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うどんを食べた後に、目黒寄生虫館に行かない方がいい。


皆様は「寄生虫館」をご存知だろうか。

目黒にある寄生虫を専門に扱った世界唯一の博物館で、入館料はなんと無料である。

館内には数々の寄生虫の標本が並べられていて、その生態や宿主に与える影響の説明がされている。フロアは一階と二階があり、メインとなる二階では人間に寄生する寄生虫を扱っている。


二階は特に身近な事例を扱っているゾーンなので震える展示が多い。ちゃんと加熱殺菌をしないとこんな寄生虫に寄生されるよ!!という内容の恐ろしい展示や、マス寿司に付着していたサナダムシに運悪く寄生されてしまった男のヒストリーと彼の腸からとり出したサナダムシの標本があった。

標本のサナダムシは8.8メートルもの長さにも及び、横には「体験してみよう!!」という誰得なコーナーがあって、そこには8.8メートルの紐がぶらさがっていた。長すぎて笑う。小学生の頃の大縄跳びを思い出した。

果たして、腸の中に8.8メートルという巨大な生物がいて気づかないものなのだろうか。その男性はトイレでいつものように用を足した瞬間に、穴から「やっほー」とサナダムシさんの一部が出てきて初めて寄生されとるやんけ、と気づいたらしい。悪夢だ。トラウマで二度とマス寿司は食えない。

サナダムシもいい感じの体長に留めておけばバレずに済んだかもしれないのに、8.8メートルまで巨大化するなんてバカである。

はなまるうどんや丸亀製麺を愛する民としては、二度とうどんを食べられなくなる危険性をはらむゾーンであったのであまり直視はできなかったが、貴重な展示物なのでそば派の人間はじっくりとそのサナダムシを堪能して欲しいと思う。


また、他にも衝撃を覚えたのが名前は忘れてしまったが、寄生されると男のゴールデンボールが地面につくほどに巨大化してしまう寄生虫の展示である。なんかもう、自分は寄生されてないのに股間がアイタタタタタとなる。男性は多分みんなそうなる。

生まれてこの方、自分のゴールデンボールが地面につくほどに巨大化した状況を想像したことがあるだろうか。男性諸君に小一時間ほど問いかけたい。

もし自分のゴールデンボールがそこまでの大きさになってしまったら、衣服を身に付けることもできないし、歩くたびに地面に接触するので腕に自分のゴールデンを抱えて日常生活を送ることになる。腕に己のゴールデンボールを抱えた男がまともな人生を送れるわけがない。間違いなく黄金を抱いて翔べない人生を送る。


普段はサイズについて意識しない人が大半であるだろうが、ゴールデンボールがジャストなサイズで良かったと生まれて初めて思える貴重な展示なので是非とも男性には見て欲しいと思う。コイツにだけは絶対に寄生されたくない。


最後になるが、館内には意外にも女性客が多いことに驚いた。彼女たちは真剣なまなざしでホルマリン漬けの、なかなかにグロい寄生虫の標本を見つめ、楽しそうに笑い、そして館内で特別販売されている寄生虫グッズを買っていく。どちらかというと私は寄生虫の生態よりも、彼女たちの生態の方が気になった。よっぽど寄生虫が好きなのだろうか。寄生虫が好きな女性がタイプの人は是非目黒寄生虫館にナンパをしにいくことを勧める。


「すいません、お姉さんはうどん派ですか?そば派ですか?それともサナダムシ派ですか?」というハイレベルな寄生虫ギャグを飛ばせば「あら、お洒落な問いかけですね、一緒に展示でも見て回りませんか」となる。金玉ゾーンで「あの西郷隆盛も寄生されたせいでかなりデカかったらしいですよ」と博識をアピールしつつ、「寄生はされていませんが僕もなかなかに大きいです」と耳元で囁く。

最後にサナダムシの展示を見ながら、今度一緒にマス寿司食べに行きましょうというデートの約束を取り付ければもう春はすぐそこです。

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