手刻み同好会

近年の住宅産業の合理化の中で、木造建築物の軸組の墨付け、手刻みの技術は、失われつつあり…

手刻み同好会

近年の住宅産業の合理化の中で、木造建築物の軸組の墨付け、手刻みの技術は、失われつつあります。現在、技術継承者不足は大変深刻な状況です。様々な立場の方々に向けて手刻みの価値、魅力の発信を行い、共感する仲間を増やし、共に次世代へバトンをつなげていくことにいたしました。

マガジン

  • 手刻み同好会からのお知らせ

    • 7本

    随時、イベントや講習会などの開催情報などのお知らせを更新していきます。

  • 手刻みの現場から「Tekizami Report」

    • 6本

    手刻み同好会メンバーが手刻みの事例や想いや活動をバトン形式でお伝えするマガジンです。

  • 寄稿&インタビュー「手刻みの未来を考える」

    • 4本

    日本の技術継承と手刻みの可能性について様々な角度から発信しています

最近の記事

継ぎ手、仕口、構造体実動実験 report

1月1日令和6年能登半島地震により、被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。 昨年「実験・考察・講演」と題し、2023年11月17,18日の2日間にわたり実動実験を滋賀県職業能力開発短期大学にて勉強会を開催いたしましたレポートをご報告いたします。 手刻み同好会は今まで座学として(手刻み同好会顧問)構造家の山辺豊彦氏よる構造の勉強会が計6回行われ、ひととおり終了しました。 今回はいよいよ実験をまじえての勉強会です。会員、一般、学生と満員御礼。これまで経験と知識に従って施し

    • 再生

      Hut to tekizami in吉野 2021/11/6.7 開催模様(吉野製材工業組合提供)

      2021年に奈良県吉野で開催された手刻みの祭典の風景です。 2023年10月21日に開催されます「よしのウッドフェス」に参加致します。 「手刻みって何?」って、知らない方も、工務店の方も、小さな小屋の建て方ライブを旧吉野小学校グランド目指して見に来てください。 開催時間11:00~ 

      • 手刻みの“魔法”

        私たち橋本工務店(静岡県浜松市)は、手で描き、手で刻み、手で仕上げる「手しごと」にこだわっています。 全棟を社員大工がひとつひとつ丁寧に加工した手刻みの木材によってつくります。お客様の想いや家づくりへの夢を叶えるため、手しごとでなければ作り出せないより良い家づくりをご提案いたします。 手刻みだからこそ生まれる信頼感 大工が自ら墨付けをして、手で刻んだ木材(柱・梁)で建てる家。個性の違う無垢の木の特性を見極め、手しごとで綿密に加工します。1本1本カケヤで叩いて組み合わせてい

        • 手刻み同好会に入会して

          大阪の茨木市にて市議会議員をつとめております上田光夫です。  2022年にInstagramを通して手刻み同好会にご縁をいただきました。本会の存在を知ってすぐに入会いたしました。手刻み技術の継承を掲げる本会の目的に共鳴したからです。 私事になりますが祖父は大工さんで、叔父は工務店を経営していました。また、父は住宅基礎や土木工事の個人会社をしていました。小さい時から大工さんが身近な存在としてあり、工務店横の倉庫には削られた材木が積み上げられ、木の手触りや香りを鮮明に覚

        継ぎ手、仕口、構造体実動実験 report

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        記事

          手刻み同好会の勉強会

          手刻みの勉強会はともに学んで、各々の仕事に活かしてほしいという目的もあります。同業他社の技術者同士の交流や情報交換、あるいは施工者と設計者が共有しておくことなど、机上では学べないことを体感、実感できる環境を整えたいという想いがあります。勉強会では遠方の方向けオンラインとリアル会場を設けています。そんなことで前回の7月は急遽メニューを変更して、構造が露わになった現場をお借りしての開催となり、大勢の大工さん、設計者さん、ものづくりにかかわってられる方々がリアル参加されました。

          手刻み同好会の勉強会

          手刻み同好会、これからの活動計画「仲間(同志)募集始めました!!」

          まだか、まだかとお問い合わせもいただく中、2022年度からの活動計画が決まりました。2021年コロナがちょうどなりを潜めた11月に奈良県吉野町、製材工業組合さんのご協力のもと「Hut to Tekizami in 吉野」でお披露目してから約5カ月、大変お待たせしました。 地域の工務店さん、一人親方さん、設計者、これから手刻みをはじめたい方、そして、他業種、異業種、一般の方。興味をもっていただいたすべての方々へ向けて、手刻みの技術を後世へつなぐ活動の仲間を広く募集いたします。

          手刻み同好会、これからの活動計画「仲間(同志)募集始めました!!」

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          手刻みの文化・・・「手刻み同好会」がめざす活動

          2021年11月6日、7日に奈良県吉野町で開催された「Hut to Tekizami」の開催記録を背景に「手刻み同好会」が目指す想いをムービーにまとめました。 どうぞご覧ください movie:Shigeki Films English Translation:Mark Sugiyama Photo:Akio Chamoto

          手刻みの文化・・・「手刻み同好会」がめざす活動

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          手刻み同好会は沢山の方々の応援でささえられ、進むことが出来ました。2021年本当にありがとうございました!

          2021年最後のご挨拶となりました。本年は初めて外へ向けた「手刻み同好会」の活動が始動し(11月6,7日に奈良県吉野町で開催「HUT to tekizami」)も無事開催することができました。多くの方々にお披露目させていただくことが出来ました。又、私たちの活動に協賛いただきましたこと、遅くなりましたが、ここをお借りして感謝申し上げます。多くの方々からいただきましたご意見や今後期待することなど参考にさせていただき活動を充実させていきます。又仲間も増え今後の活動を充実させていくこ

          手刻み同好会は沢山の方々の応援でささえられ、進むことが出来ました。2021年本当にありがとうございました!

          『手仕事と暮らしの繋がり』(皆川明)

          産業革命以降、手仕事がこの世界から減り始め、機械化、合理化によって有機的な物づくりが社会の景色から失われている。住まいという人の暮らしの中心となる空間においてもそれは例外ではないようだ。 私達が消費という言葉を用いて物を購入し始めたのはいつ頃からだろう。いつしか私達自身も消費者と名乗り、日本においては1970年頃からの高度経済成長の物づくり方程式は、大量生産、大量消費のサイクルとなっていった。そのサイクルは生産量が増え、時間サイクルはより短くなり、そこに費やされるコストも安

          『手仕事と暮らしの繋がり』(皆川明)

          良いもの、良い暮らし。実直に、不器用に、本当に根付いていく文化を継承する-くるみの木代表/石村由起子さんインタビュー-

          「手刻みの未来を考える」シリーズ。今回は、くるみの木代表/石村由起子さんにお話を伺いました。石村由起子さんは、1983年、奈良でカフェ「くるみの木」を開業され、全国にファンがいらっしゃる現在は奈良を拠点に、各地で商品の企画や町づくりにも関わるなど幅広く活躍、多くのファンを集めていらっしゃいます。 手刻み同好会会員の有限会社羽根建築工房が、くるみの木内のギャラリースペース、そして、奈良の高畑にある石村さんのご自宅を、建築家中村好文氏の設計の元、手刻みで建てたご縁から、今回の取

          良いもの、良い暮らし。実直に、不器用に、本当に根付いていく文化を継承する-くるみの木代表/石村由起子さんインタビュー-

          \トーク&ディスカッション「手刻みのこれから」お申し込み開始しました!/

          【トーク&ディスカッション「手刻みのこれから」】 HUT to Tekizami 2021 in吉野の関連イベントとして、建築家の堀部安嗣氏、山辺豊彦氏をお招きし、手刻み同好会代表の野池政宏がファシリテーターを務めて、手刻み建築の可能性について語るトークライブを開催します。 事前予約制、コロナ状況によっては開催方法等を変更する場合もございますが、視聴方法として会場参加とオンライン配信をお選びいただけます。 ------ ●日時:2021年11月7日(日)14:00-16:00

          \トーク&ディスカッション「手刻みのこれから」お申し込み開始しました!/

          「今後の木造建築と職人」堀部安嗣

          木造建築の技術継承、ならびに職人の減少問題は、世の中のありとあらゆる問題が複雑に絡んでいるので一言で言うことは難しいと思う。原因を単純化できないということは対策も単純化できないということだと思う。 農業、林業、水産業といった一次産業においても、個人経営の小規模なところは後継もなく、また国が大規模化を推し進めているから評価も保証もなく、次第に姿を消してゆくことになっている。近年の“働き方改革”も大企業で働く人にはメリットがあるが、純粋にものづくりを楽しむ人たちには逆風以外のな

          「今後の木造建築と職人」堀部安嗣

          “Hut to tekizami”西原君棟梁デビュー

          こんにちは「手刻み同好会」事務局の篠田です。 今日は快晴。朝から「羽根建築工房」の現場に伺いました。 まずは、小さな小屋から「小屋から始まる手刻みの家づくり」と、材料から墨付け、刻みと西原君がはじめて一人でやらせてもらったようです。 そして今日は本番、先輩たちはにやにやしながら、「棟梁、遠慮せんと指示してや!」って。優しくも厳しく彼の振る舞いや刻んだ材を一つ一つ確認しつつサポートは怠りません。 現場の清掃も先輩がテキパキと周りを固めます。 小さなトラブルも見守り、答えが

          “Hut to tekizami”西原君棟梁デビュー

          大工を育てないと何も守れない・・・

          現在、家を建てている棟梁や大工は、すべて「自社の社員」です。 外注や下請けに任せる工務店がほとんどの現在、社員として大工さんを育成しているのは珍しく、同業者からもかなり驚かれます。 創業150年あまり、「大工の店」にこだわっているのには理由があります。 匠の後継者がいない(10代の大工さんは壊滅状態) 2020年現在、日本全国の大工技能者は55歳以上が18万人です。ところが20代ではたったの3万人、10代に至っては何とわずか2000人しかいません。本格的な木の家の大工さん

          大工を育てないと何も守れない・・・

          「手刻みによる家づくり」考

          私たち羽根建築工房は「大工による加工(手刻み)」にこだわっています。その理由を以下に述べます。 1“大工魂”がさらにこもる家づくりになると思うから 家づくりにおいて「棟上」という工程は、竣工と並んで最大のイベントであり、とくに大工にとってはもっとも“意気”を感じる作業です。その棟上に使う構造材が、自分の手で刻んだものであることで、大工の意気は大いに上がります。私たちは、大工の意気と腕を最大限に発揮してもらう家づくり「良い家」をつくる最大の条件だと考えているので、よほどの理

          「手刻みによる家づくり」考

          「小屋からはじめる手刻みの家づくりproject」開催決定!2021/11/6(土)7(日) Hut to tekizami 2021 in吉野

           我が国の優れた大工技術である手刻みの発展的継承を目指すことを目的に集まった工務店「手刻み同好会」が林業盛んな奈良県吉野町において、吉野製材工業協同組合の協力のもと、手刻みされた材を持ち込み、当日、大工衆が小屋の建前をライブで披露。ライブを通して、失われつつある大工技術の継承とその手刻みで建てる住まいの文化的価値を一般、建築業界関係者、これからの若い担い手などに披露。手刻みで建てる家の良さを実感してもらうイベントを開催いたします。(主催:吉野製材工業協同組合 共催:手刻み同好

          「小屋からはじめる手刻みの家づくりproject」開催決定!2021/11/6(土)7(日) Hut to tekizami 2021 in吉野