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vol.55 手紙を楽しくさせる本【手紙の助け舟】

こんにちは。
喫茶手紙寺分室の西川侑希です。
みなさま、いかがお過ごしですか。もうすこしで梅雨入りですね。

みなさんは雨の日をどのように過ごされていますか。
私は手紙を書いたり、読書をしたり、外をぼーっと眺めてみたり、ちょっとだけ手の込んだ料理をして過ごしています。
梅雨の時季は気持ちを整理したり、誰かを想ったりと「自分自身に向き合う」ことがしやすいと思っています。
梅雨時期の“おうち時間”は手紙を書いてみてはいかがでしょうか。

読み物としての手紙の指南書

とはいえ、手紙を書きなれていない方にとっては、ハガキ1枚もなかなかハードルが高いと思います。
かく言う私も、昔はそうでした。
「書き始めはどうするの」「宛名がうまく書けない」など、今思えば些細なことなのですが、そのために数日間モヤモヤし、諦めたこともあります。

いろいろな手紙に関するハウツー本を読む中で、マナーだけではなく、
その後のストーリーが知りたくなるような読み物としても面白い本に出合いました。それは『三省堂ポケット 手紙の書き方辞典』です。
プライベートでの手紙を中心に解説・文例が記載されているのですが、
中でも秀逸なのが「縁談・結婚に関する手紙」の章。
ラブレターは「求愛状」となっていて、以下のような解説文が書かれています。(一部抜粋)

▶一回で成功すると思ってはいけない。相手方の心にこちらの愛情が伝わるまで何回も書き、その熱意で相手方を動かすようにする。
▶いかに愛しているかを形式にとらわれず、思ったとおり書く。具体的に書くと、そこに本当の愛情がにじみ出るものである。

引用/『三省堂ポケット 手紙の書き方辞典 プレミアム版』武部良明 編(三省堂)

文例については読んでいただけたらと思うのですが、このラブレターを送る男性、隆さんと相手の明子さんがお付き合いをし、めでたく結婚式・披露宴を迎え、新婚生活を迎えるまでのさまざまな手紙の文例が掲載されています。
この章だけでも読みごたえがあり、ドキドキしながら読み進めることができますし、手紙に慣れていない方も楽しめる本だと思います。「手紙も楽しいかも」と思っていただけるような一冊です。
 
それではまたお会いしましょう。
どうぞお体をお大事に。

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 西川 侑希(にしかわ・ゆき)|喫茶手紙寺分室 note ライター
手紙文化振興協会認定 手紙の書き方コンサルタント
愛知県名古屋市生れの名古屋市育ち。広告代理店で営業職として勤務したのち、メーカーで商品企画と広報を担当。「文具店が開ける」と言われるほどの文具マニア。
1年間で手紙を書く枚数は500通以上。最近は読書と釣りが趣味。
Instagram  https://www.instagram.com/yuki__nishikawa/


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