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【ミステリ多め】2021年下半期に読んで特に良かった本6冊をとりま紹介しておく

2021年下半期も面白い本をたくさん読んだ。
そのなかで、特に良く感じた本6冊を紹介する。

アンソニー・ホロヴィッツ『A Line To Kill』

生まれて初めて買った英語の本。
375ページすべてが英語で書いてあったのでビビったが、超絶好きなホーソーンシリーズなので頑張って読んだ。英語力よわよわ人間が読んでも十分すぎるほど楽しめるあたり、やっぱりホロヴィッツは途轍もない作家である。2022年に翻訳版が出るとのことなので、それまではこのつらき世を一生懸命渡っていこうと思う。

梓崎優『叫びと祈り』

今年読んだ日本のミステリのなかで断トツに好き。
読んでいると、異国の風(砂が混じっていたり、痺れるほど冷たかったり、香辛料のにおいがしたりする)が顔に当たるのを感じる。謎を発生させる異国の道理に、「そんな理由で?」と眉を顰めそうになるが、すぐに自分が「よそもの」であることを思い出す。事件そのものや動機への面白味はもちろん、一人旅の淋しさすらも感じさせてくれる本だった。

ホリー・ジャクソン著、服部京子訳『自由研究には向かない殺人』

いろんなところで評価されまくっているので逆に推しづらい……。
最初は「自由研究のテーマに未解決事件を選ぶってトンチキやな~」と舐めていたが、展開が堅実だし、何より、真相を求めて地道かつがむしゃらに調査を進める主人公・ピップの姿に心打たれた。ほかにも、「頑張れ、大丈夫だよ!!!」と抱き締めたくなるティーンばっかり登場する。この本も2022年に続編が出るとのこと。寿命が伸びた。

ジャック・リッチー著、小鷹信光訳『ジャック・リッチーのびっくりパレード』

タブロイド紙に掲載されていた短編小説を集めた本とのこと。微笑ましくなるような話や綺麗にオチがつく話に混じって、「邪悪な星新一が書いたんか?」と思うような猛毒ショート・ショートが登場するのが最高。ブルーベリーとクリームチーズのベーグル、それに加えて濃い目のコーヒーを朝食としつつ読みたくなる本だった。

木村盛武『慟哭の谷』

史上最悪のヒグマ襲撃事件を綴ったノンフィクション。ショッキングな事件を取り扱っていながらも、無暗に読者の恐怖心を煽ることなく、犠牲者や遺族の心情、そしてヒグマの野性に真摯に向き合い、1915年の北海道三毛別で何が起きたかを冷静に記している。

ルーシー・フォーリー著、唐木田みゆき訳『ゲストリスト』

「誰が犯人か」はもちろん、「誰が被害者か」もギリギリまで明かされない本。正直に言って、被害者が判明したときにニコニコしてしまった。「うぇ……っ」となるような人間のクズを描くのが上手い人は神作家だ。

来年もきっと、面白い本をたくさん読むだろう。

◎文=山﨑理香子




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