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『るろうに剣心 最終章 The Final』蔵出しレビュー

公開当時のレビューです。

『るろうに剣心 伝説の最期』から約7年のブランクを経てのシリーズ最新作に当たる『るろうに剣心 最終章 The Final』。原作と比べてわりと肝心な箇所に大胆な改変があるが、「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」の本編の最終章に当たる雪代縁編の実写化としてはとりあえず無難な出来になっている。

雪代縁らの一味との一連のバトルと、剣心の亡き妻・巴とのエピソードを展開するも、巴とのエピソードはわずかの回想で最小限にとどめ、次回作に持っていったと見られる。

忠実再現を狙ったシーンの再現度は高く、また高垣アクション監督によるバトルのクオリティも相変わらず高く、この部分では安心して見られる。

が、全体の半分以上改変され、この煽りを食ったのが明神弥彦と三条燕。今回の映画の中で原作では弥彦の大活躍が一つの見せ場になるはずたが、大胆にもカットしている。あくまでも、剣心中心にしたのと、コミックで10冊半もの原作を1本の130分超えの尺におさめるのは至難の技で、やむを得ないカットと考えられる。

それと、原作では雪代縁の一味に外印というキャラがいたが、こちらは完全カットされている。やはり、こちらも尺の都合でのカットと考えられるが、そこまでやるなら、今回を「The Bigining」にして、雪代縁編を完全に前編・後編にした方が良かったのではないだろうか? その狙いは次回作にあるのだろうけど、雪代縁編を完結させるにあたっての無理矢理感が強く感じられる。

そこは映画版は映画版と割り切る以外になく、そうなると無難な出来におさめざるを得ない。原作ファンも映画版のみを続けて見てきたファンも、とりあえずは見ておいた方がいいぐらいの出来ではある。

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