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ニューイングランドIPAをニューイングランドで飲んだ話 [3]

Trillium Brewing Company

バーモント州からマサチューセッツ州ボストンまで一気に南下してきました。

ボストンと言えばまず名前が挙がるのがNight Shift BrewingTrillium Brewing Companyです。前夜にNight Shiftへは行ったのですが、今回はこのエリア最重要ブルワリーであるTrilliumの話に絞りたいと思います。

今回の旅はスケジュールの都合でボストン入りしてから北上し、バーモント州のブルワリーを巡りながらNYまで南下する行程だったのですが、これが結果的に大正解でした。なぜなら、意図せずNew England IPAの元祖Alchemist、次にHill Farmsteadとスタイルが伝播した順にブルワリーを巡ることになったからです。つまり、NE IPAが次第にアメリカを南下しながら、いかにマーケットやその土地に合わせてスタイルを微妙に変えて行くのかを感じ取ることができました。

実はここTrilliumはお土産として最高コンディションの缶を何回も飲んだことがあるため、その実力は知っていたのですが、後述することになるTree House Brewingよりも濁りが明るくで、フルーツのフレーヴァーが効いてドリンカビリティが高く、スムースな印象を持っていました。

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ここはボストンの一等地にあります。横にある立体駐車場は2時間で$38というびっくりブライス、その裏のビルではTrader Joe'sの新店舗が建設中で、Trilliumは想像よりも遙かに大規模でした。開店の12時前に行くと当たり前のように行列があり、人気が伺えます。

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1時間後には平日にも関わらずほぼ満席です。カウンターの向こうにはガラス張りの醸造設備が見えますが、これはあくまでもR&D、テスト的に使っているそうで、別に大きなカニングマシンを備えた工場があるそうです。

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これがメニューで、注目すべきはHoppyの所です。見事にNew EnglandもHazyも書いてありません。どれがHazyだ?と聞くと「どれもHazyだ」と答えが返ってくる訳です。残念ながらこの日は彼らのフラッグシップであるCongress Street IPAが無かったのですが、テーブルの担当者が可哀相に思ったようでで、マネージャーに聞いてドラフトのCongressをサービスで提供してくれました。あくまでもスタイルはAmerican IPAです。

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この通り、濁りは強いです。Mature Adult Human Triple IPAだったと思うのですが、ブラッド・オレンジのフレーヴァーが綺麗に出ており、いくらでも飲めそうでした。

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面白かったのがこれ。51%のビール、49%の白葡萄ジュースで醸造しているそうで、これは法的にも立派なビールだそうですが、同行者でソムリエでもある友人は「低レベルなビオワインの味。でもビールとしては有り」との評価で、僕はどちらかと言うと好きな方に入ります。もうこれは完全にスパークリングワインですね。

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ここは缶のお持ち帰りのカウンターですが、老若男女がクーラーボックスやクーラーバッグを持って続々と持って帰ります。確かにこの人気ならCongress Street IPAが品薄なのも分かります。

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クルマに戻ろうと思ってシャッターを覗くと、シュッとたイケメンが入ってこいと言うことで、急遽見学ツアーに。今回の同行者はソムリエ以外にも本職の醸造家、さらにブルワリーのオーナー&醸造家がいたのですが、彼らが自己紹介するとブルワリー側の人間がいきなり態度を変えて「もっと早く言えよ!」とフレンドリーになり、無料でビールをガンガンくれたり、醸造のノウハウも惜しみなく教えてくれたり、やはり同業者の繋がりの強さというか、コミュニティの強固さを感じました。これは素晴らしい文化です。

ご覧のように、巨大の木の樽が見えますが、次第に南下しながらブルワリーを巡ると、この積み上がった樽が東海岸のブルワリーのアイデンティティになっているのでは?と気付くことになります。

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皆様のサポートに新たな冒険に旅立つことが可能となります。NZ南島に行きたいと思っています。