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深く潜り、彼女はシンクロする


意識の中に深く潜る
透き通る青の世界から
暖かかった空気が徐々に冷えて
少しずつ
暗く広がる黒の世界へ



木々を揺らす風の音も
アスファルトを叩く雨の音も
鳥のさえずりも
車やバイクの音も
にぎやかな笑い声も届かない
静まり返る空間へと
意識を深く潜らせる

瞬きの速さのような出来事
学生の頃の一度だけの体験
授業と授業の間の休み時間
目をつぶったと思った一瞬
すぐ目を開けたときの驚き

何が起こったのか

すぐに今の瞬間を思い出そうと必死で
授業もそっちのけで
自分の中の出来事を探すけど
なにも覚えていない
なにも思い出せない一瞬の出来事を

ただ一度だけ
ただ一度だけの体験を
もう一度やってみようと何度も試すけど
もうそれはやってこない
とても不思議な感覚は
彼女の五感をフルフルと揺れ動かす
ワクワクする好奇心をくすぐりながら


彼女は深い意識の中にもぐりたい
その先に何があるのかを見るために
見つけるために


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深く潜り彼女はシンクロする
まだ見ぬ何かを感じるために
何度でも潜るだろう


たわいもない私の独り言

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