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Vol.107 六月の心晴らし【手紙の助け舟】


こんにちは。
喫茶手紙寺分室の田丸有子です。
各地の梅雨入りのニュースが聞かれる頃となりましたがお元気ですか?

若い頃は雨の日が好きではありませんでしたが、今はベランダの植物たちに優しく降り注いでいるのを見て、空気がしっとりする雨の日もいいなぁ、恵の雨だなぁと思うようになりました。特に雨音を聞くのが好きで、雨が降り出すとその音が聞きたくて少しだけ窓を開けたりします。

一方、湿度が上がってジメジメしたり、長引けばさすがに気分もどんよりしたりとマイナスのイメージがあるのも事実。多くの人は梅雨にあまり良いイメージを持っていないのではないでしょうか。長雨が続く時にはお見舞いの手紙を書いてみませんか。そう、梅雨時のごきげん伺いです。

「鬱陶しい季節ですね」「雨ばかりで気が滅入りますね」このような書き出しで相手の共感を得るのも悪くはないと思いますが、せっかくの手紙ですから、気持ちが前向きになるような表現を使ってみるのがおすすめです。
たとえばこんな風に。

・恵の雨が降り続き、庭の植物たちが喜んでいます。
・紫陽花の色が映える季節になりました。
・雨つながりで映画「雨に唄えば」を見たら気分が上々になりました。
・カラフルな傘を買いました。雨の日の外出が楽しみです。
・こんな雨の日には、家でコーヒーを飲みながら読書する時間が最高です。

あたかも雨の日が嬉しくてワクワクする日であるような気がしてきませんか? 前向きな表現にするコツは”雨のおかげ”を考えてみることです。

ポストカードや切手選びもぜひこだわって。文章を書くのが億劫なら色鮮やかな紫陽花のポストカードに「梅雨時のお見舞いを申し上げます」や「お元気ですか?」と一言だけ書くのもかえっていさぎよく感じられます。
目が覚めるような青い空のポストカードを使えば、早く梅雨が明けると良いですね…という送り手の気持ちが、たとえ文章に書かれていなくても十分に伝わるでしょう。

ここまで書いてきて、実は梅雨時は手紙の遊び心を大いにくすぐる季節かもしれないと思い始めました。手紙の上でジメジメした湿気を吹き飛ばすような爽やかさを演出するにはどうしたらいいか、雨の良さを感じてもらうにはどんな風に書いたら良いかなど、あれこれ考えるだけで心が晴れてくるようです。

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田丸有子(たまる・ゆうこ)|喫茶手紙寺分室 note ライター
手紙文化振興協会認定 手紙の書き方コンサルタント
子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。
切手に描かれている美術品や絵画の実物を鑑賞するための美術館巡りが趣味。目下ステイホームで始めたベランダガーデニングに夢中。
blog: 手紙魔Yukoのお手紙ライフ





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