げてすぐの頃はやはり思い出深いですね。

TENTIALではモノづくりの一環としてインソールの開発から始めたのですが、一軒家のオフィスで何から何まで全て手作業で行っていたため、トラブルも多々ありました。お客様に商品をお届けする際に一つひとつの段ボールを開けては詰めてを手作業で繰り返していたところ、 配送先を間違えてしまい電話が鳴りやまない…ですとか、お客様がお怒りになってオフィスにいらっしゃったり…というようなことも頻繁にありました。

確かに当時はなかなか大変ではありましたが、お客様にご迷惑をおかけしてしまっているのは事実でしたから、皆で一所懸命に取り組んでいましたね。

Q:その中で手応えを感じた瞬間は?

中西氏:
前提として僕たちは、「健康」というカテゴリーを担う中で、お客様に対して誠実でありたいと思っています。プロモーションなどを通して一時的に知っていただくだけでなく、本質的に良いもの、満足いただけるものを継続的にお客様に提供していきたい。そのために、トップアスリートや専門家が良いと言ってくださる機能を追求してきました。そういった方々に満足いただける商品をベンチャーでも作ることができるんだと実感し始めたところから、自分たちは良いものを作っているのだと手ごたえを感じるようになりました。その頃が一つのターニングポイントだったと思います。

また、コロナ禍をきっかけに健康に対する意識が高まったこともあり、その市況感や睡眠にフォーカスしてモノづくりに真剣に向き合ってきたからこそ良いと言ってくださる方も増えてきた実感があります。なかでも、僕らの主力商品であるリカバリーウェア「BAKUNE」を世に出したタイミングは、さらに一つステップアップしたタイミングかなと思いますね。

(vol. 2に続く)


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