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【爆良】2022年下半期に読んで特に良かった5冊をまとめておく

2022年下半期も面白い本をたくさん読んだ。
そのなかで、特に良く感じた本5冊を紹介する。

アンソニー・ホロヴィッツ著『The Twist of a Knife』

大大大好きな「ホーソーン」シリーズの四作目! 私の2022年ベストブック。ストーリーもトリックも罪深いまでに面白くて、翌日のことを無視して徹夜で読んだ。2023年発売予定の翻訳版も待ちきれない! 今回はハードカバー版を注文したが、届くのが遅かったのでKindle版も買った(そのあとハードカバー版も届いた)。Audible版も買った。

アンソニー・ホロヴィッツ著、山田蘭訳『殺しへのライン』

大大大好きな「ホーソーン」シリーズの三作目にして、待ちに待った『A Line To Kill』の翻訳版! こんなに面白い犯人当てに参加させてもらえるなんて、ミステリが好きで本当に良かったと思う。マゼンタピンクの表紙が超超超カワイイし、何回読んでも楽しめちゃうので実質タダ。海辺が舞台のミステリに外れはない!

大下宇陀児著『偽悪病患者』

収録作品すべてが戦前に発表されたものとのことだが、登場人物たちの心理や考えが繊細に描写されていたお陰か、「置いてきぼり感」を覚えることなくドップリ楽しめた。特に好きなのは『毒』。邪悪な企みがピュアな善意の前に敗れる・・・・・・という話が大好きなので、かなり興奮した。表題『偽悪病患者』も面白かった。書簡体を取るミステリに外れはない!

キャロライン・B・クーニー著、不二淑子訳『かくて彼女はヘレンとなった』

「クレメンタインというご婦人が、いまはヘレンという偽名でシニアタウンに住んでいる」というあらすじが気になって即購入・・・・・・したが、描写があまりに生々しくて、物語に飲み込まれてしまって読むのに時間がかかった。『レ・ミゼラブル』でミリエル司教が書き留めた、「宿を求めて来る者に、名前を尋ねるな」という言葉を私に思い出させる本である。

ウィリアム・ケント・クルーガー著、宇佐川晶子訳『ありふれた祈り』

タイトルがかなりふるっているし、原題「Ordinary Grace」も洗練されていて良い。アメリカ探偵作家クラブ賞の最優秀長篇賞を受賞した作品とのことだが、ミステリというよりは、喪失という悲しみから立ち上がるための方法のひとつを教えてくれる本という感じだった。「すべてをなくしたひとが夕陽の美しさを感じることができるなら・・・」が名文すぎる

まとめ

2022年下半期は他にも、『優等生は探偵に向かない』(ホーリー・ジャクソン著、服部京子訳)や、『シャーロック・ホームズとシャドウェルの影』(ジェイムズ・ラヴグローブ著、日暮雅通訳)、『シナモンとガンパウダー』(イーライ・ブラウン著、三角和代訳)など、心おどる面白い新刊をたくさん読んだ。『桜の森の満開の下』(坂口安吾著)や『幻獣遁走曲』(倉知淳著)など、読んで良さを再発見した本もあった。来年も良い本を山ほど読めるに違いないので、頑張って暮らしていこうと思う。

◎文=山﨑

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